タイトル | 蝶よ花よ |
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原作・漫画 | 吉原由起 |
出版社 | 小学館 |
就職活動での面接で
蝶子はとんでもない質問をされる――
それは・・・
「あなたは処女ですか?」
というもの・・・。
こんなセクハラ質問をする
会社には絶対に入らない!
と思う蝶子だったが、
他の会社に採用されず
入社することになってしまう。
しかも上司がその質問をした
面接官だということが分かって――!
蝶よ花よのあらすじ紹介
久世蝶子は就職活動で
ある会社の面接に来ていた。
その面接官の男がした
質問に、蝶子は一瞬耳を疑う。
「あなたは処女ですか?」
蝶子は聞き間違いかと思ったが
そうではなかった。
蝶子は仕方なく
自分は処女だと正直に答える。
面接官は言う。
「それは結構。」
そんな質問をする会社など
絶対に行かないと思ったが
他の会社に採用されなかった蝶子。
蝶子は仕方なく
その会社に入社することを
決めたのだった。
しかし入社式の日
自分だけが「あの」質問を
されたことが分かって!?
蝶よ花よのネタバレと今後の展開は?
蝶子の家は何人も使用人をもつ
大地主だったが、没落した今は
蕎麦屋を営んでいる。
その使用人の息子に
ちゃーちゃんという男の子がいたことを
蝶子は懐かしく思い出していた。
またちゃーちゃんに会いたい・・・
しかしそんな気持ちとはうらはらに
蝶子は二度と会いたくない男に
再会してしまう。
それは面接であのセクハラ質問をした
男、堂本雅之だった。
蝶子は秘書課に配属され、
堂本に指導されることになったのだ。
堂本は社内でも評判の有能な社員で、
蝶子の秘書課配属も堂本の指示で
決まったという。
蝶子はまわりからやっかまれるうえ、
仕事では堂本から厳しく指導され、
毎日大変な毎日を送る羽目になる。
そんなある日、
一人の男が無理やり
秘書課に押し入ってきた。
男は刃物を持っておどし
蝶子を人質にとって言う。
「社長を出せ!」
そこに堂本が現れ、
男を止めようとすると
男が暴れ蝶子を突き飛ばした。
その時堂本が
「お嬢さま!」
と言って蝶子をかばった!
自分のことをお嬢様と呼ぶなんて
もしかして堂本はちゃーちゃん?
蝶子が聞くと堂本は――!
蝶よ花よの読んでみた感想・評価
元お嬢様と使用人が、部下と上司に
立場が逆転するラブコメ!
まず目を惹いたのは
堂本が蝶子に対する態度が
くるくる変わるところです。
堂本が厳しい上司の時もあれば
お嬢様としてあつかう時もある。
このギャップが面白いし
何より使用人としての堂本は
本当に素敵でした。
「お嬢様の身に何かあったら
雅之めは腹を切ります」
このセリフ、好きです!
自分が今まで言われたことのない、
これからも言われる予定のない言葉なので
うっとりしてしまいました。
ちょっと古風な言い回しですが
相手を大切に思っている気持ちが
よく伝わってきます。
対して蝶子も、普段は普通の社員でも
時々凛としたお嬢様の姿も見せる
ギャップがある人なのです。
二人共にギャップがあるので
まるで四人分の人格を見ているような
錯覚に陥りました。
そんな二人なので、二人のやりとりは
リアクションが全く読めない!
いい意味で予想を裏切られる展開に
夢中になって読んでしまいました。
とてもラブコメという一言では
説明しきれない魅力的な作品です。
蝶よ花よはこんな方におすすめな作品!必見
お嬢様と使用人の恋愛というと
悲恋を想像しますが、このマンガは
コメディ要素が強く、笑える作品です。
かといっておちゃらけているものではなく
純粋な愛情をしっかりと表現しているのが
特徴です。
堂本の蝶子に対する愛情は、
使用人としてのものと
そうでないものとがある。
この気持ちの違いが、表情と態度に
少しずつ表れていくところが、
非常に細やかに上手に描かれています。
何故堂本が使用人であるという
理由だけで、蝶子をこんなにも
大切に思い続けるのか・・・
これについては読み進めると、
納得の理由が明かされるので
さらに堂本の愛の深さを感じられます。
また、この作品で注目すべき点は
堂本と蝶子の激しいボケとツッコミ。
こんなお笑い路線まっしぐらな二人の
ラブストーリーが成り立つのか?
と思うくらい絵も崩れてるのですが
不思議と成り立つのが
この作者の凄いところです。
本人たちからしたらちょっとしたケンカ?
でもはたから見たらすごく笑える!
そして本当はラブラブ・・・
という一番羨ましい恋愛の形を
体感できるマンガです。