タイトル | 雪人 YUKITO |
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原作・漫画 | 大沢在昌 もんでんあきこ |
出版社 | 小学館 |
父親の死の真相をつきとめるため
深い海のような街、
新宿へやってきた1人の青年がいた。
「田代組」を探しまわるうちに
様々な人と出会う。
彼が動き始めたことにより、
徐々に乱れだす秩序・・・
闇に葬られた事件の真相を追う
ハードボイルドミステリー!
雪人 YUKITOのあらすじ紹介
田舎から出てきたばかりの
主人公・梶雪人。
危ないバイトをしていた
エリと杏に、カモにしようと
目をつけられてしまう。
東北訛りのある雪人を
面白がるエリ。
澄んだ瞳に
引き付けられた杏は、
やめておこうかと言います。
しかし
「騙されるほうが悪い」
新宿は弱肉強食の街・・・
怪しい店に連れて行かれ、
請求されたのは法外な金額。
怒鳴るヤクザの男たちを相手に
怯む様子もなく、
「田代組を知らないか?」
と聞きます。
どうしても田代組について
知りたい雪人。
そこへ新陽会の宮本がやってきて・・・
雪人 YUKITOのネタバレと今後の展開は?
田代組について聞かれた宮本は、
知らないと答えます。
刑事の佐江が通りがかったことで
無事に店を出た雪人。
何も手がかりは得られなかったが
獲物は必ずこの街にいる・・・
そう確信していました。
街中で杏と偶然再会します。
ヤクザに連れていかれたリエが、
危険かもしれないと
事務所へ乗り込む2人。
そこで会ったヤクザの戸塚によると
田代組は、
とっくに潰れているといいます。
雪人を尾行していた佐江は、
田代組を調べ回っている理由が
気になっていました。
12年前、傷害事件を起こした
田代組構成員・苅部耕二。
秋田から迎えにきた警官2人と
移送中の苅部の行方が途絶え、
警官1人が死体として発見されます。
その警官は雪人の父親でした。
父親の死の真相をつきとめるために
警官を辞め、相当な覚悟で
東京にきていたのです。
実はかつて、
田代組の幹部だった宮本。
個人的な興味から
雪人と行動を共にする佐江。
雪人が東京へ出てきた翌日
苅部が殺害されていた・・・
これは単なる偶然なのか
それとも・・・
雪人 YUKITOの読んでみた感想・評価
父親の死の真相を求め、
秋田から上京してきた雪人。
殴りかかってくるヤクザ相手にも
負けない強さ。
何者!?と驚きましたが
実は警官と知ったとき、
納得しました。
身内の事件は担当できないため、
仕事を辞めてまで上京してきた雪人。
その覚悟にしびれます。
辞表を出したものの、
上司は休職扱いにしてくれていて
安心しました。
雪人に惹かれ、
また会えないかと
期待している杏。
悪いことに巻き込まれないか
心配ですが、
今後どんな関係に
なっていくのか楽しみです。
絵も綺麗で色気があって
脇役もかっこよかったです。
この漫画の原作小説「北の狩人」も
読んでみたくなりました。
田代組の情報を探しまわり、
少ない手がかりで父の死の真相を
つきとめようとする雪人。
真相に少し近づいたかもしれない
このタイミングで
苅部耕二が殺害されてしまった・・・
裏で誰かが、
何かが動いている様子です。
これ以上踏み込むと
危険な感じがして、
ハラハラします。
父親や苅部は一体誰に殺されたのか・・・
事件の真相が気になります。
雪人 YUKITOはこんな方におすすめな作品!必見
父親の死の真相を追い、
上京してきた雪人に
警察や、ヤクザが絡んできます。
登場人物は魅力的な
キャラクターばかり。
男性キャラが
かっこよく描かれていて
渋いおじさんたちが最高です。
ハードボイルドや
刑事ものが好きな方は特に
夢中になるストーリー。
ハードボイルドといっても
ヤクザと揉めたり、
殴り合いになるばかりではありません。
雪人も、ヤクザを殴り返すと
またやり返しにくるからと
手を出さないときもあります。
刑事の尾行に感づいて
確証を得るためにわざと
殴られたりなど、とても頭が切れます。
ミステリー要素もあり、
様々な謎が絡み合って
複雑になっています。
この事件の犯人は誰なんだろう?
何の目的があってそんなことを?
真犯人や事件の真相といった謎を
推理しながら読める楽しさもあります。
「北の狩人」を
もんでんあきこが
コミカライズした本作。
原作とは異なる部分もあるようです。
原作を読んでいなくても
楽しめる仕様です。
漫画を読み終えたら
原作も気になってきます。
読み比べてみるのも
面白いかもしれません。