タイトル | まんがグリム童話 拾妾―スプチョプ―~女の残酷な風習~ |
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原作・漫画 | 月森雅子 |
出版社 | ぶんか社 |
この本は韓国などアジアの昔話が
中心に収録されています。
女と言うことで、男の人よりも
低い地位で、哀しい目にあっている
そんな人たちが描かれています。
タイトルになっている作品
拾妾―スプチョプ―は、
夫を亡くした女の話です。
まんがグリム童話 拾妾―スプチョプ―~女の残酷な風習~のあらすじ紹介
この本には4作品の漫画が
収録されています。
その中で、ここで書くあらすじは
拾妾―スプチョプ―に
ついてです。
主人公ヨンエは、酒乱で乱暴者の夫と
結婚していました。
ある日、その夫が酒の飲み過ぎで
亡くなりました。
この国のこの時代の女の立場は弱く
ヨンエは妻としての立場が
無くなった事で追い出されてしまいます。
行き場を失くした女は道で拾って
くれた男に尽くす風習に従い
道に立つと幼なじみにあいます。
幼なじみと幸せになれるのか・・・・
まんがグリム童話 拾妾―スプチョプ―~女の残酷な風習~のネタバレと今後の展開は?
主人公の結婚していた当時の
毎日も悲惨なものでした。
酒に酔い添った勢いで
まるで欲求を処理するためにだけ
ヨンエを抱くそんな生活でした。
そんな夫が亡くなっても
ヨンエは幸せになれませんでした。
この国では、夫に死なれても
女は再婚することが出来ず
街中に放りだされてしまうのです。
そんなヨンエを拾ってくれたのは
幼い頃に仲良くしていた
幼なじみの男でした。
でも幼なじみには正妻もいます。
ヨンエも再婚はできません。
愛妾の一人として傍にいるだけでもいいと
幼なじみの家に行くことを決めます。
幼なじみはすごく成功していて
案内されたのは、大きな邸宅です。
その中には、女たちがたくさんいました。
幼なじみが成功してていたのは
拾った女たちを集めて、そこで
娼館を経営していたからでした。
愛人としてではなく、単なる商売道具として
拾われただけと気が付いても
もう、遅いです。
ヨンエは、娼館の中で娼婦として
生きることになりました。
酒乱で乱暴者の夫との生活に
比べたらマシと諦めて生きます。
ラストには、そんな生活にも
大きな変化があります。
まんがグリム童話 拾妾―スプチョプ―~女の残酷な風習~の読んでみた感想・評価
離婚したならともかく、死別で
この扱いはひどすぎると思いました。
国によっての差があるとはいえ、
納得できない!!
そんな風に思いました。
その上、再婚禁止で拾ってもらうのを
待つなんてなんじゃこりゃです。
でも子供の頃、仲良くしていた幼なじみに
拾ってもらってよかったねと
思っていたのもつかの間!
今度は娼婦として働けって言う
状態になってしまいました。
こんな時代から、今のように
女がものを言える時代になったのは
良かったなあと思います。
でも女が被害者になる事件は
現代でもたくさん起きています。
映画やドラマでは、権力者が
自分の立場を利用して警察に
圧をかけて事件をもみ消すなんて事も。
でもこれ、ドラマの中だけ
なのかなと思う事例もある
現代日本です。
歴史上の物語を読むことで
女として、大事な事は何なのか
考えるのもいいのかなと。
でもこの話、最後のどんでん返しで
おもわず、よしっ!!と思う
ラストの展開なんです。
月森雅子さんの絵もきれいですし
読んだあとの感想はとてもいいです。
まんがグリム童話 拾妾―スプチョプ―~女の残酷な風習~はこんな方におすすめな作品!必見
月森雅子作品は、いくつか読んでいますが
読んだ後の感想が、良いものが多いです。
この作品を読んでよかったなと思う人は
月森雅子さんの他の
作品を選んで読んでみるのもいいかも。
漫画は、内容で選ぶ、作者で選ぶと
いう選び方をしても楽しいです。
今回、あらすじでは紹介しなかった
王昭君の物語もあります。
この女性の話は、香港や中国で
映画化・ドラマ化されています。
この本の中では、その一部を切り取った
感じなので、しっかり知りたい人は
ドラマ化されたものもあります。
日本語で見やすいものは
『クィーンズ 長安、後宮の乱』
があります。
あとは、この
まんがグリム童話シリーズ
全体に言える事なのですが。
女が多くの男たちの
性のはけ口とされて生きてきた
時代があると言うこと。
もしかしたら、地域や
一定の社会の中では
今なお、そんな処もあるかもしれない。
女性が生きやすい時代を
維持するためにはどうしたらいいのか。
しっかり考えることができる本でも
あると思っています。