タイトル | 柔道部物語 |
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原作・漫画 | 小林まこと |
出版社 | 講談社 |
柔道初心者、
かつまったくさえない典型的な
高校生であった三五十五。
高校で柔道を始めることにより、
その隠れた才能が開花。
同じ高校のメンバー、
そして元オリンピック候補選手
だった監督が指導を行う。
全国制覇を最終的には成し遂げていく、
一見スポ根のように見えるが
とにかく笑いが絶えない作品。
また、三五十五を取り巻く
ライバルたちの存在も非常に重要。
作品を通じて皆が成長していく姿は
非常に読み応えがあり、
柔道物としては秀逸の作品。
柔道部物語あらすじ紹介
物語の始まりは三五十五が
岬商業高校に進学する
ところから始まります。
ふとしたきっかけでのぞいた、
というか仮入部させられてしまった
柔道部の1年生へのしごき。
(岬商業ではしごきをセッキョーとよんでいる)
まったくスポーツをしたことのなかった
三五十五がしごかれる。
しかし、元来負けん気が強い三五十五は
何を思ったのか柔道を
続けることを決意してしまう。
吹奏楽しかしたことのなかった三五十五。
なんと秘められた柔道の才能があり、
1年の夏休みを超えたころには
めきめきと実力をみにつける。
そして、衝撃だったのが
県内どころか全国でもその名を響かせていた
江南高校の樋口を優勢勝ちで
下してしまうのでした。
2年生になったころには
完全に県内の有力選手。
インターハイの決勝では再度、
リベンジを狙う樋口を下す。
さらには、個人戦でも飛埼守を破って
インターハイ出場。
なんと柔道を始めて1年半で全国3位にまで
上り詰めることになります。
自分の代では主将を務めることになります。
県内では無敵であったもののの全国で
耕談館浦安の西野という怪物、
いやライバルと出会い、初戦は完敗する。
最終的には西野にも
干渉する実力を身に着け、
物語は大団円を迎える。
柔道部物語ネタバレ・今後の展開
もともと、三五十五の自宅は
すし屋を営んでおり、高校を卒業したら、
すし屋を継ぐことになっていた。
あまりの柔道への思いが強くなったこと、
そしてライバルたちとの触れ合いの中で
三五十五の決意は少しずつ揺らいでいく。
作品の中では最終話のシーンだけですが
ここは非常に見ごたえがあります。
そして、高校時代の最大のライバル
であった西野が一緒にオリンピックで
メダルをとろうと言われます。
大学でも柔道を続ける決意をしたところで
作品は終わってしまいます。
しかし、この小林まこと先生の作品には
1・2の三四郎という作品の中で
三五十五が登場するシーンがあります。
日本代表の強化選手に
選ばれていることが分かります。
このエピソードはかなりの柔道部物語ファン、
もしくは小林まこと先生のファンでないと
知らないところになっていると思います。
また、三五十五の過度な
ストレスを感じたときに発症する
ミステリーサークル形状の円形脱毛症。
すばらしい集中力を発揮したときに
あらわれるひょっとこ顔。
柔道以外の場面でも
非常に面白いエピソードがあり.
わき役たちもこうした
三五十五を盛り上げていくことに
なっているところがこの作品の魅力です。
柔道部物語読んでみた感想・評価
柔道部物語を読んだ感想は何といっても、
スポーツサクセスストーリーであり、
かつコメディ。
また日常的であり、
非日常的でありという様々な要素が
絡み合っていて面白いなと思いました。
週刊誌で連載されている頃から読み終えて、
さらにそれを改めて単行本を買いそろえて
読み直すほどのファンでした。
自分自身、柔道に関してはほとんど
知識がありませんでした。
しかしこの作品を通じて柔道に対して
非常に興味を持つようになりました。
そして何よりも、
興味を惹かれるのは初心者の三五十五が
いつの間にか日本一に
なっていくこの成長の過程です。
もちろん、才能があったことは
間違いありませんが、一度も負けずに
勝ち上がっていくのではありません。
負けを経験する中で強くなっていく
その姿が実在するヒーローを
連想させてくれるわけです。
そして、ライバルに負けては
眉毛が円形脱毛症になります。
集中するとひょっとこ口になるという
漫画ならではのストーリーも
最高に面白いです。
そして、三五十五のライバルたち、
そして一緒に戦ってきた
三崎商業の仲間たちも個性があります。
みながそれぞれ成長していく姿を
見られるところは面白いです。
何しろ、作品の赤で全員が
筋肉質になっていくくらいですから。