タイトル | 曇天に笑う 外伝 |
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原作・漫画 | 唐々煙 |
出版社 | マッグガーデン |
人々はオロチの呪いを恐れていた。
三百年に一度蘇り
この地に災いをもたらす魔物。
オロチと戦い、見事勝利した人間たち。
失ったものも大きいが
オロチは消滅した。
太陽が戻ったこの地で
新しく紡がれる物語。
本編で明かされなかった人々の過去や
その後も描かれています。
曇天に笑う 外伝のあらすじ紹介
あの日から1年が経った。
明治12年、滋賀県大津の天気は晴れ。
日本の変革期であり、
過去最大の犯罪率にもかかわらず
人々は活気に満ちていた。
三百年に一度蘇る「オロチ」は
災いをもたらす魔物として
恐れられていた。
しかし、ある人物たちの
活躍によりオロチは消滅。
ずっと曇っていた滋賀の空に
太陽の光が戻る。
人々はオロチとの戦いで
圧倒的な力を目の当たりにした。
曇神社の当主として力をつけるべく
曇家次男・空丸は稽古に励んでいた。
曇天に笑う 外伝のネタバレと今後の展開は?
曇家長男・天火、次男・空丸
三男・宙太郎。
相変わらず犯罪が減ることは
なかったが明るく楽しい日々を
送っていた。
天火はオロチとの戦いで負傷し、
左半身が動かせない。
それ以来、あまり外出もせず
周囲は心配していた。
かつて天火はオロチを倒すために
存在する組織「豺」の隊長だった。
オロチを倒して世界を救うと信じ、
父や仲間と共に進んでいた。
しかし、両親が死んで
まだ幼い空丸と宙太郎のために
組織を抜けることを決意。
琵琶湖に建つ、
凶悪犯罪者を収監する
脱獄不可能な檻「獄門処」。
代々罪人の橋渡しを担ってきた
曇家だが監獄も無くなった。
オロチも消滅し、残ったのは
体も自由に動かせない自分だけ。
これではお荷物だ。
負担をかけたくないという思いから
両親の墓の前であの時オロチと
一緒に消えたかったとこぼす。
そこへ豺の仲間が現れて語り、
励まされ再び前に進む決心がつく。
豺は天火の父であり師匠だった彼の
墓の前で豺の解散を発表する。
豺のメンバーもそれぞれ
新たな一歩を踏み出した。
曇天に笑う 外伝の読んでみた感想・評価
天火は強く、
無き両親の代わりとして
弟たちを引っ張っていた反面
何でも1人で抱え込んでいました。
兄には敵わない、もっと強くなりたい
頼ってほしいと願っていた
幼かった空丸や宙太郎が
立派に成長し天火を支えています。
曇家の三兄弟に愛着のある
読者としてはつかの間の平穏だとしても
彼らの楽しい日常が
戻ってきて嬉しかったです。
豺を抜けた天火の話を聞いて
以前の空丸であれば
自分たちのせいだ・・・と
思いつめたかもしれません。
しかし、自分たちを思ってこその
天火自身の迷いのない選択だったと
思えていたので本当に
強くなったんだなと感じました。
曇天に笑うの本編で
語られなかった人物たちの
その後が外伝で描かれています。
外伝を読んだ後と前では
キャラに対して思う事や見方も
さらに良い方へと変わりました。
家族同然の仲間の裏切りは
とてもショックでしたが
外伝で彼の壮絶な過去や三兄弟への
想いを知れたので良かったです。
色々なものを背負い、乗り越えてきた
三兄弟も救われたと思います。
曇天に笑う 外伝はこんな方におすすめな作品!必見
曇天に笑うのその後が描かれた本作。
曇天に笑うを読み終えた方には
読まないと損だ!と
言いきれるほどの内容です。
曇天に笑う・外伝・煉獄に笑うと
シリーズがあり、
どこから読んだらいいのか
分かりにくいです。
曇天や煉獄はどちらから読んでも
楽しめる内容になっていますが
曇天→外伝→煉獄という風に
読むのが理解しやすいと思います。
外伝には登場人物のその後はもちろん
「これから」も描かれています。
オロチが消滅し、滋賀に太陽が戻り
安心しきっていた彼らに新たな不幸が
近づいてきます。
新たな展開にワクワクしたり
ヒヤヒヤしたり忙しくなります。
「これを待っていた!」という内容で
曇天に笑うファンにはたまらない、
沢山魅力が詰まった作品です。
逆に、曇天に笑うが好きだけど
少し消化不良だったと
感じていた方もいると思います。
外伝でそういったモヤモヤも
スッキリするので、
より曇天に笑うの面白さが
アップします。
曇天に笑うのラストに納得し
満足しましたが、
外伝はそれを上回る感動を
与えてくれます。