タイトル | period |
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原作・漫画 | 吉野朔実 |
出版社 | 小学館 |
“どうしてぼくらは
殴られるの?”
鏡嶋家の兄弟・ハルとヨキ。
幼い二人には
お母さんがいない。
なぜならお父さんが
暴力を振るうからーー
無垢なハルとヨキは
幸せを手に入れることが
できるのか…。
心を抉るストーリーを描く
ヒューマン・ドラマ!
periodのあらすじ紹介
弟思いの兄・迴(ハル)と
天真爛漫な弟・能(ヨキ)。
幼い二人は父親・戒人から
暴力を受けていた。
ある日
叔父夫婦・貴志と加代子が
家へやって来る。
最初は何をしに来たのか
全く分かっていない
ハルとヨキだったが
やがて二人の話を耳にし
金を無心するために来た
ということを知る。
幼い兄弟を救おうとする者は
誰もいない…。
父親である戒人への
憎しみを募らせたハルは
とうとうバットで
戒人を殴るのだった。
気を失ったまま
動かない父親を見て
死んだと思うハルとヨキ。
ところが次の日…!?
periodのネタバレと今後の展開は?
父・戒人を殴り殺した
翌朝ーー
ハルとヨキは
いつも通り目を覚まし
朝食を食べようと
居間に向かいます。
すると居間には
死んだと思っていた
戒人がいました。
昨日のことを
覚えていないのか
人格も違います。
その日から
“別人”になったかのように
優しくなった戒人ですが
突然激しい頭痛に襲われ
入院することになります。
父親も母親もいない家で
ヨキの面倒を見るハル。
家の中だろうと外だろうと
やりたい放題で楽しむヨキに
ハルは何とも言えない
不安を感じていました。
まるでヨキはかつての
戒人と似ているようで…
無邪気な”狂気”を
秘めているようでした。
ある日二人のもとに
退院して帰ってきた戒人と
大荷物を持った
叔父夫婦がやって来ました。
叔父の妻・加代子曰く
今日からハルとヨキの
“親代わり”となるため
今日から鏡嶋家で暮らすと
いうのです。
驚くハルとヨキをよそに
娘・まいらを紹介します。
ヨキは彼女を見るなり
ブスと罵ります。
こうして
叔父夫婦やまいらとの
共同生活が始まるのでした…。
periodの読んでみた感想・評価
ハルとヨキを捨てた母親
暴力で全てを支配する父親
そして
借金を抱える叔父夫婦…。
ハルとヨキの周りの
大人はどうしてこうも
身勝手なのでしょうか?
あまりにも兄弟が不憫で
重くなりました…。
作中でハルが
暴力を振るわれるシーンは
とても痛々しかったです。
兄弟も兄弟で
暴力を振るわれることに
慣れているというか…
壁に付いた血の染みを
魚拓と例えるところは
なんだか悲しくなりました。
にしても
父親・戒人のヒドさ!
妻だけでなく子どもにまで
暴力を振るうとは
あんまりですよ。
この男は何を考えているか
全く分からないので
見ていて怖かった…。
ページをめくるのも
躊躇したくらいです。
早く虐待の罪で
捕まったらいいのに
と思っていましたが
ハルにバットで
殴られてしまいましたね…。
戒人は殴られたことで
記憶を一部失いました。
これがきっかけで
ハルとヨキは
ロクでもない叔父夫婦
そして娘・まいらと
生活するわけで…。
もう振り回されっぱなし
ですよね…この兄弟!
ハルとヨキは
この先どうなるんだろう
と思うと不安です。
せめてラストは
幸せになれることを
祈っています…。
periodはこんな方におすすめな作品!必見
とにかく
重いストーリーが大好き!
…という方は
「period(ピリオド)」
をおすすめします。
本作を手がけたのは
今は亡き漫画家・吉野朔実さん。
吉野さんの代表作といえば
『少年は荒野をめざす』や
『ジュリエットの卵』!
作品名をご存知の方は
多いと思います。
本作は心と身体を支配する
“暴力”をテーマに…
幼い兄弟・ハルとヨキの
人生を重々しく描きます。
見どころは
身勝手な大人たちに
翻弄される子どもたち。
主人公であるハルとヨキは
まさにそうです!
序盤から幼い二人が
暴力を振るわれるシーンは
見ていられないものでした。
人によっては
目をつむりたくなる
と思います…。
暴力シーンは
生々しくリアルに
描かれています。
暴力に翻弄されるのは
ハルとヨキだけでは
ありません。
ストーリーがどんどん
進んでいくにつれ
借金を抱える叔父夫婦
貴志と加代子
そして娘・まいらが
登場します。
無口なまいらは
心に暴力を受けている
子どもです。
まいらとハルとヨキ…
この三人を見ていると
三人の方が
大人らしいと感じました。
重々しいストーリーですが
考えさせられるので
おすすめです!