タイトル | 夜の陽炎 |
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原作・漫画 | 深沢かすみ |
出版社 | 集英社 |
学生時代に夢中になった
影のある男、蒼太。
結婚したいとまで思った
藍子だったが。
その時に彼の過去を聞かされ
彼から離れてしまう。
それから約10年。
再び出会ってしまった二人。
結婚している蒼太に
もう会わないと思っていたが。
運命は二人を近づけ
二人は不倫の関係に。
夜の陽炎のあらすじ紹介
学生時代、アルバイト先で出会った
二つ年上の蒼太。
藍子は、心も体も蒼太に夢中だった。
会話の中で蒼太が苦労して
大学に入学をしたのは知っていた。
でもその苦労の内容を知り
藍子は彼から離れてしまう。
10年ほどたったある日
藍子は蒼太の住所を知る。
その紙を見ると蒼太には
妻がいた。
蒼太の過去の事件のせいで
結婚しないと言っていたのに。
どんな人が蒼太のあの過去を
受け入れたのか。
気になって行ってみると
絵にかいたような幸せそうな家庭。
蒼太の妻と何度か会うことがあり
二人は出会ってしまう。
運命に引かれるように
二人は、体を重ねる関係に戻る。
夜の陽炎のネタバレと今後の展開は?
大学卒業間近の藍子は付き合っていた
蒼太に結婚したいという思いを伝える。
しかしその時に、草太から語られた
彼の家族の事実。
彼の父が連続婦女暴行の罪を犯し
死刑となり、それも執行されていた。
母と蒼太は、名前を変えて
隠れるように暮らしていた。
しかし心労で母も彼が
高2の時に亡くなった。
殺人犯の息子、その事実は
まだ大学生の藍子には重かった。
その告白をした後
蒼太は藍子の前から姿を消した。
藍子も現実の重さに
蒼太を探すことなく10年。
市役所に勤める藍子は、廃棄する
書類に蒼太の名前を見つける。
その書類には蒼太の妻の名もあった。
何故蒼太が結婚しているのだろう。
藍子はあの時、逃げた負い目で
自分の結婚を戸惑っていたのに。
どうしても、彼の家庭が見たい。
そんな思いで蒼太の家に行く
藍子の目に幸せそうな家庭。
中から出て来た妻に
庭に見とれていたという。
庭の花を切って手渡す彼の妻。
家に帰る前にそれを捨てる藍子。
しかし街中で体調を崩した
蒼太の妻に会い、家まで送る。
そして二人は再会する。
外は急なひどい雨。
蒼太は、藍子を送っていくという。
そして二人の間は昔のように
繋がってしまう。
夜の陽炎の読んでみた感想・評価
犯罪者の家族。
罪の内容によって、どうしても
許せないモノってある。
でもそれは、家族には関係ない。
でも日本の有名な事件の犯人家族が
追い詰められて死を選ぶ現実。
そんなことも有って、藍子が
別れを選んだのもわかる。
その時の後悔と罪悪感があって
結婚に至っていない藍子。
それなのに、過去を隠して
蒼太は結婚していた。
考えると、裏切られた感じが
しちゃうよね。
それでも、結婚してても
ふたりはやっぱり。
運命の相手だったんだなって
気がしてしまった。
まだ大学生の決心、いろいろな
戸惑い、親の子と考えるよね。
それが、時を経てであっても
お互いを求めてしまう気持ち。
ただこの二人の間には
蒼太の妻はもちろん。
藍子の元恋人。
藍子が妹のように面倒を
みているミオリ。
蒼太の妻に嫉妬している
隣人の女。
周りの人達が、どれも
敵に転じてしまいそうな。
そんな怖さがある。
単なる不倫だけでなく
蒼太の親の事。
すべてが多くの人の
目に留まるようになったら。
この二人はとても辛い
立場になるんだろうなと。
そんな風に思いながら
読んでいた。
夜の陽炎はこんな方におすすめな作品!必見
この漫画は不倫の漫画なんだけど。
不倫だけじゃなくて、人としての
弱さなども、描かれている。
だから、人間ドラマが見たい
そんな人にオススメです。
この作品は、好きになった人の
家族が犯罪者だったら。
好きになった人と
世間の目とどう向き合うか。
そんな愛し方を考えたい人に
読んでほしいなと思う。
結果的に不倫になってしまった
人間の弱さ。
そして運命的なつながりを
感じる二人。
犯罪者や、その家族を
愛してしまったら。
そんな視点で書かれた作品が。
湊よりこ先生の
「青年A、彼に恋してしまったら」
こちらは、世間を騒がせた殺人犯の
元少年と主婦の不倫を描いています。
堀江貴文さんは、拘留されてた時
老人介護などの実習をやったとか。
この漫画の青年Aと呼ばれる人も
介護士の資格を取り、現場へ。
そう言う現場で、今は懸命に
働く青年に惹かれていく主人公。
不倫じゃなくても
周りから賛成されない恋。
さらに不倫というリスクのある恋。
こちらのお話も、考えさせられる
お話です。