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隠し球ガンさんのネタバレと感想です!どうなる結末は!?

隠し球ガンさん

この記事は約 5 分で読めます。
タイトル 隠し球ガンさん
原作・漫画 木村公一 やまだ浩一
出版社 文藝春秋

東鉄ジャガーズのスカウトとして
各地を飛び回り、財力や権力でなく

情と人を見る目の確かさで選手と
向き合っていく名スカウト、ガンさん。

彼は常に言葉と心を尽くして、
選手たちの本当の姿を見つけ出していく…。

熾烈なプロの世界に入っていく
若者たちの姿を描写した、
異色の野球漫画です。

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隠し球ガンさんのあらすじ紹介

なかなか選手が充実せず苦しい
台所事情の東鉄ジャガーズ。

戦力をすぐに補強するには
スカウトしかなく、それもできるだけ

コストをかけずに有望選手を発掘できる
敏腕が必要でした。

一方、かつて超一流のスカウトとして
知られた岩間(ガンさん)は、近頃の
大金が渦を巻くようなプロ野球界には

愛想が尽き何をするわけでもない
引退生活を送っていました。

昼から酒を飲み、手遊びの博打にも負け、
家では娘にもきつく言われたりする

生活の中、ジャガーズの監督に請われた
ことがきっかけで、再びアマ選手たちを
見ることになったガンさんですが、

その頑固さとマイペースさは
相変わらずで、組織と財力がものを言う

昨今のスカウトとは真逆の泥臭さで、
無名選手一人一人に
向き合っていくのでした。

隠し球ガンさんのネタバレと今後の展開は?

沖縄の大学を辞め、東京でヤクザの
企業舎弟をやっていた岩城。

コゲついたお金を借り手から
無理やりはぎ取り、その上前を

はねるという合法ギリギリの仕事を
続けている岩城は、既にカタギで
ないように見えました。

しかし、実際に話をしてみたガンさんは、
彼の心がまだ野球から離れていないことを

直感し、さらにはバッティングセンターの
マシーン相手にキャッチングを繰り返す
岩城の姿を見て確信に至ります。

ガンさんは各方面への必死の説得を
繰り返し、ようやく岩城をヤクザの世界から
引き離し、球界に戻すことに成功します。

しかし、当然プロとしてすぐに
できるわけではないので、故郷の沖縄の
無名チームで調整させることにしました。

しかしその途中、メディアによって岩城の
経歴がすっぱ抜かれてしまいます。

当然のごとく掌を返す球団ですが、
岩城はそれでも腐らず、無名チームの

非力なピッチャーの力を最大限に
発揮させて、見事に結果を残します。

一方騒動の渦中の存在である以上
当然注目はされるもので、その好奇の

視線はスカウトしたガンさんにも
注がれるのでした。

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隠し球ガンさんの読んでみた感想・評価

誰が打って勝った、誰が打たれて
負けた、だけではなく、選手たち
一人一人には確固とした

人間ドラマがある、と思っている
私にとっては非常にツボにハマった
作品でした。

小さな頃から高校、大学、あるいは
社会人まで野球一筋で生きてきた人たち、

プロに進むというほどにまで力を
つけてきた選手たちなら、相応の

語れるだけの人生を背負っていて
当然だと思います。

もちろん現実にはそうした要素は
簡単に見えてきたりはしないものですが、

本作では、スカウトであるガンさんの目を
通じて、選手それぞれの人生が
語られることになります。

故障を隠して何としてもプロに
指名されようとしている投手、親が
ヤクザであるために色眼鏡で見られ、

結局部にいられず自分もヤクザに
なってしまった捕手、抜群の足を

持っていたもののアキレス腱を
切ってしまい力を発揮できなくなった
ランナー……。

ガンさんが見付けてくる「隠し球」たちは
皆、完全無欠の選手ではなく、だからこそ
傷を負っても上を目指そうとしています。

その姿勢が熱くて格好良いんですよね。

また、現代の拝金主義のプロ野球は
嫌だと散々言ってきながらも、

球団関係者の困り顔や、行き場を
なくした選手たちのことを考えると、

的な部分もあって現場に復帰してきた
ガンさんの人柄も魅力的です。

口は悪いものの威圧的でも暴力的でもなく、
常にスカウト対象の選手たちと真っ直ぐ

向き合うその姿は、ある種の
理想像ですらあり、契約金や年棒が
巨額になり、どうしても資金とバックの

企業の実力勝負になることが多い球界の
現状に関する答えだとも言えるように
思いました。

隠し球ガンさんはこんな方におすすめな作品!必見

毎年様々な選手が活躍する
プロ野球を描いた作品は多いですが、

その裏方をテーマに据えた作品は
希少です。

しかし、実際には熾烈な練習や
暗闘を支えるスタッフというのは

必要不可欠であり、中でも有望選手の
素質を見極め、未知の人材を探し出す
スカウトの比重は大きいものがあります。

戦力は常に更新していかねば
いけませんし、無名の人材なら
獲得資金も安く済みます。

しかし、本作のスカウト岩間
(ガンさん)は、90年代後半
当時、既に情報化が進みチーム戦の

様相を呈してきていた選手スカウトを
ほぼ一匹狼でやり遂げる敏腕かつ
頑固者でありながら情にも脆く、時には

選手の人生を考え、ドラフトにかかるような
人材のスカウトを見送ることもあるほどの
強烈なポリシーを持っています。

徹底して足を使って情報を集め、実際に
生で観て力を見極め、何度も話をし、

というガンさん流のやり方は確かに
クラシカルですが、微細にわたって

配慮が行き届いていて、ディティールの
細かさもあります。

現在とは随分ルールから用具まで
違う時代の話ではありますが、

やはりいつであっても心が重要なのだと
言うことが良く分かる作品だとも言え、

本作を読むことで野球観戦がより
楽しくなるのではないかと思います。

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