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サイレント・アイのあらすじやネタバレを書いています(感想もあり)

サイレント・アイ

この記事は約 7 分で読めます。
タイトル サイレント・アイ
原作・漫画 赤石路代
出版社 小学館

戦場に向かい行方不明になった恋人。

戻ってきたのは一台のカメラ。

志半ばとなった彼の意志を継ぎ、
彼女は「世界」に迫ることを決意する。

フィルム17枚目に「真実」を映す
そのカメラとともに。

言葉は発しないが多くの人に真実を
語り掛ける「沈黙の瞳
(サイレント・アイ)」が

向けられるとき、混沌とした社会に
うごめく哀しき人生が明らかになる!

赤石路代が挑む、新感覚社会派
ミステリー、ここに開幕。

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サイレント・アイのあらすじ紹介

槙村愛梨は、モデルとして
トップクラスの人気を誇っていた。

しかし、モデル以外の仕事をしない
彼女のスタンスに周囲は

「所詮お嬢様」と冷ややかな
視線を送る。

三星銀行頭取の娘として何不自由ない
生活をしていると思っている周囲に対して、

唯一疑問を呈したのは
カメラアシスタントの九島大樹。

彼女の瞳に映る厳しさ、優しさ、
哀しさ、強さは苦労知らずの
お姫様ではないと見抜いていた。

そんな大樹に興味を持った愛梨は
彼に近づき、出自を明かす。

自分が愛人の子であり、豪勢な屋敷ではなく
ダウンタウンで生まれ育ったということを。

大樹の撮る写真は、その人の真の姿を
余すところなく映し出しており、
愛梨は感動する。

そして二人は恋人の関係となっていく。

もともと大樹は報道カメラマン志望。

チェチェン紛争の取材に同行することになり
彼は中央アジアに旅立っていく。

愛梨は彼を追うため、モデルを辞め
カメラマンになる決意をする。

その直後、モデル仲間・緑山みるが
謎の転落死を遂げる。

時を同じくして、取材先のチェチェンで
外国人誘拐事件が発生。

その被害者の中に大樹が
含まれていることがわかる。

荒らされた部屋に残されたいたのは、
大樹が愛用していたニコンF5。

現地から戻った大樹の兄・大河から
それを譲り受けた愛梨は、続いて

起きたモデル仲間・野世杏子
襲撃事件の現場に出くわし、
そのカメラで写真を撮ることになる。

彼女の撮影した写真はスクープとして
取り上げれるが、一方でみるの転落死、
杏子襲撃の黒幕とも噂されてしまう。

憤慨し、苦悩する愛梨を救ったのは、
大樹が残したニコンF5、そのフィルム
17枚目に映った画像。

そこには、本来映るはずのない
真実が、重なって映っていた…。

次々に起きる事件の数々。

レンズを通して真実を探る
愛梨の戦いは続いていき、やがて

チェチェンでの真相にも
近づいていくことになる。

サイレント・アイのネタバレと今後の展開は?

まだ新米カメラマンである愛梨に、
そうそう報道の仕事などあるわけはなく、

まわってくる仕事はなんでも
やるような状態だった。

たまたま大樹の兄が
雑誌編集者だったこともあり、

そのつてで政治家のパーティーへの
取材に同行することに。

そこで、地元市議の
首藤隆司に出会う。

祖父が市長、父が文部大臣の
三世議員だが、パーティーの席上で

わざと怒らせるようなことをして
その瞬間を撮影することに成功する。

その写真の出来を気に入った
隆司から声がかかり、以後、
選挙用の写真などが依頼される。

そして、これをきっかけに隆司との
個人的なつながりも深まっていく。

隆司は政治家として今何を
すべきなのか、ということを
常に考えて行動するタイプで、

そのため党内上層部から
スタンドプレーと揶揄されることも
出てくる。

市内で発生したO-157の
大量感染事件の際、愛梨は
病院で撮った17枚目に映っていた

「1253」という数字から、感染が
爆発的に広がることを察知して
隆司に対策を直言する。

最初は信じていなかったが、
パニック状態になっている現場を
目の当たりにしてすぐに行動を起こす。

関係各部署に連絡を入れ、
緊急対策チーム発足にこぎつける。

翌日は訪米視察が予定されていたが
それをキャンセルしての行動だった。

その行動力と誠意に愛梨は心を動かされる。

首藤家の使用人を巻き込んだ
スキャンダル疑惑や、
都知事暗殺未遂事件、

殺害請負ネット事件、
産業廃棄物不法投棄疑惑など、
隆司とともに様々な事件を

解決していくうちに、愛梨の心の中では
その存在が大きくなっていく。

そして、チェチェンの隣国・
チェルギスにおいて大樹が
生きているとの海外メディアが

報道するや、愛梨はすべてに
決着をつけるために
単身チェルギスに向かう。

そこには難を逃れて奇跡的に
生きていた大樹の姿があった。

しかし、記憶を失い今はユウジと
名乗っている。

その隣にはエィミイという
名の現地女性が…。

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サイレント・アイの読んでみた感想・評価

前半はモデル(芸能界)から報道の
世界へとシフトする愛梨が、業界と

関連するところで事件に
巻き込まれるパターンが多かった。

愛梨自体に芸能界への未練は
微塵もなく、あの世界独特の実態を

知ったうえで、あくまで「人間らしい」
視点で事件に取り組んでいく姿は
とても好感がもてる。

華やかな世界の裏ではドロドロした
人間関係がうごめいているが、そんなことに
臆することなく、一直線に突き進んでいく。

自分は愛人の子である、という事実を
認めたうえで、それに悲嘆することなく
生きてきたのがよくわかる。

父親のキャラクターが全く憎めない
ところがその原因であるのだが、
銀行頭取という、まさにドロドロした

人間関係が展開する業界のトップが
こんなに人が良くて、逆に大丈夫かと
心配になるくらいである。

後半から首藤隆司という若手政治家が
登場するが、本当に精力的に
市民のために奮闘する。

特にO-157パニックの時の手際の
良さは、現実の政治家が

見習ってもらいたいほどの
素晴らしさである。

考えてみると、愛梨は
(愛人の子ではあるが)
財界人の子、隆司は政治家三世、

と親が過酷な世界で生きてきたことを
知らず知らずのうちに見ているのである。

○○の子どもだから、所詮後継ぎだから、
と世間はレッテルを貼りたがるが、

上流階級に育った子が必ずしも
苦労知らずというわけではない。

そんなこと関係なく、自分の確固たる
信念と、行動力があれば、どんな環境で

育ったというのは関係ない、そう作者は
言いたかったのかもしれない。

サイレント・アイはこんな方におすすめな作品!必見

ミステリー要素と政治の要素が
うまい具合に融合されているので、

双方のジャンルの作品が好きな人
それぞれに満足してもらえるところが
あると思う。

ミステリー要素については、ミステリー誌で
「永遠(とわ)かもしれない」といった
作品を掲載しているので、申し分ない。

神秘的な要素が強く、この作品でも
それが生かされていると思う。

政治部分について、ドロドロしたところが
あまりなく、理想的な政治家を希求している

面はみえるが、赤石氏の作品の
特徴でもあり、慣れると逆に
クセになるところもある。

代表的なところであげれば
「市長 遠山京香」などが近いものだろう。

政治、ミステリーともに、現実にある問題に
絡めて話を展開しているところも多く、

そういう問題意識を持っている人にも
勧められる。

時期的に不況が深刻化していた頃であり、
ホームレスへの虐待やネグレクトといった、
比較的身近にも起こりそうなことから、

国際テロ、民族紛争に至るまで
幅広い内容を網羅している。

物語の大きな要素となっている
行方不明となった大樹が
関わってくるのが、チェチェン紛争。

今なおロシアとチェチェンの間で
続いている闘争にフォーカスし物語と

しているのは、架空戦記やハードボイルド
以外の少女コミック系では珍しいと思う。

ましてや「劣化ウラン弾」の問題を
扱うのは、問題として微妙なところもあり
かなり思い切った感もある。

本編のサイドストーリとして
掲載されている「デザート・ストーム」に

至っては、チェチェン紛争の闇の部分を
描いているので、これも必見である。

これらから、ロシア関係に興味ある人にも
ぜひオススメしたい作品である。

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