タイトル | デトロイト・メタル・シティ |
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原作・漫画 | 若杉公徳 |
出版社 | 白泉社 |
圧倒的な人気を誇るバンド、
デトロイト・メタル・シティ。
その中でクラウザーを演じる青年、根岸は、
デスメタルではなくポップな音楽で
認められたいと思っていましたが、
素の自分はまったく評価されず……。
新感覚音楽コメディです。
デトロイト・メタル・シティのあらすじ紹介
圧倒的な人気を誇るデスメタルバンド、
デトロイト・メタル・シティ。
しかし、その中でもリーダー格を
演じているのは、実は平凡な青年、
根岸でした。
もっとポップで楽しい音楽をやりたいと
思っている根岸。
しかし、素の自分がいくら
一生懸命に演奏しても
誰も見向きもしてくれません。
一方でクラウザーになって暴走すれば、
一瞬でファンを熱狂させることができます。
食い違う理想と現実の中、根岸は
今日もクラウザーを演じ続けるのでした。
デトロイト・メタル・シティのネタバレと今後の展開は?
ジャック・イル・ダークを粉砕し、
メタル界にますますその名を響かせた
デトロイト・メタル・シティ(DMC)と
クラウザー。
しかし、私生活の根岸は
相変わらず冴えません。
思いを寄せる相川さんには告白できず、
家族からも評価されず、素の自分の
音楽もまったく注目を浴びません。
そんなある日、ジャックの娘であるという
女性、ケニーが史上最悪のフェス、
サタニック・エンペラーを
開催するという話を持ってきます。
もちろん根岸は乗り気ではありません。
しかし、そのフェスを最凶の
デスメタルバンド、ヘルヴェタが
狙っているという情報もあり、DMCは
フェスに参加を決定します。
全国から名うてのヤバいバンドが
結集するサタニック・エンペラー。
既に名の知れていたDMCは
格好の的になりますが、クラウザーの
えげつないまでのパフォーマンスによって
彼らは撃退。
残るはヘルヴェタだけになります。
しかし、圧倒的な狂気でファンを
扇動していくヘルヴェタと企てによって
会場には火が放たれます。
危機が迫る最悪の状況の中、
根岸はヘルヴェタとの
対峙を迫られますが……
デトロイト・メタル・シティの読んでみた感想・評価
ガッチガチのへヴィ・メタル、しかも
デスメタルという、一見さんお断り感
全開の表題とは裏腹に、強烈なまでの
とっつきやすさを誇る作品です。
真面目で熱心だが才能が皆無で、
まったく周りから評価されない根岸の苦闘が
共感を呼び、クラウザーに変身した時の、
これ以上ないほどあんまりな歌詞を
振りまきつつ大暴れするその姿が、
妙なカタルシスをもたらすから
かも知れません。
少なくとも私は、歌詞にまったく
ハマれないにも関わらず
爆笑し続けてしまいました。
根岸の脇を固める人たちの
キャラも豊富で飽きることがありません。
常識側の人と非常識側にいる人の違いが
物凄いものの、ブレることが一切ないので、
ある種の安心感を持って見ていられます。
また、クラウザーの信者たちの
ノリノリっぷりなど、見たこともないのに
何故かあるある感が漂う描写なども多く、
とてつもない存在感のある
作品と言うことができるでしょう。
ストーリーも単純明快で、
筆に迷いが感じられないのも
個人的には非常に好印象でした。
デトロイト・メタル・シティはこんな方におすすめな作品!必見
いわゆる主人公が「不本意」に悩む
コメディ作品ですが、根岸から
クラウザーに変身する際の振り幅の
大きさが半端ではなく、
強烈なインパクトを誇ります。
理不尽なまでの突破力であらゆる状況を
強引に克服していくクラウザーの姿は、
まさにパワー系ギャグ漫画を
求めている方には最適と言えるものが
ありますし、全面的にヒドい歌詞の数々も
他の漫画では、と言うより地上波では
決して聞けないようなものばかりで、
まさしくオンリーワンと言えるでしょう。
根岸の上司である社長のあんまりな性格、
登場するライバルのえげつなさといった
キャラ立ちも強烈で、明らかに音楽漫画には
はまり切らない何かを持っている
連中と言えます。
どの漫画を読んでもキャラが
画一的に見えるな、的な悩みに対する
処方箋とも形容できるような
濃いメンバーは、やはり暴走モードの
根岸でなければ御せないと
確信できるレベルのものです。
漫画である以上、一切音楽は
流れないわけですが、それでも
あからさまに分かる通常モード根岸の
ダメさ加減など、絵柄の綺麗さでは
はかれない「画力」など、他にも
見るべきところが多い作品と言えます。