タイトル | 今夜、先生の腕の中 |
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原作・漫画 | 真村ミオ |
出版社 | 小学館 |
複雑な家庭環境を持つ浅木碧の
担任教師である中条は、
碧の苦しみを知ったために
教師として、そして男として
大胆な行動に打って出る……。
教師ものの作品の熱さと
恋愛もののドキドキが同居した、
新感覚学園恋愛物語です。
今夜、先生の腕の中のあらすじ紹介
高級住宅街の豪邸に住み、
著名人の母親を持ちながらも、
冷え切った家庭に苦しむ碧。
担任である中条先生は、
ふとしたきっかけから
彼女の家庭を知ることになり、
様々な形で世話を焼き
親身にアドバイスしていきます。
しかし肝心の碧の母親は
まったく親身にはなってくれず、
先生のアドバイスも結局、
功を奏することはありません。
中条先生から人と家庭の
温もりを知った碧は、
もう耐えられないと
家を飛び出し、
先生の自宅に来てしまうのでした。
今夜、先生の腕の中のネタバレと今後の展開は?
高級住宅街の中でも
ひときわ目立つ豪邸に住み、
著名なインテリアデザイナーの母を持つ、
女子高生、浅木碧。
周りからは羨望の眼差しを向けられる
環境に身を置いていますが、
実は家庭は冷え切っており、
母は碧にさしたる情熱をも
抱いていませんでした。
ある日、放課後カラオケで遊んで後、
碧たちのグループは
豪雨に降られてしまいます。
他の友達は親に迎えに来てもらい、
その車に便乗する形で
難を逃れることができましたが、
雑誌の取材がくるからと
家を追い出されてしまった碧は、
彼らの車には乗れずに、
雨が降りしきる街を歩くことになります。
そこに現れたのが傘をさした中条先生。
碧の担任である彼は、彼女を傘に入れ、
送ろうとしますが、その過程で
碧の家庭の事情を知ります。
取材が来ているから娘を追い出す、
碧の母の姿勢は先生にとっては
信じられないものがあり、
半ば強引に家に二人で行きますが、
碧はそこで、「子供」をうとましがる
母の勝手な物言いを聞いてしまいます。
傷心の態度を笑顔でごまかす碧を
中条先生は自宅に招いて、
ずぶ濡れの彼女をお風呂に入れ、
食事を振る舞います。
普段豪華な食べ物を口にしても
味も感じないほど弱っていた碧も、
中条先生が作る素朴な料理は
心底からおいしいと感じますが、
一方で中条先生から、
親がいるんだから気持ちを
ぶつけてみたらと助言されます。
すると三者面談に来てくれると
碧の母親から連絡がありましたが、
しかし当日、碧たちの望みとは
まったく違う現実がありました。
今夜、先生の腕の中の読んでみた感想・評価
こんな打開方法があるのかと
思わず唸りたくなりましたね。
問題のある家庭環境の子を、
熱血な先生が助けていく展開は、
教師もののドラマや漫画では
非常にお馴染みで、
恋愛関係がなくても成立します。
一方、生徒と教師が恋をする的な
もう一つの「定番」の場合は、
当然その関係が生徒の親や
周囲にバレるとまずいために
家庭に深く立ち入るのは
現実的な選択ではありません。
しかし本作の場合、
家庭環境から助けを求めた碧を
大人として教師として助けつつ、
同時に恋をスタートさせるという、
とても大胆な展開であり、
思わずドキドキしてしまいました。
しかもその後、話の流れ的に
やむを得ない部分もあったとは言え、
いきなり中条先生が、
碧のお母さん相手に
「お預かり宣言」を真正面から
してしまうのですから、
正直相当ハラハラもしました。
ヒロインの碧ちゃんは、
少し無理をするところがあるタイプの
キラキラ系いい娘であり、
その一途さも含めて応援できる
性格の持ち主ですし、
中条先生も一見クールっぽいですが、
実は相当に熱く向こう見ずでもあり、
不器用に「二重生活」をする二人には、
隠し事をしている陰険な感じはなく
むしろ爽やかささえ
感じることができましたね。
今夜、先生の腕の中はこんな方におすすめな作品!必見
もっとも身近で分かりやすい
禁断の関係と言うと、生徒と教師という
組み合わせが思いつきやすいですね。
実際、その種の作品は多いですが、
単なる片思いではなく恋人関係となると、
元々教師だったはずが完璧に
「一個人」になってしまい、
関係が楽しめないことが少なくありません。
しかし本作は、教師が家庭に問題のある
一人の女生徒をかくまうようにしつつも、
恋愛感情も同時に持っている形なので、
教師であり保護者としての彼の顔と、
「男」としての彼の態度を、
同時に楽しむことができ、
他の作品ではなかなか見られない
斬新な描写や関係を
堪能することができます。
しかも、普通の場合は
「いかに親バレしないか」に
多大な労力を払うものですが、
本作の場合は完全に堂々と、
教師の側から自宅に
「お預かり宣言」するという、
飛び切り危険な選択肢を
あえて取ることによって、
単に冷え切っているだけでなく、
まったく母親が娘を
可愛がっていない、
碧の家庭環境だからこそOKの
綱渡り的ドキドキ感さえ
序盤に持ってきています。
さりげなく相当に
テンションの高い選択を
取ってもきますので、
普通のドキドキ系の漫画では
満足できなくなった方には
まさに最適かも知れませんね。