タイトル | Sエスー最後の警官ー |
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原作・漫画 | 小森陽一 藤堂裕 |
出版社 | 小学館 |
韓国大統領の来日が近づくなか、
無差別殺傷事件が発生した。
SATがその場を制圧するため、
警察庁に新設された第3のS・NPSの
出番は無いはずだった。
しかし、NPS隊員の神御蔵一號は
ある光景を見て、激怒する。
Sエスー最後の警官ーのあらすじ紹介
少女を人質に立てこもっている
極悪犯がいて危険な状況だった。
ついにSATの出番かと
思われたそのとき。
一號は隣の部屋から集音マイクで
音を拾い、犯人の位置を突き止めた。
薄いボロアパートとはいえ壁ごと
犯人目がけて殴り飛ばし、捕らえた。
保護された人質の少女はどうして
あんな奴殺してくれなかったのかと
泣きながら訴えてくる。
殺せばそこで終わり、生きて苦しみ、
後悔させなければならない。
それでも少女の言葉は
一號に突き刺さった。
Sエスー最後の警官ーのネタバレと今後の展開は?
国家がテロに屈した事件をきっかけに
政府は特殊部隊の創設を決めた。
特殊部隊・SAT
特殊犯捜査係・SIT
これらの部隊・通称Sの任務は
通常の警察官が対応できない
ハイジャック、バスジャック、
テロ事案など様々。
Sは警察の中で唯一、犯人の制圧
(国家の安全を優先し、犯人の命を
奪うこと)が許されている。
そして、秘密裏に誕生した
機動力と捜査力を併せ持つ
少数精鋭部隊、第3のSがあった。
制圧ではなく確保(犯人を生きたまま
捕らえること)を目的とした
特殊急襲捜査・NPS。
一號は街で道に迷っていた
おばあさんを助けた。
ある日、駅で無差別殺傷事件が
発生したとの連絡が入る。
18人の死傷者を出し、逃走していた
犯人は一號の目の前で、あの時道に
迷っていたおばあさんを刺した。
怒った一號は犯人を殴り、捕らえたが
SAT隊員の蘇我伊織に犯罪者を
生かして何になると聞かれた。
一號は死んだら痛みは伝わらない、
悪いことをした奴をぶん殴るために
NPSに入ったと言った。
Sエスー最後の警官ーの読んでみた感想・評価
一號が壁ごと立てこもり犯を殴った
シーンに驚きました。
いくら壁が薄いボロアパートとはいえ
壁は壁。
一號が元ボクサーと聞いたのと
読んでいくうちに熱い男だと分かって
納得しました。
警察ものはドラマや漫画などで
たまにしか見ませんが楽しめました。
立てこもり犯に人質にされていた
少女の言葉が印象に残っています。
悪い男に人質にされて怖い思いを
したらそんな奴殺してほしいと
思うのは当たり前だと思います。
何でそんな悪人を生かしておくのかと
泣いている少女に謝る一號を見て
胸が押し潰されました。
殺せばそこで終わりで一生をかけて
自分のしたことを反省し、償わせる
ことが無意味だとは思いません。
死ぬより、苦しい思いを抱えて
孤独に生き続けることのほうが
辛いと思うからです。
しかし、自分が被害者になったときに
そう言われて納得するかというと
無理だと思います。
極悪犯を生かして償わせるのか
殺して償わせるのかは難しい問題だと
考えさせられました。
Sエスー最後の警官ーはこんな方におすすめな作品!必見
ドラマ化もされているので見たことが
ある人も多いかもしれません。
私もドラマを見ていましたが
漫画を初めて読んでドラマとは
違った面白さを発見できました。
ドラマは見たが、漫画は読んでいない
という人は違いを比べる楽しみ方も
できると思います。
悪人を罰する正義の警察官とはいえ
全てが正しいとは限りません。
警察官でありながら悪いことを
する人だっています。
悪人には生きて償ってもらう、
悪人には死んで償ってもらう。
色々な考えがあり、どれが正しいのか
という答えはないのかもしれません。
それでも一號は自分と向き合って
NPSに入り、悪人をぶん殴るという
選択をしました。
一號はとても熱く、「正義」という
言葉がぴったりの男で
心を揺さぶられます。
最初の方は熱血すぎると
作品と温度差を感じていました。
しかし、読み進めてみると
いつの間にか引き込まれていたので
同じように感じた人でも徐々に
見方が変わると思います。
正義や熱い男と聞いてビビっと
きた人にぴったりの作品です。