放課後の賢者のあらすじとネタバレ！終わり方（結末）が見たい！

夢だった通訳を諦め、
英語教師になった水嶋葉子。

しかし彼女の学校には
「賢者」と呼ばれる
天才生物教師、邑崎がおり……。

先生同士の恋はもちろん、
教師という仕事の有意義さも
十分に描かれた、

ハートフル学園物語です。

放課後の賢者のあらすじ紹介

市立緑沢高校の英語教師として、
毎日を過ごしている水嶋葉子。

本当は通訳になりたかった彼女にとって、
教師は燃える仕事ではありませんでしたが、

色々と的外れでメチャメチャながらも、
人への真摯な思いと優しさを持つ、
天才教師邑崎との出会いが、

彼女を徐々に変えていきます。

邑崎が顧問をつとめる、生物部の
部員の片思いを応援したり、
卒業式に際して改めて、

自分の指導力の乏しさに気付き
悔しい思いもしたりしますが
徐々に成長していきました。

しかし、ベテラン女教師の
天間だけは、邑崎に対して
特別な感情を抱いており、

水嶋が一方的に生物部の
副顧問に指名されたことで
そのことが明らかになるのでした。

放課後の賢者のネタバレと今後の展開は？

市立緑沢高校の新任教員である、
水嶋葉子。

堪能な語学力を活かして、英語を
教えているものの、本当は
通訳者になりたかった思いがあり、

また授業としても、まだ若く、
親しみやすい気性のため、
生徒から軽く見られてもいました。

そんなある日彼女は、
第２生物準備室に呼び出されます。

その準備室は周りから「賢者」と
呼ばれる天才教師邑崎が
拠点としている場所でした。

大天才な上にイケメンで、
センター試験出題問題の
読みもバッチリという有能さから、

皆から尊敬される邑崎ですが、
呼び出した水嶋に対し、
いきなり話題を切り出します。

それは、顧問をしている生物部に属する
ある生徒が別の生徒を好きなようだという、
コイバナでした。

呆気に取られる水嶋ですが、邑崎はさらに
平然と水嶋の手を握ったりしつつ、
的外れな提案を繰り返します。

その無配慮さにキれてしまった
水嶋ですが、邑崎はまるで気にせず、
部員たちと対面させます。

その後も的外れな助言をする邑崎ですが、
真摯な思いと「諦めてもいい」という
独特の哲学があり、

片思いをする部員の子も、
とても真剣に相手を思っていました。

そんな彼らの姿に水嶋も、教師として
真摯にアドバイスをしつつ、
恋の行方を見守ることになるのでした。

放課後の賢者の読んでみた感想・評価

定番の学校系恋愛物語な一方、
様々な充実感を味わえる
優れた一作でした。

多くの「教師もの」作品の場合、
何らかの理由で教師に、
どうしてもなりたいという、

夢や情熱に燃えた主人公が
非常に多かったりします。

しかし本作の水嶋先生は、
通訳を目指していたものの
その夢が破れて英語教師になった、

非常にリアルな「挫折」を抱いた
現実的な背景を持った方です。

その時点でも「あるある」と
共感できますが、新人の
水嶋先生は授業もうまくいかず、

親しまれつつも軽く見られて
なかなか指導力を発揮できません。

多くの学園ものでは、生徒が
とても優秀だったり、逆に
えげつなく凶悪だったりするのですが、

そうした部分が見えにくいため、
やはり現実的な意味で
水嶋先生の責任になるんですね。

これらのとても現実的な学校で
異彩を放っているのが邑崎先生です。

彼はほとんどムチャクチャなほど、
「普通」の交流が苦手ですが、
その一方で皆から尊敬されていて、

本人もまったく偉ぶることなく、
「自分なり」の謎の気遣いを
惜しまない大人です。

彼もまた、本来超一流研究者として
世界中を飛び回れるだけの
ポテンシャルがあったのですが、

ある事情から教師を志し、
しかも卑屈さを帯びずに、
自由に自分を表現しています。

この真っ直ぐさはまさしく
作品の主人公にふさわしいもので、
だからこそ水嶋先生との交流も、

素直に応援することができました。

色々な人たちの視点から
「学校」が描かれる作品ですが、
堅物に見える先生であっても、

心根に繊細で優しい部分があり、
全体的に心温まる雰囲気だったのが
実に良かったですね。

とは言え、気遣いでウミウシを
額に乗せてきたりする邑崎先生と
本気で仲良くやっていくには、

職員たちの方にも一定以上、
器の大きさが必要かなとも
思ってしまいましたが……。

放課後の賢者はこんな方におすすめな作品！必見

生徒たちの成長を見守り、その将来を
明るいものにするために全力を尽くす、
教師という職業は間違いなく有意義です。

また、中学、高校とレベルが上がると、
何らかの専門、得意分野がなければ、
教科の教師に選ばれるのは難しかったりと、

色々と能力面も問われることになります。

ただ、その反面何かの分野の「教師」に
なるということは、大学などで
研究の第一線には進まないことを

意味することが多く、教師たちは
「トップではない自分」を直視しつつ
仕事をせねばならない部分もあります。

本作では、主人公の水嶋先生の視点から
そうした教師の「負」の部分も
赤裸々に描いていますが、

暗い感じはまったくなく、むしろ、
だからこそ教師の面白さや
有意義さが分かります。

本作は恋愛ものに比重を置いた
コメディ描写もある作品ですが、
本格的に「教師」に向き合うだけに、

生徒の問題や自分の責任に
苦労しながら向き合う、先生の
難しさもはっきり描かれています。

そのため設定だけの「学園もの」、
「教師もの」とは違う充実があり、
しっかりしたドラマを観たい方にも、

安心して読める一作と言えます。

もちろん、完璧善意で
人の額にウミウシを乗せてくるような
超天然かつ天才の邑崎先生と、

頑張り屋さんの水嶋先生の相性も
抜群で、素直に応援したくなる
優れた恋愛物語でもあります。

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