タイトル | しまなみ誰そ彼 |
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原作・漫画 | 鎌谷悠希 |
出版社 | 小学館 |
高校生・要介
(かなめたすく)は
夏休み二日前の日
友人から”同棲愛動画”を
観たことを知られる。
(終わりだ、もう)。
絶望で死を決意した介は
高所から飛び降りようと
身を乗り出すが…
ふと不思議な輝きを
まとう女性を見つけーー
しまなみ誰そ彼のあらすじ紹介
「たすく、お前
同棲愛動画観てたん?」。
ゲイの主人公・要介は
クラスメイトの友人に
同棲愛動画を観ていた
事実を知られてしまう。
絶望で死を決意し
自殺しようとしたその時
介はある光景を見かける。
不思議な輝きをまとう女性が
高所から飛び降りたーー
女性が飛び降りた場所へ
慌てて向かうと…
そこには”談話室”と書かれた
見知らぬ家が建っていた。
恐る恐る扉を開けると
室内には年上の男女が。
「あら、開いてるよ
上がれば?」。
「君はじめて?
まあ、ゆっくりしてきなよ」。
女性が飛び降りた瞬間を
目撃していないようだった。
介は事情を説明するが
男女は何も分からない様子。
すると別の入口から
あの飛び降りた女性が
何事もなく入ってきて…。
しまなみ誰そ彼のネタバレと今後の展開は?
飛び降りたはずの女性が
何事もなくそこにいるーー
「飛び降りなかったか」。
女性はすれ違いざま
そう呟きました。
驚いて何も言えない介が
立ち尽くしていると…
「誰かさんだよ」。
突然室内で読書していた
老人から声をかけられます。
「彼女はこの”談話室”の
オーナーなんだ」。
「談話室?」。
老人曰く誰かさんは
現在散歩中だそう。
介は彼女を追います。
「あの…見てたんですか
僕のこと」。
「死ぬのかと思って…
でも、君死にそうにないね」。
”死”という言葉を聞き
介は思い出しました。
『たすく、お前
同棲愛動画観てたん?』。
『お前、そうなん?』。
あの時ゲイと疑われた介は
自分をとにかく押し殺して
笑顔で否定しました。
『バカじゃねーの同棲愛なんて
きもいわそんなの』ーー…
死んだらよかったかと
尋ねる介を無視して
誰かさんはそのまま
上の公園へ歩いていきます。
登り慣れていない介は
疲れて息が上がりました。
誰かさんはいつものように
アイスを買って展望台へ。
介は誰かさんについていき
自分の苦悩を明かしますが…。
しまなみ誰そ彼の読んでみた感想・評価
作者・鎌谷悠希さんの画力は
素晴らしいの一言です!
物語の舞台は広島県で有名な
尾道ですがとてもリアルでした。
中でも尾道を一望できる
展望台が登場したシーンは
テンション上がりましたよ!
実は私…その展望台に
行ったことがありまして。
あの美しい尾道の景色は
今でも忘れられません。
自分の知っている場所が
まんがで描かれるなんて
嬉しいですよね。
そして題材が”LGBT”で
深く考えさせられました。
きっとLGBTの人からすると
世の中はまだLGBTについて
理解が広まっていなくて
たとえ同性婚が認められても
生きづらいという思いが
強くあるのでは…。
私は同棲愛でもバイでもないので
共感したとは言えませんが
クラスメイトたちが
介へ投げる言葉の数々は
イジメと同じだと思います。
指摘されても俺たちは
悪気ないから~とか…
悪質ですよねこういうの!
恋愛対象が同性だからって
なぜ嫌な思いをしなきゃ
いけないのでしょうか?
「俺は死にそうなのに
なんであいつらは
死なないんだ」。
介のセリフ一つ一つに
生きづらさが表れており
胸がとても痛くなりました。
しまなみ誰そ彼はこんな方におすすめな作品!必見
LGBTを題材に描く
作品が読みたい…。
そんな方には
「しまなみ誰そ彼」を
迷わず推します!
本作は誰もが知る
あの尾道が舞台の
ヒューマンドラマです。
ゲイの主人公・要介をはじめ
LGBTで生きづらさを抱える
男女たちが登場しますよ。
物語ではそんな彼らの
人間関係や青春などが
描かれています。
しかし楽しいことばかりでなく
LGBTであるが故の苦しみや
葛藤などもありリアルです。
LGBTの方からすれば
共感する場面も多いと思います。
そうでない方でもきっと
考えさせられるはず!
何と言っても見どころは
自由気ままな”誰かさん”。
この名もなき誰かさんは
尾道の”談話室”に暮らす
妖精っぽい女性です。
幽霊ではないものの
宙を舞うことができたり
不思議な輝きをまとうなど
普通ならありえないことを
誰かさんはやってしまいます!
その美しさには惹かれますが
幽霊でも人間でもないなら
彼女は一体何者なのか…。
この謎が明かされるか
どうかは分かりません。
ただ自由気ままなところは
誰かさんの魅力ですね!