タイトル | かたおもい書店 |
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原作・漫画 | 畑亜希美 |
出版社 | 小学館 |
書店員になった大垣めばえは
漫画好きの女の子であると同時に、
何とくノ一の末裔!
超人的な身体能力で、
ビシバシと仕事をこなしていきますが、
イケメン上司の芹沢は辛辣で……、
活気ある書店を舞台にした、
仕事の面白さと難しさ、そして
恋のドキドキが満載された、
絶妙なバランスが心地良い
書店ラブコメです。
かたおもい書店のあらすじ紹介
書店員として社会人生活を
スタートすることになった大垣めばえ。
意外と力仕事が多くて、女性には
大変な部分もあるのが書店員の仕事ですが、
実はくノ一の末裔であり、超人的な
スピードとパワーを誇る彼女は
まさにうってつけの人材でもありました。
しかし経験のなさなどから、
シビアなイケメン上司の芹沢さんに
辛くあたられることもしばしば。
しかし漫画に思い入れがある大垣さんは
決して諦めることなく実績を上げていき、
同時に芹沢さんとの信頼も関係も、
徐々に深めていくのでした。
かたおもい書店のネタバレと今後の展開は?
漫画好きが高じて書店員になった
大垣めばえさん。
カッコ良いけど辛口な上司、
芹沢さんからは期待されていないと
遠まわしに示されてしまいますが、
大垣さんは何とくノ一の末裔であり、
スピードもパワーも超人的な上、
凄い技も使えます。
そのため芹沢さんの評価は急上昇、
膨大な本の運搬から不審者対策まで
一人でこなしまくったりもしますが、
やはり書店員としてはまったく未熟で、
レジで大苦戦してしまい、
芹沢さんの手を借りる事態に。
勝手が分からかったが、忙しそうで
聞くことができなかった大垣さんは、
さらに辛辣な言葉をぶつけられますが、
涙をこらえ挽回をしたいと言う彼女に
芹沢さんは興味を持ちます。
そうして、社会人として一つの山を
乗り越える形になった大垣さんですが、
忙しく仕事をこなす中で
今度はポップ作りをすることに。
面白いがイマイチ売れていない
漫画のアピールのため頭を捻るものの、
なかなか名案が浮かんではきません。
そんな中上司の芹沢さんは、「デート」だと
大垣さんを外に連れ出すのでした。
かたおもい書店の読んでみた感想・評価
漫画に文庫本、ハードカバー専門書と、
とにかくあらゆる種類の本に
接してきた私にとっては、
まさにベストなストーリーでした。
一日中本に囲まれた職場で、
恋も始まってしまうという
ロマン溢れる展開がたまりません。
またこういった職場に入るのは、
何となく文学少女的な雰囲気の
女性だったりと考えがちですが、
本作の主人公の大垣さんは
何とくノ一の末裔。
しかもただ単にご先後様が
凄いというだけではなく、
身体能力と技もしっかり
受け継いでいる感じであり
実務的に頼もしすぎます。
しかしそんなスーパーウーマンでも
書店員ならではの細やかな仕事には
難しい部分も多々あり、
社会人としての青春物語の色彩も
しっかり宿しているのがいいですね。
上司の芹沢さんも、かなり無愛想かつ
シビアな人でもありますが、
一方で洒落が効いた部分もあり、
そのメリハリの効き方がリアルな
デキる男といった感じでした。
しかし、この出版不況の中、
どんどんと企画を出してくるような
タフな職場なだけあって、
社員の皆さんも優秀で、やった分だけ
給料以外の面で身になりそうな
説得力があるのはいいですね。
社会人として経験を積む中、
書店員として成長し、
徐々に芹沢さんと近付く大垣さん。
そんなドキドキの展開を
ごく素直な形で楽しめる
王道恋物語としての
真っ直ぐな面白さもあるのが
本作の良いところであり、
胸に染みるポイントでもありますね。
かたおもい書店はこんな方におすすめな作品!必見
新たな業態の書店やネットの台頭、
書籍の電子化や違法サイト問題等々、
様々な問題に晒されているのが書店です。
しかし、世の中に本好きの方は多く
憧れの職業として挙げられることも
少なくないのが「本屋さん」でもあります。
多くの本に囲まれる職場、新刊ならではの
紙のインクの匂いが漂う売り場の雰囲気は、
他では味わえないものですし、
書店員という立場もまた、他の物品の
販売員とはまた違う「何か」が
あったりするのも事実です。
とは言え、本というのは紙の束であり、
それを扱うのは力仕事、
だから女性には意外と辛い職場といった、
あまり知られていない書店としての
「リアル」な部分を本作は赤裸々に
取り上げてもいます。
ただ一方で閉店が相次ぎ、
将来的な展望も見えにくいような
厳しい「リアル」だけでなく、
主人公がくノ一の末裔なので
力仕事も楽々、カッターいらずで、
不審者とも渡り合えるといった、
いい感じにファンタジーな部分があります。
本屋さんに若い店員さんやお客さんが
たくさんやってきて、そこで恋も、的な
「こうだったらいいのに」という
願望的な部分も絶妙なバランスで
ブレンドされており、本屋好きとしても
辛くならないのが一際素晴らしい点ですね。
イベント開催等々、書籍という「モノ」を
売るだけではない本屋さんならではの
細かなサービスが本筋に絡んでくるのも、
書籍が好きな人にとっては
たまらない演出ではないでしょうか。