タイトル | とけない恋とチョコレート |
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原作・漫画 | ももち麗子 |
出版社 | 講談社 |
サッカーの強い遠くの学校に
行ってしまう虹ちゃんに告白するべく、
手作りチョコを用意したたまこ。
しかし虹ちゃんは、たまこと
同じ高校に進んだ挙句、
サッカーを辞め、しかも
たまこの家で生活を始めることに。
胸キュンな王道ストーリーと、
まったく予想できない展開が
複雑に絡み合う、
斬新かつ個性的な
恋愛物語です。
とけない恋とチョコレートのあらすじ紹介
女子中学生のたまこは、
サッカー強豪校に行く
虹ちゃんに告白するべく、
おまじないをしようと
足を運んだ「鏡池」で、
物凄い美少女と出会います。
美少女とは意気投合した
たまこでしたが、
虹ちゃんはやや不自然な
態度を取った挙句、
たまこの告白を一方的に断り、
たまこはそのまま高校に進学。
しかしその地元の学校には、
強豪校に行ったはずの
虹ちゃんがおり、
サッカーは辞めたと
衝撃的な発言をし始めます。
しかも急な進学先の変更で
住むところがなくなった虹ちゃんを、
たまこの家が面倒を見ることになり、
予期せぬ形でたまこと虹ちゃんは
同じ家で生活をすることになりますが、
虹ちゃんには彼女がいたのでした。
とけない恋とチョコレートのネタバレと今後の展開は?
女子中学生のたまこは、
中学最後のバレンタインに
一つの決意を固めていました。
それは、友達の虹ちゃんに
チョコを渡し、告白すること。
虹ちゃんはサッカーの強豪校で
全寮制の高校に進むので、
事実上その日が最後のチャンスです。
チョコを完成させたたまこは
おまじないの最後のひと押しに、
「鏡池」に向かいます。
満月の夜その池の中に、
好きな人のものを投げ入れ願えば
想いはかなうと言われていたのです。
しかし女の子が池に入るのを見て
たまこは慌てて制止しますが
その驚くほどに可愛い彼女は、
変な気を起こして
池に入ったというのではなく
とりあえずたまこは一安心。
「鏡池」の伝説を話して
彼女と意気投合して
その日は終わります。
さて、準備万端で迎えた
バレンタインデー当日。
たまこは遊んでいた虹ちゃんと
鉢合わせになりますが、
なかなか思いの全てを、
伝えることができないでいました。
しかし虹ちゃんは「真意」を汲み、
じっくり話を聞く姿勢でしたが、
その夜改めて会った彼は、
たまこからのチョコを受け取らず、
告白にも謝るだけで、一方的に
振る態勢になっていました。
そのショックもあり虹ちゃんとは
疎遠になって中学を卒業した
たまこでしたが、
高校に入ってみるとそこには
強豪校に行ったはずの虹ちゃんがおり、
彼女ができていました。
しかもその彼女というのは、
たまこが「鏡池」であった
物凄い美少女だったのです。
とけない恋とチョコレートの読んでみた感想・評価
バレンタインを舞台にした
王道の物語と思いきや
意外な展開が連続してきて、
ドキドキが止まりませんでした。
まず主人公のたまこが
中学最後のバレンタインで
虹ちゃんに思いを伝えようと、
心の中で決心するのですが、
この時点で定番ながら
やはり胸が弾みましたね。
ところが虹ちゃんは、
たまこを振ってしまい、
そのまま中学を卒業。
離れ離れになり
寂しい青春、と思いきや、
何故か地元の高校にいて、
しかもすごい美少女と
付き合っているのですから
本当にビックリしてしまいました。
タイトルも導入も、いかにも
王道の熱い恋と見せて
まったく違う展開を用意し、
しかしその中にあるのは
紛れもなく純粋な思い。
読んでいる側としては
ぐっと興味を惹かれましたし、
たまことしても急激な展開に、
どうしても無関心では
いることができません。
さらには虹ちゃんが、
いきなりの決定で
引越し先が見当たらなくなり、
いきなり同居するのですから、
もうビックリが止まりません。
しかし、ただ展開が急なのではなく、
その中の一つ一つにも、説明できる
合理的な理由があり、
人の熱い思いが含まれていたのは
本当に凄いと感じましたね。
とけない恋とチョコレートはこんな方におすすめな作品!必見
学校生活においてバレンタインデーは
一大イベントの一つです。
特に恋愛が絡む日でもあるとあって、
バレンタインを絡めて告白を
していこうという物語も多いですね。
そこで告発に成功するのか
あるいは失敗するのかで、
話の流れが変わってきますが、
本作は告白できなかった相手が、
何故か遠くの高校に行かずに
地元に戻ってくるという話です。
ドラマチックな「別れ」をしたのに
彼が普通に地元に戻ってきて、
しかも彼女までいるといった、
非常に斬新かつ意外な導入から
展開される物語は、マンネリを
嫌う方にはまさしく最適でしょう。
一方で虹ちゃんと交際している
沢口さんにも、多くの作品の
「ライバル」に見られるような、
嫌味っぽいところがまるでなく、
むしろ応援したくなるような
純粋さが見えるのもいいですね。
インパクト絶大な冒頭だけでなく
各人の心理にも深く入り込んだ
内面的な作品的でもあるので、
単に恋をするドキドキではなく
より広く深い視点でもって
相手が見えるのもポイントです。
大枠では少女漫画的な恋愛を
扱った作品なのですが、
大人の男性にも刺さる物語です。