【殺し屋１（イチ）のネタバレ】とあらすじは？感想や無料試し読みもあり！

裏社会の抗争を舞台に描かれる
現代社会の病理とＳＭの愛憎劇。

圧倒的なエログロをベースにしながら
鮮やかに出現する純愛のドラマ！

主要人物のほぼ全てが何らかの変態という
異常な設定が生み出す、狂気のラブストーリー。

【ホムンクルスのネタバレ】とあらすじ！感想や無料試し読みあり！

殺し屋１（イチ）あらすじ紹介

歌舞伎町の一角にある
通称『ヤクザマンション』。

そこに住む安生組組長を殺害し、
組の資金を奪う――

ヤクザからも弾き出された
はみ出し者たち・・・

拳銃好きのマッチョ『昇』、
女に貢がせるヒモの『龍』、
死体愛好癖のシャブ中『井上』。

計画の発案者で指揮官を
務める正体不明の『ジジイ』。

そしてジジイが仲間にも
隠す謎の殺し屋『イチ』。

イチによる組長殺害、その後始末をする
他の３人のシーンから物語はスタートする。

組長を殺害された若頭の垣原、
通称『ピアスのマー坊』が執拗にイチを狙う。

垣原の度をすぎた捜索は
歌舞伎町のヤクザたちをも刺激する。

利権のために平穏を保っていた
ヤクザたちの間にある、
水面下に隠されていた亀裂が露わになる。

混乱する裏社会で
最後に生き残るのは誰なのか・・・

殺し屋１（イチ）ネタバレ・今後の展開

ヤクザと、ヤクザからも弾かれた
はぐれ者たちとは言え、
生きていく以上は
それぞれにネットワークを持っている。

そこで形成された社会の中の仕組みに
従って生きています。

しかし組長に心酔している垣原は
いきなりその枠組みを破壊する行動に出ます。

誰が犯人かもわからない状況で
他の組にまで疑いをかけ
徹底的に追い詰める垣原。

ヤクザ社会からさえ破門を言い渡され
部下にも逃げられていく垣原。

孤立していくと共にどんどんと
タガが外れていきます。

その理由は一貫して彼の性癖。

ＳＭはプレイではなく生活、
と豪語する垣原にとって
暴力は手段ではなく目的なのです。

愛人に自分を刺させて、刺してる側が
顔をしかめるだけで不愉快になる垣原。

どこまでも『痛み』という
快楽を求めています。

そして現場に残された
イチの精液を発見。

垣原の中で犯人の捜索は恨みではなく
『期待』に変わるのです。

一方、イチの正体が裏社会の人間ではなく、
元いじめられっ子であることは作中で
早い時期から読者に明かされます。

ターゲットを『カズオ君』などと過去に
自分をいじめた人間と混同し、子どもの様に
泣ききながら殺害するのがイチのパターン。

イチは自分が殺し屋などという
自覚はありません。

いじめっ子をこらしめて
『良いことをした』から
と報酬を貰っている感覚でいます。

また、ジジイもその様に
イチを誘導しているのです。

そしてイチもまた、過去のトラウマは
引き金に過ぎず、暴力に快感を見出す
性癖こそを殺人の原動力としています。

殺し屋１（イチ）読んでみた感想・評価

裏社会や変態も大変なんだなあ・・・

というのがテーマではないでしょうが、
思わずしみじみとしてしまいます。

他作品での舞台装置としての
ヤクザとは違います。

本作品のヤクザや殺し屋たちは
ストーリーに沿った行動だけしていれば
いいわけではありません。

組長を殺害した犯人を追いながらも、
あるいは逃亡生活をしながらも、
それぞれに抱えた『シノギ』すなわち仕事
をしないといけないのです。

だからこそキャラたちが
リアルに感じてしまいます。

異常な性癖ぞろいなのに感情移入してしまう、
不思議な魅力があります。

また、そんなリアルな世界だからこそ
イチや垣原の変態ぶりが
浮き彫りになりインパクトを与えます。

特に真性マゾヒストの垣原は自分に
絶望を感じさせてくれる真性のサディストを
求め続けています。

そのパートナー候補だったのが、
最初の犠牲者でもある安生組組長。

やがてイチこそ本当の変態であり、
サディストであると悟った垣原の表情には、
読んでいる側まで謎の涙が出そうになります。

バイオレンスなストーリーがなぜか、
少女マンガ顔負けの
純愛物語に見えてくるのです。

イチによってスーツを刻まれ、
それまでパリッと格好いい強面が
スネ毛や出っ腹も丸出しになる場面。

「オッサンがラッキースケベすんなや！」

とツッコミつつも、
ヤクザという仮面を脱ぎ捨て
ひとりの変態になれた瞬間のように思えます。

謎の感動に包まれるでしょう。

初めて絶望を知り、必死に逃げる垣原の姿には、
皮肉でなく本心から「よかったね！」
という気持ちが湧いてきます。

裏社会の抗争、エロ、SM、グロなどが詰まった狂気的な作品

格好悪いことを避けるあまり
本当の幸せを逃がしていませんか？

誰からも理解されず
苦しい思いをしていませんか？

そんな方はぜひ、イチや垣原たちの
格好悪くて気持ち悪くて、
でも幸せ一杯な姿を見てください。

彼らの嗜好・性癖はそもそも見た目が悪いを
通り越して、明らかに犯罪だったり
公序良俗に反しています。

しかし両者とも、そんな自分を振り返って
落ち込むような可愛げはまったくありません。

ただひたすらに自分の気持ちいいことだけを
見ています。

特に終盤の垣原は、普通に斜め読みするなら
悪役が惨めに追い詰められている
姿にしか見えないでしょう。

薄っぺらな虚勢が剥がれて情けない本性を
露呈しているようにも見えるでしょう。

しかし本作をじっくり楽しんだ方には
わかるはずです。

垣原は絶望しながら幸せなのだと。

ひょっとしたら垣原だけではなく
他のマンガで惨めにやられている
悪役も同じかもそれません。

情けなく涙を流して命乞いをしながら、
実は股間を膨らませて
絶頂しているのかもしれませんね。

世間にどう思われるより自分がどう思うか。

こんなありきたりで、
しかし実践が難しいことはありません。

だからこそ今、アナタに必要なのは自分を
亀甲縛りしたブリーフのおっさんなのです。

さあ、垣原とＳＭ談義に行きましょう。

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