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バルバラ異界のあらすじやネタバレを書いています(感想もあり)

バルバラ異界

この記事は約 6 分で読めます。
タイトル バルバラ異界
原作・漫画 萩尾望都
出版社 小学館

西暦2052年。

ドイツ21世紀ユング派は
“夢先案内人”を公認している。

夢先案内人は、
他人の夢の中に入り込み
探査する能力を持つ。

渡会時夫は、犯罪捜査に協力する
夢先案内人。

恩師でもある前世療法の研究者・
大黒に呼ばれて
3年ぶりに日本へ帰ってきた。

帰国した時夫を迎えた大黒は、
時夫指名の仕事を紹介する。

それは、7年間眠り続けている
少女の夢を探査することだった――

夢と現実とが交錯する、
近未来SFロマン作品。

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バルバラ異界のあらすじ紹介

西暦2052年――

渡会時夫(わたらい ときお)は、
ドイツ21世紀ユング派が公認する
プロの“夢先案内人(ゆめさきガイド)”。

夢先案内人は、眠る人の夢を
のぞき見ることができる。

恩師でもある前世療法の研究者・
大黒(だいこく)に呼ばれ、
日本へ帰ってきた時夫。

妻と離婚した後、
長らくドイツで暮らしていた時夫に
とっては実に3年ぶりの帰国だった。

羽田空港で時夫を迎えた大黒は、
時夫の息子・キリヤを伴っていた。

離婚後は元妻・明美の元で暮らす
キリヤとも、
実に3年ぶりの再会だった。

キリヤとの再会もそこそこに、
時夫は大黒から仕事を紹介される。

時夫は普段、夢先案内人の能力を生かして
犯罪関係の仕事に関わっている。

しかし、大黒から紹介された依頼内容は、
ある事件以来9歳のときから
7年間眠り続けている少女・十条青羽

(じゅうじょう あおば)の夢を
探査することだった――。

バルバラ異界のネタバレと今後の展開は?

北海道の遠軽へ向かった時夫は、
遠軽空港で依頼人・
北海道東中原人間科学研究所の

百田太郎(ももた たろう)と
美川(よしかわ)に迎えられる。

彼らは時夫に、パラサイコの症例を扱う
部門で抱える患者・青羽の見る
夢の探査を依頼する。

依頼を受け、7年間眠り続ける
少女・青羽の夢に入った時夫。

時夫は夢の中で6~7歳の姿をした
青羽に会う。

夢の中の青羽は、「バルバラ」と
名付けられた島で
幸せそうに暮らしていたのだった。

初回の探査を終えた時夫は、
青羽が9歳のときに起きた
事件について伝えられる。

事件は7年前の12月30日、
十条勝一と妻の茶菜が自宅で
遺体となって発見され、

9歳の青羽は地下室で
意識不明となって発見されたという
内容だった。

十条勝一は何者かに
心臓を切り取られていたという。

百田は時夫に、眠る青羽の身に起こる
ポルターガイスト現象の写真を見せる。

空中からバラの花びらや
赤い水と血が雨漏りのように降る現象など、
さまざまなことが起こるのだという。

そして「バルバラ」の写真も2枚見せるが、
1枚は時夫が見た青羽の
「バルバラ」のモニター写真だが、

もう1枚は2050年1月以降
瀬戸内海の小豆島付近に現れては消える
まぼろしの島の写真だという。

時夫は青羽の夢でまぼろしの島に降り、
島の名「バルバラ」を
現実に持ってきてみせたのだ。

百田は、まぼろしの島も
青羽のポルターガイスト現象なのかと
時夫に問うが、時夫は答えられない。

さらに百田は、9年前の事件で
青羽が十条勝一の心臓を食べた事実を
時夫に告げる。

調査をかねて東京を訪れた時夫は、
御茶ノ水の学校に通うキリヤを
食事に誘う。

食事の最中、時夫はキリヤから
遠軽での仕事について聞かれ、

オカルト研究家の間で評判になっている
まぼろしの島の写真として
「バルバラ」の写真を見せた。

写真を見たキリヤは、
まぼろしの島はペテン話だと言う。

これは自分が自身の右手をスキャンし、
遊びとしてコンピューターに創った
島だと言うのだ――

そして誰も知らないキリヤの島の名前も
また「バルバラ」なのだった。

キリヤの話に動揺しつつも
調査を進める時夫。

しかし、現実に見え隠れする
青羽の存在に、やがて青羽の見る夢が
完成することで、夢の世界が現実となり、

現実が非現実となるのでは
ないかと考え始める。

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バルバラ異界の読んでみた感想・評価

西暦2052年の近未来の日本が
舞台の本作は、
プロの夢先案内人である渡会時夫が、

7年間眠り続ける少女・十条青羽の夢を
探査する依頼を受けることで
動き出す物語です。

そして、物語を引っ張るキーワード
「バルバラ」は、青羽が夢の中で暮らす
島の名前です。

時夫が島の名前と形を
現実へ持ち帰ったことにより、
夢と現実とが奇妙な一致を見せ始めます。

物語は「バルバラ」というキーワードを
追いかけていくのですが、
追えば追うほどに謎が謎を呼びます。

心臓を食べてまで手に入れた
「バルバラ」を手放すこと=
目覚めることを望まない青羽。

対して「バルバラ」を探る時夫達は、
おのずと青羽と対立している状況です。

眠る青羽も黙ってはおらず、
現実世界へ干渉して、
時夫達に警告してきます。

彼女の起こすポルターガイスト現象も
面白い。

そして現実と奇妙に
交錯する青羽の夢。

夢の完成により夢の世界が現実となり、
現実が非現実=誰かの夢に
なるかもしれないという流れにも

SFが好きな者としては、
ワクワクしてしまいます。

また、「心臓を食べる」という
カニバリズム要素も面白い。

心臓を食べることに
何の意味があるのかも、
物語の重要な鍵でした。

夢が現実へ割りこみむという話からして、
単純にSFとして面白そうと
期待して読みましたが、

パラサイコやカニバリズムなどの
要素もあり、結果は期待した以上の
面白さでした。

時夫たちと一緒に「バルバラ」の
謎を追って最後まで読み終えたとき、
セリフや行動が全てつながります。

何度でも読み返したくなる
素晴らしいSFの傑作漫画でした。

バルバラ異界はこんな方におすすめな作品!必見

第27回日本SF大賞を受賞した
本作は、西暦2052年の日本を
舞台にした近未来SF漫画です。

萩尾望都ファンはもちろん、
本格SFファンにも
オススメできる漫画です。

「夢と現実」、「夢の探査」、
「前世療法」、「カニバリズム」、
「火星の記憶」、「記憶の継承」、

「不老不死」、「若がえりの薬」、
「ポルターガイスト現象」、
「シンクロニシティ」、

「早期に老いる一族」、
「いびつな親子の関係」など、
物語の要素は多彩です。

ひとつでも好きなキーワードがある場合は、
ぜひ読んで欲しい作品です。

SF要素の他に、北海道の遠軽、
東京都の各所に三重県の伊勢など、
主人公が目まぐるしく動く点が面白い。

一カ所に留まらず、とにかく動きます。

フットワークの軽さは見ていて楽しく、
動きのある作品が好きな場合、
楽しめる要素のひとつです。

途方もない奥行きを見せる物語ですが、
4巻でまとめているのは
見事の一言に尽きます。

萩尾望都ファンやSFファンはもとより、
SF作品になじみのない層にも、
オススメしたい作品。

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