タイトル | 逃げるは恥だが役に立つ |
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原作・漫画 | 海野つなみ |
出版社 | 講談社 |
2016年の秋ドラマで新垣結衣と
星野源が主役を演じた
「逃げるは恥だが役に立つ(逃げ恥)」
の原作漫画。
大学院を出たにも関わらず、
職なし家なしの森山みくり。
36歳独身童貞の真面目会社員、
津崎平匡が織りなす契約結婚物語。
逃げるは恥だが役に立つあらすじ紹介
主人公「森山みくり」は
心理学を専攻し大学院に進むも、
就活戦争に敗れ、派遣社員として働くことに。
しかしそこでも派遣切りに遭い、
25歳ながらに無職となってしまう。
無職の娘を心配した父親の勧めで、
父親の元同僚の自宅へ
「家事代行サービス」として
週1で働きに行くことになる。
そこで出会ったのが「津崎平匡」。
36歳独身、もう一人の主人公である。
平匡は雇い主として、
みくりに的確な仕事(家事)の指示をし、
みくりも一生懸命家事をこなす。
最初はお互い淡々としたやり取りを繰り返す。
みくりの細かい気遣いや丁寧な仕事に、
平匡も徐々に打ち解け、快適な関係を築く二人。
そんなある日、みくりの父親が退職をきっかけに、
田舎に引っ越すと言い出し、物語は急展開に。
みくりは「このままじゃ住む家がなくなる!」
という危機に面し、
「就職として結婚するのはどうか」と
冗談交じりに平匡に提案する。
最初は迷っていた平匡も、
冷静に分析すると結婚するのは
両者に価値があると判断。
みくりの申し出を受けることに。
こうして二人は、雇用主と従業員として
「就職としての結婚」をすることになる。
一つ屋根の下で一緒に暮らす雇用主(平匡)と
従業員(みくり)は
今後どんな生活を繰り広げていくのか。
逃げるは恥だが役に立つネタバレ・今後の展開
こうして暮らし始めた二人の家に、
平匡の職場の同僚であるゲイの「沼田さん」と
イケメンの「風見さん」が訪れる。
「決して契約結婚であることがバレないように」
と細心の注意を払うみくりと平匡。
しかし昼食だけのはずが雷雨の影響で、
同僚二人は津崎家に泊まることに。
結局平匡のベッドでみくりが、
リビングで男3人が眠り一晩を明かす。
翌日あまりにも新婚感のない
二人を疑った沼田さんは、
帰宅前に平匡の部屋を覗く。
シングルベッドを見つけ、
「二人は本当に結婚してるのか」
と更に疑いを深める。
その夜を境に、二人にも心境にも変化が。
平匡のベッドで寝たみくりと、
その翌日みくりの香りの残るベッドで寝た平匡。
互いに一緒に寝たような気持ちになり、
お互いを意識し始める。
そして風見さんは、二人と数回会う内に、
二人が契約結婚であることに気付いてしまう。
二人を「理想の関係」とする風見さんは、
自分の家にもみくりに
家事代行に来てもらうよう頼む。
結局みくりは平匡宅と
風見さん宅を兼任することに。
風見さん宅にも家事に行くみくりに、
ヤキモチを焼く平匡。
風見さん宅に通うことで、
逆に二人の心の距離はさらに縮まっていく。
沼田さんなど職場の人や家族に
新婚感がないと疑われた二人。
新婚感を高めようと
月に2回「ハグの日」を設定することに。
しかし定期的にハグをすることで、
お互いを好きな気持ちが
どんどん高まっていく。
ついには平匡がみくりに
不意のキスをして・・・!?
さぁ今後二人の契約結婚生活はどうなるのか。
気になるところです。
逃げるは恥だが役に立つ読んでみた感想・評価
タイトルを見て「どんな内容なんだ」
と思い読み始めた当作品。
「契約結婚」という話の題材も面白く、
二人の関係がどんどん
変わっていくのも楽しめる作品でした。
また出てくるセリフの言い回しや、
それぞれの考え方が興味深く、
どんどん続きが読みたくなる作品です。
時折入るみくりの
妄想シーンには笑えてしまいます。
情熱大陸やCM風、アニメのOP風など
色々なパターンで妄想。
想像豊かなみくりはとても
魅力的なキャラクターです。
またみくりは臨床心理士の資格を
持っているだけあって、
他の登場人物の性格を細かく分析します。
その分析もなるほどと納得出来て
面白いポイントだと思います。
また高齢童貞の平匡さんは、
最初は取っ付きにくいイメージです。
しかしみくりに思いを抱いてからは
途端に可愛い男性に見えてきます。
みくりに対して思いを抱いているのに、
プライドが高くて中々前に進めない所も、
応援したくなる可愛さです。
少女漫画だとガツガツ行く男子が多いですが、
平匡さんは全く逆で、奥手も奥手。
むしろみくりの方が
グイグイ引っ張っていく感じです。
さてそんな平匡さんが、
まさかのみくりに不意キス!
契約結婚だったはずが、
まさか本当の結婚になるのか?
それならみくりの給料制度も終わりになるの?
など気になるところがいっぱいです。
また二人を取り巻く脇役達も、
個性的で面白いメンツばかりです。
結婚には否定的だった風見さんですが、
二人の契約結婚を見ている内に、
結婚に対する考え方も変わってきます。
でも最初の風見さんの
「自分の時間を大事にしたい」
ってドライな結婚観、何だか共感できます。
みくりの叔母にあたる「ゆりちゃん」は、
美人なのに結婚の機を逃して、
現在は50代で独身高齢処女。
みくりと仲のいいゆりちゃんは
風見さんとも親しくなり、
時折飲みに行くような関係になります。
最新刊では風見さんがゆりちゃんを
壁ドンするシーンも描かれており、
こちらの二人の関係も気になるところです。
既婚未婚どちらの人もおすすめな漫画
こちらの漫画は、既婚未婚どちらの人も
楽しめる漫画になっています。
出てくる登場人物それぞれが、
結婚に対して様々な考えを持っています。
話の中で、結婚観を議論しながら登場人物達も
「結婚」について深く考えていきます。
この物語は読む側にとっても、
改めて「結婚とは」について
考えさせてくれる漫画になっています。
また現在主婦の方には特に
おすすめしたい作品です。
専業主婦が少なくなった現代に、
敢えて「就職という結婚」を選ぶという選択は、
とても新しいと思います。
確かに、家事にかかる労力って本当に大変。
でもそれを無償でやってると、
何となく恩着せがましくなっちゃいますよね。
でも労働として賃金をもらってやる家事なら、
もっと文句も言わずに頑張れる気がする!
とある意味この契約結婚、
ありなんじゃないかと考えてしまいます。
また男性の方にもおすすめしたい漫画です。
風見さんの結婚に対する考え方には、
独身男性も共感できる所が多いと思います。
また既婚者の方はこれを読んで、
無償で家事をしてくれている奥さんに
感謝するきっかけになればと思います。
結婚について真剣に考えながらも、
ピュアな二人の恋愛にキュンキュンも出来る。
ちょっと一風変わった
大人のラブストーリー、
是非一度読んでみて下さい。