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シルフィードの罠のネタバレと感想や試し読みあり!結末が気になる!

シルフィードの罠

この記事は約 6 分で読めます。
タイトル シルフィードの罠
原作・漫画 竹崎真美
出版社 初出/大陸書房 現/ぶんか社

演劇部の知的なイケメン部長蓮城崇志による
創作劇の主役”シルフィード”は
華奢な少女の姿をした空気の精。

部長に恋する高1のみずきは、過酷な
ダイエットの末、ライバル吉行を抜いて
主役に抜擢されるが、

ダイエットは止まらず拒食症となる。

一方みずきに想いを寄せる崇志の弟明は、
日に日に痩せていく彼女を
止めようとするが…。

繊細な少女の想いと過度なダイエットの
悲劇を描いた1998年のホラーマンガ。

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シルフィードの罠のあらすじ紹介

高1の演劇部員栗原みずきは、
知的なイケメン部長蓮城崇志に
想いを寄せ、彼の創作劇の主役、

華奢な少女の姿をした
”シルフィード(空気の精)”役を
得ようとダイエットを始める。

彼女は、細身美人のライバル吉行や、
音大受験間近の姉に掛かりきりの家族に
イラつきながらもダイエットに成功、

見事主役に抜擢され注目される。

崇志の愛を得ようと焦るみずきは、
拒食症となり無惨に痩せていく。

一方、みずきに想いを寄せていた同級生で
崇志の弟明は、いち早く彼女の異変に
気づき、忠告するが拒絶され、

母親に会って無関心さをなじる。

ようやく事態を認めた母親は、
ダイエットを止めさせようとするが、

すでに拒食症の妄想に陥っていた
みずきには届かず、ついには骸骨のような
姿へと変貌し入院することに。

崇志を想うあまり役にのめり込み、
幻覚や妄想に怯える日々の中、
ついに文化祭当日となるが、

病院を脱走したみずきが見たのは、
シルフィードの衣装をまとった
吉行と抱き合う崇志だった…。

シルフィードの罠のネタバレと今後の展開は?

高1の演劇部員栗原みずきは、
知的なイケメンの部長蓮城崇志に想いを
寄せ、彼の高校時代最後の創作劇の主役、

華奢な少女の姿をした
”シルフィード(空気の精)”役を得ようと
過酷なダイエットを始める。

しかしもう一人の主役候補、
細身美人の吉行は
”ヤセの大食い”でダイエットとは無縁、

また家族は音大受験を控えた
美人の姉にかかりきりで、
誰も彼女の苦悩には気づかない。

また講堂の地下にある部室には
「閉じ込め事故で餓死した
女子部員の幽霊が出る」という噂があった。

一方、みずきを密かに想っていた崇志の弟
明は、いち早く彼女の異変に気づいて忠告
するが、粗暴な言動で嫌われ拒絶される。

やがてダイエットは成功し、
みずきはシルフィード役に抜擢され
勝利を確信するが、彼女はすでに

幻覚や妄想を見るいわゆる拒食症状態に
陥っていて、食物を一切受け入れず、

瞬く間に骸骨のように痩せさらばえ、
皆から気味悪がられる。

崇志は、役を逃して落ち込む
吉行ばかりを気にかけ、みずきには

「痩せ過ぎだから、(体力的に)
舞台がもたない」と忠告するが
聞き流される。

一方、みずきを案じた明は、
母親を訪ねて無関心を責め、

ようやく事態を認めた母親は
彼女を入院させ、明も見舞いに行くが、
好転のチャンスを逃してしまう。

文化祭前日。みずきは
「早く学校に戻って舞台に立たなければ」
という妄想に駆り立てられ

病院を脱走するが、崇志は、あっさり
みずきを諦め、吉行をシルフィードの
代役に立てる。

文化祭当日。

崇志はシルフィードの衣装を着けた吉行に、
想いを吐露して抱き寄せるが、
それをみずきが目撃、

部室に戻った吉行の衣装を奪おうとして
ハサミで刺してしまう。

明は、みずきの想いに冷徹な兄を責め、
彼女を探すうちその現場を目撃、
動揺したみずきにハサミで襲われ傷を負う。

餓死した部員の幽霊が映るという鏡は割れ、
みずきはその鏡に映る骸骨のような
自分の姿に怯えるが、

明は彼女を抱きしめ
「もう誰もシルフィードになんか
ならなくていいんだ」と優しく語りかけ、

「シルフィードにならなければ、
誰も見てくれない!」と泣く彼女に、

「君は気づかなかったけど、
ずっと君を見てたよ」と告白する。

それは創作劇のラストシーンと重なり、
「『情熱』という名の少年に恋した
シルフィードは、人間の少女になった」

という場面で物語の幕が下りる。

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シルフィードの罠の読んでみた感想・評価

国内外を問わず拒食症による
死亡事故が相次いだ1988年の
掲載当時、

ようやく正しいダイエットのノウハウが
知られ始める中で、繊細でナイーブな
少女漫画的表現で、

その悲惨さを描き切った本作を読んで、
衝撃を受けた事を思い出します。

いわゆる思春期と呼ばれる時期、
「汗まみれの汚いデブだと
思われるのでは?」とか

「華奢で儚い無垢な少女になりたい」
と思うのは、今思えば
当然のことなんですが、

当時は本当につらく苦しく、
ダイエットとリバウンドを
繰り返していたので、

みずきの心情は痛いほどわかります。

また、本作はこう言ったテーマで
ありがちなブスでデブな主人公ではなく、

清潔で育ちの良いお嬢さんなのに、
音大出の母親と高学歴な父親は同じく
音大を目指す長女にばかりかかりきりで、

ピアノが苦手で早々にリタイアした彼女に
全くの無関心だったという現実も、
想像するだにキツイです。

そんな中、同じく優秀な兄に対する
反感から尖った態度を取っていた明が、
彼女の劣等感や変化にいち早く気づき、

崇志の彼女に対する冷徹ぶりを非難し、
影から見守っている展開には
とても癒されました。

部室にまつわる学校怪談、
痩せさらばえ妄想に狂うみずきの姿は
恐ろしいですが、

みずきが心から明を愛し頼れる
暖かい未来が訪れるよう
願ってやまない作品です。

シルフィードの罠はこんな方におすすめな作品!必見

現在では、安全なノウハウ本も
多く知られているダイエットですが、

当時はひたすら絶食に頼り、
身近にもいくつか似た事例が
あった事を思い出します。

本作は、夢見がちだった少女時代を
思い出すある意味トラウマ作品で、
当時の切なく苦しい思いが甦ります。

また、主人公はけして
ブスだったわけではなく、

”痩せの大食い”体質だったライバルへの
嫉妬心が過激なダイエットの引き金と
なるところもとても理解できます。

たかがダイエットされどダイエット、
ほとんどの女性の一生の悩み事である
ダイエットを描いた作品としては、

本作よりかなり大人びたシュールな
作品ではありますが、安野モヨコの
「脂肪という名の服を着て」が

おススメです。

そちらは、メンタルの弱さと
太めのブスと言う劣等感から
食物依存に陥り、

過食嘔吐を繰り返し転落していく
OLの悲劇を描いたもので、
美しいとは、ブスとは、

自分らしさとは何かを
改めて考えさせられる作品です。

きれいでいたい、注目されたい、
誰かに愛されたいというのは、

男女問わず人間の共通の思い
なのかもしれません。

明のように親身になって
心配してくれる誰かと出会えることを、
願わずにおれない作品です。

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