タイトル | あなたとスキャンダル |
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原作・漫画 | 椎名あゆみ |
出版社 | 集英社 |
漫画雑誌「りぼん」にて、
椎名あゆみによって
1993年から1995年まで
約2年に渡って連載された少女漫画。
ピアノにおいて天才的な腕前を持つ
主人公・高崎友香と、
彼女が所属するバンド
「SPIRAL」の個性豊かなメンバー達が
織り成す、学園ドタバタコメディ。
あなたとスキャンダルのあらすじ紹介
高崎友香は、どこにでもいる様な
ミーハーな女子高生。
そんな彼女が、電車で
「とある男性」に一目惚れした所から、
物語は始まる。
ちょっとした偶然が重なり、
友香は一目惚れした彼がヴォーカルを
つとめるバンド「SPIRAL」に、
キーボードのメンバーとして入らないか、
という直々の依頼があった。
何を隠そう、このミーハーな女子高生・
高崎友香は、ピアノにおいて
天才的な腕前を持っていたのだ。
しかし、そこで友香は衝撃の事実を
目の当たりにする事となる。
そう、友香が一目惚れした彼・
結城芹香は、実は「女」だったのだ!!
しかし、実は女だったから…と言って、
簡単に諦める事が出来ない友香は、
「それでもまだ好きだ」という気持ちを
宣言すると共に、
メンバー入りを宣言する。
昔はいじめっこだったが、今は真逆で
とても人懐っこく面倒見が良い宮沢新。
ナンパな性格の小椋武巳。
クールで冷静な中川保。
そして男性の様な容姿の結城芹香。
彼らと共に、友香はバンドの
メンバーとして、
かけがえのない経験をしていく。
あなたとスキャンダルのネタバレと今後の展開は?
友香が芹香へ想いを寄せている一方で、
また新も友香へ淡い想いを抱いていた。
しかし新は、友香の芹香に対する
純粋な想いを前に、
自分の気持ちとは裏腹に、
「同性を好きになってしまった」と
不安を抱える友香に理解を示し、
応援をしてしまっていた。
しかしバンドの合宿中、新の友香への
想いが溢れだしてしまい、
ついに新は友香に告白をする。
「私は芹香さんが好きだから」と、
速攻でフラれてしまった新だが、
これをきっかけに友香に対して
アプローチをしていく事となった。
対する友香はそれに翻弄され、
次第に惹かれていく。
そんな中、プロデビューという
明確な目標が出来た友香ら
「SPIRAL」のメンバーは、
とあるオーディションにて
派手に暴れてしまい、
多額の借金を背負う事となった。
絶体絶命のピンチに陥った友香たちだが、
その多額の借金を肩代わりして
払ってくれる者が出てきた。
彼の名前は、高清水冬彦。
とある会社の専務であり、
社長の子息であり、
芹香のお見合い相手でもあった。
彼の登場により、芹香の暗くて悲しい
過去が仲間内に明かされる事となる。
高清水が登場した事によって
大きく揺れた
SPIRALのメンバーだったが、
一連の騒動を経て、
より結束を強くしたのであった。
あなたとスキャンダルの読んでみた感想・評価
ミーハーではあるけれど、とにかく元気で
一直線な友香もさる事ながら、
芹香や新、武巳と保のキャラクターが
とても生き生きとしていて、
非常に好感が持てた。
1人1人が不器用ながらも、
まっすぐに突き進んでいく姿が
見ていてとても気持ちが良かった。
舞台がバンドという、少女漫画にしては
少し珍しい部類ではあるが、
読者を置いてけぼりにする事なく、
楽しく読むことが出来る作品である。
コミックも全5刊と読みやすい量の為、
一気に大人買いして
読む事が出来るのも魅力の1つだ。
序盤から新→友香→芹香といった
奇妙な三角関係がコミカルに
描かれている為、
読者の方も楽しみながら、時には
優しく見守る親の様な気持ちで、
それぞれの恋の行方を楽しみなから
読む事ができるだろう。
もちろん、彼らだけではなく芹香と武巳、
冬彦といった外のメンバーの恋模様も、
しっかりと描かれている。
基本的に、フラストレーションの
溜まる様な悪い人間が出て来ないので
(皆どこか愛嬌を感じる)、
全体的にスッキリとした気持ちで
読む事ができた。
あなたとスキャンダルはこんな方におすすめな作品!必見
主人公である友香以外の
レギュラーメンバーは皆男性なので
(芹香は見た目だけで、女性ではあるが)、
もちろん女性読者にオススメしたい。
人懐っこく、面倒見が良い年上の新。
ナンパな性格で、女の子に
とても優しい小椋武巳。
クールでしっかりものの保。
美形で人の瞳を惹く、
男顔の「女性」芹香。
それぞれのキャラクターの魅力が
たっぷり描かれているので、
「私は◯◯派!あなたは??」
なんて会話が聞こえてきそうである。
注意したい点は、主人公の友香は
芹香に一目惚れをし、
女性だと分かった後でも
想いを寄せている…といった
設定ではあるが、
決して百合というジャンルの
作風ではないという点である。
もし百合といったジャンルが好きで、
ガッツリとした百合展開を
望んでいるのであれば、
そういう作風ではないという
事だけ注意しておきたい。
少女漫画雑誌、りぼんにて
連載されていた為、どうしても
低年齢向けの展開となってしまうが、
大人でも十分楽しめる作品だ。