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銀の三角のネタバレと感想です!どうなる結末は!?

銀の三角

この記事は約 6 分で読めます。
タイトル 銀の三角
原作・漫画 萩尾望都
出版社 白泉社

近未来に起こる出来事を予知できる民族
「銀の三角人」は、はるか昔、
数万年前に絶滅していたはずだった。

しかし、ある辺境の星で生まれた王子は、
滅びたはずの銀の三角人と同じような
特殊な能力をもち、

自死することで呪われた運命を
終わらせようとしていた。

時空人マーリーと謎の吟遊詩人
ラグトーリンは、それぞれの思惑を
抱きながら異形の王子への

アプローチを試みるのだが・・・

時空を超えて繰り広げられる
壮大なSF叙事詩。

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銀の三角のあらすじ紹介

銀河や星間移動が当たり前のように
行われるようになった遥か未来、

人類は高度に発達した文明と
安定した社会を構築していた。

中央星系(セントラル)の保安要員である
男性・マーリーは、社会の安定のため、

密かに社会の混乱になりうる変動を
予知し、それを取り除く任務を
遂行するため辺境の星に赴く。

そして任務の中で、エロキュスと呼ばれる
有名なオペラ歌手の死去に
立ち会うこととなる。

一方、黒髪の女吟遊詩人である
ラグトーリンは、3万年もの昔に
滅亡したはずの予知能力をもつ民族

「銀の三角人」の運命を
変えようとしていた。

変動排除のための暗殺を
許可されているマーリーは、

エロキュスの最期の言葉の謎を解く
旅の途中で、ラグトーリンを
殺害しようとするが、

逆に彼女の返り討ちにあい、
殺されてしまう。

クローン技術や記憶の保存の
発達により、ほぼ同じ人間をコピーして
作り直すことが可能だったため、

セントラルは、死んだマーリーの記憶を
新しいボディに注入し、新しいマーリー
(マーリー2)を作ろうする。

が、突然起こった事故により、誤って
エロキュスの記憶も注入され、

マーリー2にはオリジナルのマーリーと
エロキュスの記憶と性質が
混在することになる。

その頃、辺境の星では、銀の三角人に似た
容姿の、特殊な能力をもつ王子が
誕生していた。

王子は未来を予知できる能力を
秘めており、父である狂王から
不吉な存在であるという理由で、

繰り返し殺される運命を知っていた。

ラグトーリンはその死が及ぼす影響を
無くすため、王子の運命を変えたいと願い、

その手助けをマーリー2に
依頼するのだった。

銀の三角のネタバレと今後の展開は?

「銀の三角」は、中央星系の保安機関任務に
就いている男性・マーリーと謎の女
吟遊詩人・ラグトーリンの2人を

主人公にした未来のSF物語です。

マーリーは物語の中盤に
ラグトーリンによって殺され、その後
マーリーのクローン(マーリー2)が

作られるのですが、アクシデントにより
完全なコピーに失敗。

ほどなく次のクローンとして
マーリー3が作られ、やがて
ラグトーリンとマーリー2とマーリー3が

時空を超えて絡みながら
物語が展開していきます。

題名である「銀の三角」は星の名前で、
その星の民族には予知能力がありましたが、

星間戦争等に利用されたため激減し、
ほぼ消滅してしまったとされています。

しかし、先祖返りにより予知の才を得て
生まれた辺境の王子がいて、

ラグトーリンはその運命を変えようと
しています。

ラグトーリンはこの王子を救いたい
というわけではなく、彼が自殺する際に
発する異形音が、時空のモザイクを破壊し

世界を歪ませてしまうので、
それを阻止したいと考えているのでした。

ラグトーリンのこれらの行動による
変動を予知したマーリーは、

保安任務のため、ラグトーリンを
排除しようと試みるのですが、
逆にラグトーリンに殺されてしまうのです。

ラグトーリンは時空を超えて活動しており、
宇宙の摂理や万物の理論などを超越し、

過去や未来の出来事をある程度
コントロールできる神のような存在ですが、

自らを「神ではない」とつぶやく
シーンがあり、万能ではありません。

ラグトーリンはこの後も、
王子の運命を変えるため、
さまざまな策を講じていくのですが、

マーリー2やマーリー3の登場で
事態は思わぬ方向へ収束していきます。

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銀の三角の読んでみた感想・評価

数多くの傑作を世に送り出している
萩尾望都さんの作品の中でも、

長く後世に伝えるべき
屈指の名作だと思います。

この作品は「SFマガジン」という
サイエンスフィクションの専門誌で
連載された作品のため、

少女雑誌向けの萩尾作品より
ストーリーが圧倒的に複雑で、

一度読んだだけではほとんど
理解できないほど難解です。

しかし、時空間の移動や未来の社会など、
SF的な事柄に関する解説は
限定的でありながら、

必要な内容は過不足なく語られ、
また巧みな構成のおかげで、

SF慣れしていない読者でも
ついていける作りになってます。

その一方で、王が王子を忌むものとして
殺そうとしたり、祈りために踊り、歌い、
音楽を奏でるなど、

遥か未来にもまだ色濃く残る
古来からの風習なども描かれ、

単なる難解なSFマンガに終わらない
スケールの大きさを感じさせます。

そして物語の鍵を握るラグトーリンという
女性キャラクターが非常に魅力的です。

東南アジアか中東あたりの
エキゾチックな衣装を身にまとい、

頭にターバンのようなものを
巻いています。

とても長い黒髪をもっており、
琵琶のような楽器を弾きながら
歌うこともあります。

その風体は吟遊詩人や弾き語りの
歌い手のようですが、心に秘めている
計画は神のように途方もなく壮大で、

最初はそのギャップに
驚かされるのですが、途中からは
何の違和感もなくなるから不思議です。

銀の三角は萩尾望都さんの作品の中で、
最も難解な部類に入りますが、
その分スケールの大きさも随一なので、

多くの方にこの深淵な世界を
堪能して頂きたいと思います。

銀の三角はこんな方におすすめな作品!必見

作者である萩尾望都さんは長期間、
少女向けのコミック雑誌を中心に
連載をもっておられたため、

その作品群は少女・女性向けの、
比較的理解しやすいSF作品が主流です。

また萩尾さんの描く漫画は流麗なタッチで、
見た目が少女漫画寄りであるため、

男性陣の中には敬遠してしまう方も
おられると思います。

しかしこの「銀の三角」は、
男性でも読みごたえを感じられるほど
硬派な側面があり、繰り返し読むたびに

「気づき」をもたらしてくれるような、
名作文学に似た要素ももっています。

また物語のあちこちに、古代の歌や踊りや
音楽が登場し、それらが次の展開を生む
きっかけになっており、この

「銀の三角」は「抒情詩的だ」
「神話のようだ」と評されることも
あります。

このような理由から、萩尾望都さんの
作品がお好きな方はもちろん、

生半可なSFモノでは物足りない、
ハードなSFを好む男性にも
強くオススメします。

未来の文明だけでなく過去の遺跡や
風習なども交えた謎めいた作品ですので、

古代と未来をつなぐような
ロマンあふれるファンタジーが
お好きな方にもオススメです。

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