タイトル | 魔法陣グルグル |
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原作・漫画 | 衛藤ヒロユキ |
出版社 | スクウェア・エニックス |
ドラゴンクエスト4コマ漫画劇場で
カルトな人気を博した
衛藤ヒロユキの連載漫画第一弾。
ファンタジーRPGの世界観を舞台にした
ギャグ漫画として始まります。
しかしギャグテイストは残しつつ、
趣味でDJをしている衛藤ヒロユキ独自の
世界観が展開していく漫画です。
魔法陣グルグルあらすじ紹介
ある片田舎で平凡に
暮らしていた主人公「ニケ」。
悪の魔王「ギリ」が復活したことに
対抗するため王様が勇者を募集しました。
主人公の父親は「勇者マニア」で
自分の息子を勇者にするために、
半ば無理やり魔王討伐の旅に出ます。
旅立つ前に「魔法おババ」への挨拶が
村の風習いうことで、
ニケは魔法おババの家に行きます。
そこで出会ったのが魔法使いの「ククリ」。
実はこのククリは現在では
途絶えた伝説の魔法、
「グルグル」が使えるミグミグ族の末裔。
伝説の魔法が使えるククリは
魔法おババの家で隠れて育てられたため、
世間知らずの天然ボケ。
その上、魔法も失敗ばかりでロクに使えない
ククリとニケの珍道中がはじまります。
魔法陣グルグルネタバレ・今後の展開
旅の始まりは、王様のミッションを達成する、
いかにもファンタジーRPGゲームに
ありがちな展開からスタート。
しかし、ミッションをクリアするたびに、
伝説の魔法「グルグル」の隠された秘密が
徐々に明らかになっていきます。
魔王「ギリ」を討伐するために
各地に封印されたグルグルを集めることが
目的になっていきます。
あくまで主人公はニケなのですが、
強大な力を秘められた魔法
「グルグル」が使えるククリが物語の中心。
影が薄いニケ。
たまに忘れられたり、
目立たなかったりすること自体が
ギャグのネタになります。
しかし物語の途中でニケも強力な「光の者」
という事が明らかになります。
しかし、グルグルの属性は闇、
ニケの光の属性とは真逆の
グルグルを使うククリ。
「相反する力を持つ者二人が、
一緒にいること自体が不自然で不吉」
と忠告を受けますが、
ニケと一緒に旅をつづける決断をします。
そして旅の目的はククリのグルグルを
集めることに加え、主人公ニケの
「光の者としての力」を発揮する事が
目的に加わります。
そしてストーリーが進むとともに、
伝説のミグミグ族の末裔・ククリの出生の秘密と、
グルグルのパワーの秘密が、徐々に明らかに。
魔法陣グルグル読んでみた感想・評価
80年代~90年代のファンタジーRPGゲームの
世界観を下敷きにしています。
趣味でクラブDJもこなす
衛藤ヒロユキのセンスが
融合した独特の世界観とストーリー展開。
そして、伝説のドラクエ4コマで
おなじみとなったシュールなギャグを交えた、
衛藤ヒロユキワールドが楽しめます。
レギュラー以外の脇役も濃いキャラクターが多く、
主人公であるはずのニケが
一番薄味で地味に見えてしまうのが不思議。
たまにクサイセリフを言うものなら、
クサイセリフが大の苦手な「妖精ギップル」が
現れるという黄金のギャグパターン。
魔王ギリに呪いをかけられ
犬(プードル)の姿にさせられてしまった、
「闇魔法結社の総裁」。
村の伝統「キタキタ踊り」を広めるために、
自ら腰ミノ姿になり他のキャラクターに
変態呼ばわりされる「キタキタおやじ」。
しかし実は、音楽と踊りは
魔法陣グルグルの重要なテーマ…
キタキタ踊りも「尻の動き」が魔法陣に
なっているというオチがあります。
DJもこなす作者衛藤ヒロユキならではの
世界観設定となっています。
「ファンタジー」+「RPGゲームのシステム」+
「シュールなギャグ」+
「テクノ音楽」+「ダンス」
という要素が絡み合うのが、
衛藤ヒロユキワールド。
中盤ではファンタジー要素あふれた、
ちょっとしたサイドストーリー
にも触れられています。
一つの直線的な物語ではなく
魔法陣グルグルの世界観を
堪能することができます。
シュールなギャグが楽しめるファンタジー冒険漫画
シュールなお約束ギャグ、
ファンタジーの冒険物語、
奇想天外な脇役が楽しめる漫画。
「普通の」少年漫画の展開や
ファンタジー設定の漫画に
飽きてしまった人に読んでほしいです。
少し変わったテイストを
味わうことができる漫画です。
主人公ニケとククリの淡い恋心や、
ほのぼのした昔話的な
ファンタジーストーリーの物語展開。
安心して読むことができるでしょう。
しかし、油断していると濃い脇役がしれっと登場して
笑いをかっさらっていくという、
独特のテンポの漫画です。
また、魔法や妖精といった要素は
ストーリー展開だけではなく、
ギャグのネタ元にもなっているという設定。
衛藤ヒロユキ初の連載漫画なので、
はじめはクセの強いキャラクターの絵柄が
徐々にこなれてきて丸くなるのが不思議。
キャラクターの変化とともに
「ゲーム的」要素は薄くなります。
しかし変わりに音楽と踊りと
サブカルチャー的
住人の要素が増していきます。
現実の世界でも徐々にメジャーになってきた、
サブカルチャーの時代背景も
感じることができる漫画作品になっています。
漫画家としては珍しい、
クラブDJを趣味とする
衛藤ヒロユキワールドの世界観。
どっぷり浸かって味わってほしい
ファンタジーギャグ漫画です。