タイトル | ワールドトリガー |
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原作・漫画 | 葦原大介 |
出版社 | 集英社 |
異世界からの侵略者と、それに対抗する組織――
近未来を舞台にして
架空の兵器を撃ち合う戦略アクション!
主人公たちはもちろん
ライバルとなる他チームや敵軍の面々まで
心象描写が丁寧に描かれる抒情詩的作品!
ワールドトリガー のあらすじ紹介
異世界からの怪物・近界民(ネイバー)の
襲来が起こるようになった世の中。
新たに人体に発見された生体エネルギー=トリオンと
それを用いた武器・トリガーを用いて
特殊機関・ボーダーが人々を守っている。
ボーダーのトリガー技術により
一般市民の平和な生活は保障されていた・・・
かに見えた、が。
マジメだが空回りしがちな中学生男子・三雲修。
空気を読まない白髪頭の転校生・空閑遊真。
突然の近界民の襲来に
トリガーを取り出し、近界民に立ち向かう修。
謎の黒いトリガーで近界民を一刀両断にする遊真。
実は修はボーダーの非正規隊員だったのだが
しかし黒いトリガーなど見たこともない。
驚く修に遊真は自分を「近界民」と語る・・・
ワールドトリガー のネタバレと結末(最終回)は?
近界民=化け物の認識は誤りで、
化け物に見えるのはトリオンを使った捕獲用の兵器。
トリオンやトリガーの技術は近界民を模倣したもの。
いくつもある異世界は宇宙の星々のように
周期をもって近付いたり離れたりを繰り返しており、
互いにトリオン能力の高い人間を捕獲している・・・
「近界民」遊真の口により
修の常識は次々と覆されていきます。
戸惑いを覚えながらも
遊真は排除の対象ではないと
見守ることに決めた修。
また、そんな修の不器用な実直さを
信頼し評価する遊真。
本来は敵同士である2人に
奇妙な友情が芽生えます。
しかしながらこの友情が
新たな問題を生むことに・・・
近界民のイメージが侵略者である以上、
遊真の存在や謎の『黒いトリガー』は
隠した方がいいとなったため
修は実力不相応の大金星を挙げたことになり
高い評価を受けつつも
ボーダー本部から不審の目で見られることに!
追及の結果、
遊真の父親はボーダー結成に尽力した人物であること、
遊真の持つ黒トリガーは戦局を一変させる
超兵器であることが判明します。
功労者の息子とわかって一見落着、
と思いきや
ボーダーは遊真を襲う刺客を編成。
本部の狙いは黒トリガーの奪取。
しかしここで自他共に認める「実力派エリート」の
ボーダー隊員・迅悠一が遊真を守るため刺客部隊と相対。
遊真が近界民ということで敵視する派閥と
近界民を積極的に受け入れる派閥による
内部抗争が勃発します!
ワールドトリガー の読んでみた感想・評価
修が冷や汗かきすぎ!
ほぼ全てのコマで修に冷や汗の描写があり、
逆に素の顔を捜すのが難しいほど。
むしろキリッとしている表情だと
「あれ、こんな顔だったっけ?」と
違和感を覚えてしまいます。
そんな修も物語が進むにつれて
チーム内で欠かせない戦力となっていくのですが・・・
覚醒して、かつての強敵を瞬殺できるようになったり
チート能力に目覚めたり、ということは
一切していません!
では、どういう風に戦力となっていくのか・・・と言うと。
まず遊真が相対している敵に、
嫌がらせのように横から攻撃して注意力を削ぐ。
極細ワイヤーみたいなものを張りまくって敵を転ばせる。
上層部に駆け引きをして特例を認めさせる。
三つ巴の戦いでわざと劣勢になることで
他チームどうしの相打ちを演出する、などなど・・・
見た目は少年、頭脳はおっさん、と言いたくなるような
あまりにも主人公らしくない進化に
「頑張ってくれよお応援してるから!」
と泣きたくなるほど
強い愛着を持ってしまいました。
こんな方におすすめな作品!必見
役割分担したチームプレイが
この作品における
戦闘シーンの特色です。
サバイバルゲームに酷似した展開があり
サバゲー趣味の人には
たまらない展開が多いと思います。
ストーリー面では
異世界とこちらの世界との対立に
政治的な理由が用意されていることもあり、
また異世界どうしでも
対立関係や従属関係などがあって
国家間のそれに近いです。
そういった点では
架空戦記ものが好きな人には
たまらない物語でしょう。
例えば。
ある戦闘での展開ですが・・・
修たちの活躍で
異世界の軍は撤退します、が
その世界と従属関係にある
別の異世界が侵攻してきます。
従属関係とはいっても
所詮は別の世界。
真面目に闘っても旨味はない。
そう考えた敵の指揮官は
健闘したと言い訳が効く作戦を考え、
そのためボーダーは予測が難しくなります。
この展開、どうですか?
互いの立場が異なるからこそ
複雑になっていく局面にゾクゾクしませんか?
単純な倒した人数の競い合いでもない
陣地の奪い合いでもない
様々な思惑の交錯に心痺れる人なら
この作品は必見です!