タイトル | ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャン |
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原作・漫画 | 荒木飛呂彦 |
出版社 | 集英社 |
ジョジョシリーズ初の女主人公、
空条承太郎の娘──
空条徐倫(くうじょう・ジョリーン)が
体験する、人、各々が受け継ぐ運命と
宿命の結末を知る為の旅。
加速する無限の時の最果てにある、
自身の運命と宿命の幾末を
知る為の覚悟を持つ、挑戦が始まる!
ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャンあらすじ紹介
2011年。
10月28日の午後5時35分ごろ、
雨が降りしきる日だった……
彼女、空条徐倫は、恋人である
ロメオ・ジッソと共にドライブをしていた。
互いに甘い時間を過ごしていた最中に、
ロメオは誤って人を跳ねてしまう。
すぐに救急車を呼ぶべきと
動こうとする徐倫を制止するロメオ。
雨の中で誰も見ていないのなら、
この轢き逃げが明るみに出ない。
その場で何事も起きなかったと、
目の前で起きた事件を流してしまった。
それは彼女の奇妙な運命と、
ジョースター家のもたらす
宿命の始まりを意味していた……
数日後。
ロメオの轢き逃げの罪を被せられ、
州立グリーン・ドルフィン・ストリート
重警備刑務所へと収監されてしまう。
弁護士に言われるがまま、
罪を認めれば懲役が軽くなると、
司法取引を受け入れる事を進められた彼女。
外に残す母親の事を気にかけ、その取引に応じ、
身に覚えのない恋人の罪を認めてしまう。
そしてくだされた判決は……懲役15年。
それは、あまりにも重い判決だった。
弁護士に騙され、恋人に裏切られた徐倫。
しかしそれは仕組まれた罠でもあり、
彼女と、父親である承太郎を狙う、
かつての宿敵が遺したジョースター家の因縁。
この世界で生きる人々が、覚悟を知る。
運命を受け入れる事の出来る
「天国へ行く」秘密を知る為の、
一人の男の作意である。
それを彼女は知らない。
かつての宿敵……DIOが見言い出した、
全ての人が幸福へと到達できるだろう
「天国」へと行く方法とは?
時の加速の果てにある、結末とは一体?
ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャンネタバレ・今後の展開
今作の「ジョジョの奇妙な冒険
第6部ストーンオーシャン」
DIOとジョースター家の一世紀に
渡った因縁と宿命が、
ようやくにして決着します。
それは最大の題材となっており、
この物語は全体を通して、
「運命」をテーマに物語が展開されています。
さて、今作の主人公である空条徐倫は、
ジョジョの奇妙な冒険のシリーズの中で、
実に「ゴージャスアイリン」以来
初めての試みです。
しかもあの空条承太郎の娘は
父親に似て男勝り。
また精神的なタフさや、
誰もが魅了されるほどの
明るさもあります。
実にヒロインとして魅力的な部分もあり、
また少年漫画の主人公らしく、
熱血な逞しさも備えています。
まさにイケメンな
ヒロインとしても有名な彼女。
その彼女が、DIOの遺した
「天国へ行く方法」を知った為に
エンリコ・プッチに狙われてしまいます。
プッチ神父は、かつてDIOの友人。
またDIOの事を尊敬し、
シリーズ最大の強敵の張り巡らした罠へと
はまってしまいます。
刑務所へと投獄されてしまった徐倫。
プッチ神父の刺客に狙われ、また刑務所内の
スタンド使いに狙われてしまう等、
気を休む間もなくに襲われていきます。
ですが、彼女にも囚人仲間である
エルメェス・コステロや、
風変わりなスタンドであるフー・ファイターズ。
天候を操る、プッチ神父に
因縁と宿命を持つウェザー・リポートに、
徐倫に一目ぼれしてしまう、
一途な男ナルシソ・アナスイ。
複雑な出生とジョースター家の
運命の行く末を見守る事となる、
11歳の子どもエンポリオ・アルニーニョ。
心強い仲間を得ますが、
プッチ神父は一筋縄ではいきません。
プッチ神父が求める、
DIOの遺した遺産である
「天国へ行く方法」とは、一体何なのか?
それを唯一知る空条承太郎は果たして、
見れば必ずこの物語の結末に
目が離せなくなります!
ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャン読んでみた感想・評価
「ジョジョの奇妙な冒険
第6部ストーンオーシャン」
1部から続いていた、ジョースター家の関わり、
新しく切り替わる転換への作品でもあります。
今作の中で最大のテーマとなっているのは
「運命」と「宿命」の「結末」とは、
一体何であるのかが、物語を通して描かれています。
今までジョースター家に因縁として存在し続け、
また後世へと続く、一つの系譜として存在していた
「DIO」の「悪」。
時を越えて最大の悪を
呼び起こしてしまった事が、
この物語の最大に見せ場となっています。
この最大の悪である「プッチ神父」は、
荒木飛呂彦先生は「悪党の正論」
と位置づけます。
彼が求める、人間個人と
個人の運命の結末を知る為に、
彼は行動を起こしていきます。
母の愛が起因となり、
それにより自分と人の運命が、
予期もせずに狂う。
そして最悪の結果を出してしまう。
運命に決められてしまう自分達の存在や、
宿命に動かされ、
運命へと導かれ、結末を迎える。
そんな世界を変えるが為に、
プッチ神父は自分の行為を正義と信じます。
もし途中で何らかの悲劇があろうとも、
それは自身の信じた正義の結末と受け止め、
悪として正義であると言う。
偏るべき両方を持つ、
DIOに勝るとも劣ら無い、
最大敵となっています。
やがて世界を持巻き込むほどに、
強大な悪となる。
ジョースター家を負い込んでいく事になり、
プッチ神父が、歴代ジョジョの中で
最大の敵とも言われるほどに成長してしまう。
ジョジョの奇妙な冒険の中でも、
最も危険な敵として立ちはだかり、
圧倒的な存在感を魅せます。
荒木飛呂彦先生の作品の中で、
常にテーマとして上がっている「運命」と「宿命」。
その答えが描かれ、その答えの先の問いが、
後の作品として繋がりを魅せる、
そんな作品です。
ジョースター家の辿り着いた結末は…第一部から見る読者は必見!
ジョジョの奇妙な冒険を第一部から
見ている読者ならば、
結末を知るべき作品でもあります。
この作品で、一部から進むジョースター家の
物語である「ジョジョ」の冒険が、
新しい道を見つけ、歩み直されます。
新たなる物語の出発点ともなる、
終わりと始まりの物語とも言えます。