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ZETMANのネタバレと感想!アニメの原作を読むならココ!

ZETMAN

この記事は約 5 分で読めます。
タイトル ZETMAN
原作・漫画 桂正和
出版社 集英社

常人とは違う存在になった悲哀、
暴力を止められない苦悩、
「正義」の質の食い違い……、

変身ヒーローものとして
王道な問いかけや悩みを
たくさん内包しつつも、

少年誌的ではないハードな描写や
高い画力や構成力によって、
一段高いレベルにまで昇華させた、

「電影少女」や「アイズ」で
一世を風靡した、
桂 正和氏のもう一つの代表作です。

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ZETMANのあらすじ紹介

左手の甲にリング状の跡があり、
常人離れした身体能力を持つ、
少年、ジン。

彼はおじいさんに育てられ、
暴力を禁じられていましたが、

一度力が覚醒すると、
常人とはまるで違う戦闘力を
発揮してしまう性質でした。

知り合った明美さんを襲った
悪漢を強烈な腕力で倒したジンは、

その後の検査で常人とは違う
「要素」を持っていることが
明らかになりましたが、

能力を正義のために使うとは
すぐにはならず、

生活費を稼ぐために
悪人の手先のような真似もする
荒んだ状況に陥っていました。

しかし、その一方で、
人外である放火魔と対峙したり、
自分なりの正義を行使する

ハードな役割を担ってもいました。

ZETMANのネタバレと今後の展開は?

あるホームレスのところに
場には不似合いな男たちがやってきます。

彼らは左手の甲にリング状のコブがある
二十歳前後の青年を探していましたが、
情報をつかむことはできません。

ささやかな炊き出しに集う
ホームレスたちがどんどん増えていく
殺伐した世相の中、

中年の男性が銀行を出たところで、
若者に襲われるという事件が発生します。

罪悪感どころか人目さえも気にしない、
無謀な犯罪ですが、周囲は男性に
同情することはありません。

その時、バッグを奪った襲撃者を
少年が飛び蹴りで蹴り倒します。

しかし少年は純粋な善意の行動ではなく、
男性に謝礼を要求しました。

その少年の名は、ジン。

左手の甲に「天使の話」を持ち、
暴力を振るうことを
固く戒められてもいましたが、

常に謝礼を求めて働いていました。

ある日、女性を助けて一万円を
手にすることになったジンは、
育ての親のおじいさんから、

お金の使い方を学ぶようにと
教えを受けます。

お風呂に入り服などを買い、
レストランでの食事を満喫したジン。

おじいさんはそんなジンに、
人間らしい生き方を説きますが、

そんな二人の前に、男性が現れます。

彼は明らかに自殺志望者でしたが、
一方で様子がおかしくもあり、

おじいさんはジンを制止します。

しかし時すでに遅く、
おじいさんは彼に
切断されてしまうのでした。

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ZETMANの読んでみた感想・評価

特撮に近い感じがする変身もの作品は、
とにかくアクションと勢いが大事です。

だから序盤からド派手な戦いが
展開されるわけではない本作を
ちょっと見た時にはやや不安でしたが、

読み進めるうちに杞憂だと分かりました。

じっくりとページを割いて、
主人公である少年、ジンの
生い立ちと人間性を描き、

さらには時間が経って
荒んでしまった部分まで描いてから、
本格的に物語に入っていく徹底ぶり、

それぞれの「正義」という
難しいテーマを真正面から
取り上げるハードな姿勢、

そのどれを取っても、
王道の変身物語として
非常に優れたものを感じました。

ホームレスな暮らしを続けながらも
純粋に生きていたジンが、
明美と一緒に暮らし始めることで、

金のために悪にも手を染めたり、
何不自由なく育ったコウガが、
自分の思う正義を執行するために、

普通では有り得ない行動に出たりと
登場人物には平坦ではない起伏があり、
そこがリアリティにつながっています。

もちろん、「電影少女」や「アイズ」で
読者を夢中にさせた非常に高い画力は健在で、

殺伐とした物語の中でも非常に可愛らしい、
小葉の姿やキャラクターが、清涼剤としても
機能している感じがありました。

ハードな描写に挑戦しながらも、
他の分野にもまったく抜かりがなく、
極めて高いレベルでまとまった名作ですね。

ZETMANはこんな方におすすめな作品!必見

常に大人気なのが変身ヒーロー物ですが、
最近はどうしても規制が厳しくて

ハードな演出が少ない、「生」の人間を
描き切るのが難しいといった問題に
直面するようになってきました。

誰でも見られるTVなどのメディアが
主軸のジャンルの宿命とも言えますが、

「仮面ライダー」以来綿々と続く、
正義と悪の戦いや変身者の「業」を
完璧に扱うには、窮屈なことも事実です。

しかし本作は、様々なジャンルで
大人気を博してきた桂 正和氏が、
青年誌に舞台を移して取り組んだもので、

少年誌ではなかなか難しいハードな
闘争シーンや情念の迸りが
強烈に表現されています。

過ぎた力を持った存在の苦悩や
敵側にも共通する悲哀、
怒りと力に覚醒する主人公など、

変身ヒーローものの王道要素を
序盤から徹底的に叩き込み、
読者を世界に引き込む腕力があります。

「アイズ」や「電影少女」からは
まったく違うように見える作風ですが、

王道のシチュエーションでリアルに
「人間」を描く筆力は共通しており、

他作品の蓄積が本作でも非常に
活かされていると言えるでしょう。

熱くてタフなストーリーに
極めて高い画力、構成力が加わり、
素晴らしい作品に仕上がっていますね。

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