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おろちのあらすじやネタバレを書いています(感想もあり)

おろち

この記事は約 5 分で読めます。
タイトル おろち
原作・漫画 楳図かずお
出版社 小学館

人とは違う能力を持つ存在、おろち。

彼女が行くところには、
恐ろしくも悲しい怪異の数々が
宿命を帯びて待ち受ける。

案内役のおろちの人間らしさや
宿命や怪異に振り回される人間の
醜悪さまでが描かれた、

映画化もされた傑作ホラーです。

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おろちのあらすじ紹介

人とは違う能力を持ち、
人間の心を操り、
様々なことができる女性、おろち。

当てなく現代をさまよう彼女は、
時に自分が関わらない形で、
悲劇を目にすることもありました。

ある嵐の日、宿を求めて
屋敷に入り込んだおろちは、
美しい姉妹が持つ宿命と、

向き合うこととなりました。

それは龍神家の女性は
十八歳になると容姿が
醜く崩れていくという、

かなりハードなものでしたが、
長い時を持つおろちは
姉妹に寄り添う決意をします。

しかしその宿命のために
限界を迎えてしまった姉は
恐ろしいまでの乱れぶりを見せます。

おろちのネタバレと今後の展開は?

美少女の風貌ながら他人とは
まるで違う時を歩み、
特殊な能力を持つおろち。

あてなくさまよう彼女は、
ひと晩の宿をと、ある屋敷に
入り込むことに。

家政婦という記憶を植え付け
入り込んだその家には
美しい姉妹が二人いましたが、

何やら口にしがたい「秘密」を
持っていることが分かりました。

もっともおろちは、嵐が止めば
家を去るつもりでしたが、
夜中恐るべきうめき声を聞き、

さらにはふとした事から
彼女たちの「秘密」を
知ることになります。

それは、彼女たち龍神家の女性は、
幼少の頃から極めて美しいが、
十八歳になると肉体が変化し、

恐ろしいほど醜い姿へと
なりかわってしまうという
恐るべきものでした。

それを聞いたおろちは
心底同情して、ずっと一緒に
暮らしていくことを決心しますが、

もう間もなく十八歳だという
姉の動揺はおさまらず、
妹もまた衝撃的な話を聞きます。

死が間近に迫った母から聞いたと
妹が口にしたのは、実は自分は
よそから貰われてきた子であり、

龍神家の宿命を継ぐのは
姉のみだということでした。

それを聞いた姉は妹を憎み抜き
大騒動を引き起こしてしまいます。

ついには愛想が尽きるように
おろちも去っていきますが、

後に分かる真相には
意外なものがあったのでした。

(「姉妹」)

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おろちの読んでみた感想・評価

心にじわじわ迫る展開と
まったく先読みできないラストが
背筋に響くような作品ですね。

現代も様々なホラー作品が
全盛ですが、本作は、
楳図先生による、今や

「古典」とも言えるような
伝統的な連作集ですが、
どこを切り取っても怖いですね。

それもただグロテスクで
理解不能な化物が登場し、
殺戮をするから、ではなく、

現象もさることながら、
そこから人の内心が
透けて見えるのがキツいですね。

しかもその変わりぶりは極端で、
おろちの特殊能力があっても
どうにもならないレベルですし、

建前や表向きを、一瞬で
破壊してしまうほどに
強烈なインパクトがあります。

楳図先生の筆による、
恐るべき怪異の数々は
今でもまったく色あせませんし、

「案内人」役のおろちが
人情味がある女性なのも
個人的に高評価です。

構成も巧みで、本能的に
逃れられない怖さを煽るような
強烈なリズムの良さと間を、

常に保ってくるところに
凄さを感じてしまいました。

各人の表情も巧みで、
ふとしたシーンにも
本性が描かれているようでもあります。

おろちはこんな方におすすめな作品!必見

読む人に恐怖を与えるようなホラーや
デスゲームをテーマにした作品は、
過去から現在に至るまで定番ですが、

しかし本当の意味で人の心を
震えさせるのは簡単ではありません。

現実的過ぎてもドラマ性が薄く、
ファンタジー過ぎてもリアルに
どうしてもなっていかないような、

非常に微妙な部分を上手に扱い、
作品として成立させなければ、
優れた評価を得るのは難しいですね。

その点本作「おろち」は、
主人公のおろちが完全に非現実的で、
沢山の能力を持ち合わせていながら、

主軸をそこに置くのではなく、
あくまで人間の業とも言うべき、
物凄い情念をメインに扱っています。

だからこそ現実離れしながらも
共感できたりする部分も多く、
一方で強い拒絶を味わったりと、

心が動かされているからこそ、
おろちや登場人物たちの
超常的な設定も活きています。

ハードかつファンタジックな設定を
完全に活かし切った秀作を
楽しみたい方には必見でしょう。

また、このジャンルの作品の
メインである「怖さ」も
まさに折り紙付きのものがあり、

心の芯に響いてくる描写と
先読みがしにくい展開の妙の、
容赦ない感じが実にいいですね。

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