タイトル | くくりひめ |
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原作・漫画 | 姫野春 水木由真 |
出版社 | 双葉社 |
菊理は異界の者を呼ぶことが出来る
巫女です。
ある日の夜、鎮守の森に居た菊理は
3人の男性に襲われそうになります。
男性に囲まれた菊理ですが、
そんな状況にも、決して怯むような
様子は有りませんでした。
その事にプライドを
面子が傷付いた男達は・・・
くくりひめのあらすじ紹介
菊理の強気な表情に腹が立った3人、
その中でもリーダーである木崎は
菊理の顔おを殴ります。
ー菊理の顔から血が流れましたー
それをきっかけにして、
地面から無数の白い手が伸び出しました
必死に助けを乞う男達ですが、
白い手に捕らえられて逃げることが
出来ませんでした。
その白い手に、男達は手足を折られて
しまいます。
そこで菊理は気絶してしまいました。
目を覚ました時に男達の姿は無くて、
そこに残されていたのは大量の血と
菊理だけでした。
くくりひめのネタバレと今後の展開は?
幼い頃から呪われた血を持っていると
言われて、人と関わる事を避けて
育った菊理。
3年前に神主である三門に
声を掛けられて神社で新米の巫女として
一緒に暮らすことになりました。
ー平和な時間は
無情にも過ぎていきますー
ある日神社の境内に「てるてる坊主」が
ぶら下がっていました。
三門によると、七五三のお祝いで晴れを
願った女の子が願掛けを行なったもの
らしいのです。
だが、そのてるてる坊主に対して
何かしら不吉なものを、菊理も三門も
感じざるを得なかったのでした。
その様子は、まるで!
ー首を吊っているー
ようだったからです。
女の子の七五三の日は、
とてもよく晴れた日でした。
女の子の願いは叶えられたのです。
しかし神に願い成就するということは
自分も何かしらを差し出すという事だと
菊理は思っていました。
そして菊理と三門が感じていた不安は
現実のものとなってしまうのでした。
木の下に眠る女の子、
その隣の木には首を吊る市松人形の
姿が有りました。
それはまるで女の子が首を吊っている
ような姿をしていました。
その市松人形は双子で、
片割れを探している
本物の呪いの人形だったのでした。
くくりひめの読んでみた感想・評価
イラストが綺麗でだったので、
読みやすかったです。
内容もストーリー性があって、
思わず引き込まれてしまいました。
菊理の双子の姉の九九理の美しさが
何故か切ないものがありました。
九九理は菊理を守るためなら、
何でも捨てる事が出来る
と言っていました。
幼い頃から二人で協力し合って
生きてきて、お互いがなくてはならない
存在だったのだと思います。
九九理はその気持ちを抱きながら
ずっと生きてきました。
しかし菊理は三門に出会う事で、
少しづつ変化して成長して
他人の優しさにも触れる事が出来ました
状況が違えば、どちらが今の状況に
なっていてもおかしくなかったと
思います。
呪われた血を持つ巫女には
伝説があって、会ってはいけない
首をくくってしまうからと言います。
いつも時代も人が決まることって、
本当に恐ろしい事だと思います。
人が思い込むことによって、
思いの力が働いてしまったのでは
ないでしょうか。
菊理と九九理に力が宿ってしまった
その原因は村人のせいでもあるのかなと
思ってしまう私でした。
くくりひめはこんな方におすすめな作品!必見
ストーリーが興味深くて、
グロテスクな面も多少あります。
そういった漫画が好きな人は
面白く読める作品です。
この手の漫画が好きな私は
楽しく読ませてもらえましたよ!
作中に出てきた、「うさぎの話」
以前に聞いたような気がします。
何もする事の出来ないうさぎが
食べ物として自分の身体を差し出す
話ですよね。
確かに自己犠牲の精神が謳われていると
思います。
美しくて悲しいお話です。
でももう少し多面的に捉えると、
違った形で物事を見ることも
出来るような気がするのです。
例えば!
あのお話で出てくる、キツネと猿が
巻きを集めて火を燃やすのでは無く
うさぎに出来ることを一緒に探して
あげられたら・・・
お話の内容は全く違ったものに
なっていたと思うんです!
あのお話は自己犠牲の精神の物語で
あると共に、他者との協力や共感の
精神を柱にしているとも感じました。
この漫画を読み進めていると、
全然違う世界であっても、
実は生かすことができる何かが
隠れていることに気付かされました!
毎日の何かを、ほんの少し見つけられる
そんな作品って素敵でした!