タイトル | こどものおもちゃ |
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原作・漫画 | 小花美穂 |
出版社 | 集英社 |
芸能界で活躍する明るい少女は
ある男に悩まされていた・・・
クラスの問題児が中心となり
いじめや先生いびりを行っていた。
子供たちは自身の抱える悩みと
向き合い、成長していく・・・
社会問題に焦点をあてた
小学生が主人公の少女漫画です。
こどものおもちゃのあらすじ紹介
劇団こまわりに所属し、
芸能活動を行っている
主人公・倉田紗南。
マネージャーの玲くんを
「ヒモ」といったり
小学6年生とは思えません。
個性的な母親と
楽しく過ごす毎日。
しかし
同じクラスの問題児に
頭を悩まされていました。
「先生いびり」が流行っていて
仕切っているのは羽山秋人。
悪魔のような男で、
仕返しが怖くて
誰も何もいえなかった・・・
面倒なことが嫌いな紗南ですが
日に日にエスカレートするいじめに
かんにん袋の緒が切れます。
こどものおもちゃのネタバレと今後の展開は?
羽山とクラスの男子は
水鉄砲にインクを入れて
先生に浴びせていました。
弱味を握られているため、
抵抗できない先生。
もしピストルを持っていたら
10発くらいは撃っている
という秋人。
「ピストルを持っていたら
私も今ひとり殺している」
と紗南は言い返します。
いじめはさらにエスカレートしていき
目をつけられたのは
別の女の子。
むりやり池に顔を
押し付けられていた
女の子を助けに入った紗南。
殴られそうになりますが
華麗なステップで避けていく。
話し合いで解決しようとするも、
強い力で首を締められてしまう・・・
一瞬怖くて固まってしまいますが
気を取り直して
立ち向かっていきます。
正攻法では敵わないので
羽山の友達に協力してもらい、
弱点を握り
いじめをやめさせることに。
何とか頑張ったおかげで
クラスは元通りになりました。
家族と上手くいっていない羽山。
ひねくれてしまったのも
家族が原因でした。
家庭の問題を知った紗南は
何かしてあげられないかと
考えたのです。
こどものおもちゃの読んでみた感想・評価
小学生とは思えない紗南は
ちょっとマセていて
子役の明るい女の子。
マネージャーの玲は
サングラスを外さない、
母親は個性的な髪型という
おもしろいキャラたち。
母親や玲と仲が良く、
朝起こすときや、送り迎えのときなど
何でもないやりとりもおもしろいです。
小学校で
先生いびりが流行るのは
恐ろしいですね。
クラスにひとりでも
羽山みたいな子がいると
他の子は逆らえません。
いじめに加担してしまったり
見て見ぬふりをすることも
あるかもしれません。
誰かを仲間はずれにしたり
軽いイジリのつもりだったり
自分にとっては些細なことでも
相手は傷ついているかもしれない。
いじめのニュースも絶えないなか
学校がいじめの事実を認めなかったり
見て見ぬふりをすることが
あってはなりません。
学級崩壊やいじめは深刻な問題だと
あらためて感じました。
普段はおもしろい子ですが
いざというとき
立ち向かう勇気のある紗南。
ピストルがあったら
私も1人殺してると言い返した
シーンはかっこよかったです。
こどものおもちゃはこんな方におすすめな作品!必見
学園ものの恋愛漫画です。
しかし
それだけではないのが
この漫画の魅力です。
いじめや学級崩壊、
家庭問題など深いテーマに
切りこんでいます。
登場人物がとても小学生とは
思えないところは
現代の子供たちと
通じるところがあります。
いじめは案外、近いところで
起きているものです。
家庭の問題は、
内容はそれぞれ違っても
誰しも抱えています。
家族との関係を今までよりも
大切にしようと思えます。
ショックを受けるようなことも
起きますが、それを含めて
胸に突き刺ささる重たいストーリー。
昔の少女漫画ですが今読んでも
共感でき、絵も古いとは感じません。
読む前から何となく避けてしまうのは
もったいない!
自信を持ってそういえる名作です。
いじめを描いていますが
明るいキャラクターや、
コメディ要素のおかげで
あまり暗くならずに読めます。
ところどころに挟まるギャグも
シリアスな展開を邪魔することなく
重さを和らげてくれています。
いつも明るく前向きで
羽山にも真正面からぶつかっていく
紗南に笑わせてもらえる作品でした。