タイトル | ちさ×ポン |
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原作・漫画 | 中野純子先生 |
出版社 | 集英社 |
週間少年ジャンプで2001年から
2005年まで連載された青年恋愛漫画。
読み切り、外伝含め全50話。
性描写もあるけれど、いやらしさよりも
性について真面目に考えてる漫画なので
正直読んで泣ける話が多いです。
自分は最近になって知った作品ですが、
是非現在10代の少年、
少女にも進めたい作品です。
ちさ×ポンのあらすじ紹介
高校1年生童貞男子のポンタは
悪友のタロ、ジロに誘われて男女3対3の
一泊海水浴旅行という大イベントに
参加することになりました。
相手の女の子はタロの彼女の友達で
写真を見て一目惚れしたポンタは
ジロとじゃんけんで勝って
彼女とのデート券をゲットします。
この夏で彼は男をあげることができるか
ワクワクで当日を迎えるも友人たちは
盛り上がってるのにポンタは
あまり乗り気ではありません。
というのも、写真で見た大人っぽい
かわいいイメージだったけど、
実際の彼女は天真爛漫で
子供っぽくて苦手だなと
思ってしまったから。
ちさ×ポンのネタバレと今後の展開は?
他の二人の女の子も男子も私服で来たのに、
待ち合わせ場所に現れた彼女ちさは
一人だけ制服で来ました。
理由は母に部活の合宿と伝えてきたから
という真っ直ぐな理由。
水着もスクール水着だし、
なんだか色っぽくない。
バスの中ではカラオケで熱唱するし、
思ってたような色気のある雰囲気ではない
ちさの様子に少し気落ちしてしまった
ポンタは少し苦手だと思いました。
そして3対3で楽しく遊んで
過ごしていたはずが、ポンタと
ちさ以外はなんだかいいムードに。
自分たちと他の2組の間にそれほど
何が違ったのか落ち込みながら
宿屋に帰るポンタとラブラブな2組。
風呂を済ませて男子組と女子組で
それぞれ1部屋ずつ予約しておいたので
順番に使い回すことに決めました。
当然発展してないポンタとちさは
一番最後になってしまいます。
最初は花火を眺めていた二人でしたが、
次第にいつまでもこのままなわけには
いかないとポンタが焦り始めた矢先に
ちさから後どれくらい時間を
潰せばいいのかと言われ驚きました。
この娘はエッチしたくて、男女3対3の
一泊旅行に出た彼等の目的をを
知っているのだとわかったポンタは
なんだかやっと彼女と打ち解けられました。
その後もう一度海に行って、今度は
二人っきりで仲良く話して
ふとキスを自然としました。
それは当初のエッチし対だけのもの
とは違って、相手への尊敬と理解がある
行為だったと感じられるシーンから、
二人の距離は徐々に近づき
親密になっていきます。
ちさ×ポンの展開には起承転結があり、
飽きることがありません。
また、主人公たちの周りの登場人物も
いい人ばかりで、ちさとポンタは
彼等友人たちや家族がいなければ
うまくいかなかっただろうと思わせる
名キャラクターが多く、ストーリーに
厚みを持たせていると思います。
ちさ×ポンの読んでみた感想・評価
ポンタとちさが両想いで互いのことを
一生懸命大事にしようと頑張ってるところが
とても初々しくてかわいいなと思いました。
しかし、ちさ×ポンは単純に男女が
アバンチュールを過ごして恋したり、
されたりする話ではありません。
実はちさは物語の中盤までポンタとの
本番行為を避けるのですが、途中で
バイト先のイケメンに寝取られます。
そのことだけでもショックなのに
彼女は様々なトラウマも持っていて、
ポンタが不器用なりに一生懸命
ちさを支えて彼女のトラウマを乗り越え、
想いを深めていくストーリーです。
決して順風満帆なドラマチックな
恋愛ではなく、普通の高校生の男女が
相手のことを好きになって初めて
互いの性について向き合っていく様が
非常にリアルに描写されています。
また、作者の中野純子先生は5年前に
虚血性心疾患で亡くなられました。
ちさ×ポンの完結後、ヘタコイという
作品を連載・完結させて新しい作品の
打ち合わせをしようという時に
お亡くなりになられたそうです。
ご存命だったならもっと
多くの名作が世に出ていたのだと
思うと残念です。
誠に心からお悔やみ申し上げます。
ちさ×ポンはこんな方におすすめな作品!必見
まだ、人生の伴侶と呼べるような
素敵なパートナーに巡り合っていない
すべてのシングルにオススメです。
少女漫画に出てくる男の子像と違い、
言い訳もするし、スマートな振る舞いが
できずヘタレなところもいっぱい
あるけれど、青年誌だからこそ描けた
等身大の普通の男の子と女の子の
心理描写が素晴らしい作品です。
どうしても青年向けの性描写ありの
恋愛作品ってなんとなく理想的な
エロ展開が多くなりがちですが、
本作にはそういったところはありません。
ただし、ちさの処女喪失から立ち直るまでの
展開はそこまで追い詰めなくても
いいじゃないか。
なんとか気持ちを切り替えて
幸せになって欲しいと思ってしまうような
シーンが結構出てきます。
それでもポンタとちさは楽な道に逃げずに、
二人で向き合ってなんとか
問題を乗り越えていきます。
そこには互いを尊敬し理解しあっている
素敵な二人の姿がありました。
もし、自分が彼や彼女の立場で、
大事な人がこういう状況だったら
何をすることができるだろうかと
考えさせてくれる作品です。
是非一度読んでいただきたい、
オススメの作品です。