タイトル | カメレオン |
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原作・漫画 | 加瀬あつし |
出版社 | 講談社 |
ケンカは弱いし男気もゼロだが
ハッタリと悪運なら日本一!
ヤクザ顔負けの凶悪な不良たちに、
元・いじめられっこが
口先だけで立ち向かう!
独特の言語センスで今なお語り継がれる
ヤンキー・ギャグの伝説的作品!
カメレオンのあらすじ紹介
高校デビューして不良となった
元いじめられっこ・矢沢栄作。
見せ掛けだけは誤魔化せても
ケンカは弱く低身長で
下ぶくれのスケベ丸出しな顔。
そんな矢沢は口先だけの勢いが災いし
最強の不良、相沢と椎名の抗争に
首を突っ込んでしまい・・・
自業自得と不幸なハプニングから
最強2人を同時に敵に回してしまい
死亡確定の大ピンチに!
しかしここで土壇場の強さを見せる矢沢。
口先の作り話と悪運で
窮地を乗り切るばかりか
相沢と椎名を仲間にしてしまう。
この時こそ、後に県下最強のチームを作る
ハッタリだけでのし上がった男・矢沢の、
不良伝説の始まりだった――
カメレオンのネタバレと結末(最終回)は?
周辺にも名を轟かす
相沢・椎名を仲間につけたことで、
最強の一角と誤認される矢沢。
そこで満足しておけばいいものを、
調子に乗る性格のせいで
次々とトラブルを呼んでしまいます。
対する相手はどれもこれも
ケンカが強いばかりか度胸も人並み以上、
百戦錬磨の強者ぞろい。
目先の金や権威に釣られ、
味方にも見放される失態をしでかし
命の危険にさえあう矢沢ですが
そんな状況だからこその
命がけのハッタリは
周囲の心を動かしていきます。
時には矢沢の起こすトラブルが
少年たちの確執に
解決の一助となることも。
少しのすれ違いから
本意ではない憎み合いを続けて
素直になれなかった異母兄弟・・・
不幸な事故で妹が重態となり、
心の落ち着けどころがわからず
歪んでしまった教師・・・
そんな彼らの
水面下に潜んでいたトラブルが
矢沢の軽率さで表に浮上し、
心の片隅に追いやっていた本音を、
矢沢のハッタリによって
自覚させられていくのです。
カメレオンの読んでみた感想・評価
ギャグとシリアスとが
上手い具合に混在していて
飽きることがありません。
脇キャラたちによる
時に重たすぎる悲痛なドラマの横で
常にギャグ全開の矢沢。
緊迫するバトルシーンの間で
オヤジギャグを連発する矢沢が
奇妙な清涼剤になっています。
どんな名作でも
読み続ける内に展開に慣れてしまい
目がすべることがあるものですが、
『カメレオン』だけは
それが一切ないのです!
読み始めのテンションが落ちることなく
いつまでもスルスルと読めてしまい、
気のせいか目も疲れません。
1つ1つはくだらないギャグでも
それがほぼ全ページに渡るとなると
もはや職人芸レベルのすごさで、
よくも次々とネタが浮かぶものだと
言語センスの天才ぶりを感じます。
言語センスと言えば、
ネットでも有名な
「明日の朝刊にのったぞオメー!」
に代表される独特のセリフ回し。
思わず口にしてつぶやいてしまう、
テンポの良い会話もまた
飽きない秘訣なのかもしれません。
さらにギャグ、ヤンキーのジャンルであれば
『今日から俺は!!』
『湘南純愛組!』
は外せない漫画です。
こんな方におすすめな作品!必見
ジャンルとしてはギャグですが、
脇キャラたちが個性的で格好よく
シリアスとしても大満足の作品です。
また、
ストーリーの切れ目が明確で
伏線を乱発しないのも本作の特徴。
どこから読み進めても
それなりに楽しむことができるので
軽いヒマつぶしにも最適です。
たとえば
キャラも増えて話に厚みのできる
中盤以降の話を先に読んでしまって
人間関係を知りたくなって
後から序盤に戻って読む、
なんて読み方も可能なのです。
ギャグマンガということもあってか、
キャラの自己陶酔がほとんどないのも
この作品ならでは。
むしろ
サクセスした自分の妄想に酔った矢沢が
ひどい目にあうのが、お約束の展開。
不良ものにありがちな
独特の美意識に付いていけない方でも
不快感なく読めるはずです。
往年のオタクネタも満載で
いろんな角度から楽しめる
魅力だらけのこの作品。
何を読むか迷っているなら
とりあえずコレ!
と間違いなくオススメできます。