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チェイサーのあらすじ&ネタバレ!最終回(結末)はどうなる?

チェイサー

この記事は約 5 分で読めます。
タイトル チェイサー
原作・漫画 コージィ城倉
出版社 小学館

昭和、高度経済成長期、日本中が
漫画に夢中になっていたあの頃、

漫画に打ち込み、天才の背中を追った
一人の男がいた。

偉大な漫画家を常に意識しつつも、
自らもプロとして実績を上げる男、

海徳の、熱く時に心に染みる
半生の記録です。

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チェイサーのあらすじ紹介

戦記ものの漫画を得意とする
人気作家、海徳。

実力も実績もある作家である彼は、
同年代の天才である手塚 治虫を
強烈に意識する日々を送っていました。

手塚が口伝えでアシスタントに指示を
送って原稿を完成させたという話を聞くと、
彼もまた同じような仕事のやり方を始め、

手塚が熱を入れるアニメの何たるかを
知るためにアニメスタジオに修行に
入ったりするほどのこだわりようです。

もっとも、ただ手塚を追っているだけの
人生というわけでもなく、思いがけない
形で自分の漫画がアニメ化されたり、

雑誌ともども大ヒットしたりと、
波乱万丈ながらも順調な漫画家
生活を送っていきますが、

「心のライバル」である手塚の方は、
順調一本という状況でもありませんでした。

チェイサーのネタバレと今後の展開は?

海徳は、主に少年向け戦記作品を
手がける漫画家として実績があり、

何人もの編集者が原稿を取りに
来るような実力派作家ですが、

実は同年代の天才である手塚 治虫に
並々ならぬライバル意識を抱いており、

著書をがっちり読み込むことはもちろん、
最近では仕事のやり方まで
「手塚流」になってきていました。

数人の編集者を一度に待たせ、一枚ずつ
順番に仕上げていくという方法で、
張り付いていなければならない分、

編集者に無駄な負担が
かかってしまうのですが、何となく
やってしまったりしています。

手塚が仕事場から逃げたという
エピソードをなぞるように自分の家の木に
絡まってみたり、締め切りギリギリの

状態でネームを仕上げるべく、
「口述筆記」を行って作品を仕上げたりと、
手塚の上っ面だけを真似したような手法を

散りばめていくのですが、手塚がアニメを
やるということで修行に入ったスタジオで、

海徳は自分がアニメ畑の人間になれない
ことを痛感するとともに、

どやしつけられている手塚の声を
耳にするのでした。

その後も常に手塚の後を追うように
仕事を続けていく海徳ですが、

一回限りの読み切りのつもりで始めた
自分の仕事が予想外の評判を得るとともに、

かつて業界の寵児だった手塚が
沈んでいくなど、意外な現実にも
直面していくことになります。

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チェイサーの読んでみた感想・評価

古い作家や漫画家の伝記などが好きで
良く読む私としては、本作はまさしく
打って付けでした。

天才や偉人は長きにわたって
注目され続けていくものですが、

現実問題からすれば、歴史に残らなかった
作家たちの方がはるかに多いわけ
ですから、語られてこなかった彼らの

半生記の方がずっと身近なものでも
あるはずです。

本作に登場する漫画家、海徳氏は、
戦記ものを中心に人気を博している

実力派作家ではあるものの、自分よりも
はるかに先を行く大天才、手塚 治虫を

過剰に意識するところがあり、
「手塚伝説」にのっとって無理矢理な

作品作りをしてみたり、無茶なリテイクを
出してしまったりするほど振り回されて
しまっています。

しかも手塚との接点はなく、自分の
経歴の方にむしろ「フカシ」の部分が
あったりと、有力作家ながら、

颯爽というよりは滑稽な点すら目立つ
人物なのですが、だからこそ愛おしい
部分が多くありますね。

海徳氏の仕事への熱い思い、かつて
軍隊生活を一緒に過ごした列土氏の

一歩引いた形の配慮、物静かに家庭を
盛り立てる奥様の器量などなど、

時代背景的な部分もあって
ややクラシカルな面はあるものの
全般的に人情に溢れた人間模様が

何とも温かく、現代とはまたちょっと違う
漫画家サバイバルの妙味を
堪能できるかも知れません。

チェイサーはこんな方におすすめな作品!必見

どんなジャンルであっても、
自分よりも巨大な存在はいるものです。

たとえプロになったとしても、いや、
プロだからこそ、はるか先を行く巨人の
偉大さは分かるというものですが、

なかなかこの「追う者」の漫画家を
テーマにした漫画というのは
多くありませんでした。

自分が頑張って成り上がってやる
というのならともかく、相手が
「上」だという前提を持ってしまうと、

今までのように自信を持って作品作りを
続けるのが難しくなってしまうものですし、
特に漫画の場合はデビューした瞬間に

師匠と弟子がライバルにもなるという
世界であり、「下」と思うこと自体が
仕事にマイナスに
なってしまうのかも知れません。

本作の主人公である漫画家、海徳も、
戦記ものを中心に何本もの原稿を

抱える売れっ子であり、業界に確固とした
ポジションを築いている人間ですが、

にも関わらず手塚 治虫という巨人に
対して、恐ろしいほどの一方通行型
コンプレックスを抱いています。

そしてその意識が邪魔をして、本業に
悪影響が出ることもしばしばですが、
手塚の方を向くことを止められないのです。

売れ行きがどうあっても、もちろん売れるに
越したことはないが、結果を問わず原稿に

全力投球していくという漫画家の規範から
すれば、かなりズレている部分があり、

恐らくプロの漫画家としては見せたくない
顔なのでしょうが、一方ではこれもまた
人のサガであり、だからこそ

「雑味」が豊富で異様なテンションを
誇る作品に仕上がっている感じがします。

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