タイトル | フリンジマン |
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原作・漫画 | 青木U平 |
出版社 | 講談社 |
奥さん以外の女性と不倫がしたい!
愛人を作りたい!
そんな誠実でない思いを満たすため
「愛人同盟」がスタートした!
仕事はできないが不倫なら超一流の
「愛人教授」の強烈サポートは、
非モテたちをどこに誘うのか?
思い切りおバカで笑える、
実写ドラマ化もされている、
良作インモラル・コメディーです。
フリンジマンのあらすじ紹介
雀荘で友達と麻雀を打ちながら、
愛人の作り方を話し合おうと
とんでもないことを切り出した田斉。
しかし非モテオーラが漂う四人には
しっくりとした答えは出せません。
そこで招いておいたのが、
愛人作りのベテラン、井伏 真澄。
同時に五人の愛人を作り、
「愛人教授」とまで呼ばれる彼は、
あらゆる側面から非モテたちの
様々な誤解をただし、
行為への覚悟を問い、
「愛人同盟」の結成を
高らかに宣言します。
そして、日常に戻った田斉の前に、
「愛人の原石」を思わせる
スタイル抜群の女性が現れ……
フリンジマンのネタバレと今後の展開は?
これからやる事の重さに耐えかね、
不倫を諦めかけた田斉ですが、
教授の不倫をウニにたとえた説得により、
再びやる気を出すことに。
そんな中、飲み屋での送別会で、
田斉は山口さんと二人きりになります。
ここはチャンスとばかりに田斉は
「鑑定団」の話をするなど、
かなりズレた熱意を披露。
しかし気さくな山口さんの申し出で、
二人は一緒にタクシーで帰宅します。
密室空間で意中の女性と二人という
田斉の「緊急事態」に対し、
教授は諜報室兼愛人部屋から、
メンバーが見守る中、冷静に熱く
指示を飛ばしていきます。
また山口さんも饒舌になっており、
労せずリサーチができました。
その次は彼女の家の情報を、となり
田斉はつい不自然な質問をしましたが
ここでも山口さんのノリの良さに
思い切り助けられます。
しかし彼女の恋人でもない田斉には
一緒に下車する理由は皆無。
故にメンバーたちは諦めかけますが、
そこで教授の秘策が炸裂し、
二人は一緒に降りることになりました。
フリンジマンの読んでみた感想・評価
主人公が良い意味でヒドい。
他の不倫モノだったら、必死で葛藤し、
あるいは悩み抜いて不倫に踏み切る
そんな段階があるわけですが、
彼らにはそんな葛藤はゼロ、
しかも後ろめたさもゼロです。
しかし、サイテーと思うよりも、
まるで男子高校生のようなノリに
爆笑してしまうのですから不思議です。
いい奥さんが居るのに
不倫を堂々と目指す彼らを、
ロクに仕事もしない「教授」が
万事極端な方法で全面支援する、
そんなあさっての方向の頑張りですが、
ただ、雀荘で不倫しまくりたいと
自らの思いを出し切ってしまう人に、
そんなデキる匂いがないのも事実。
本気になりがちなテーマですが
良い意味で笑いあり涙なしで
読み進めることができました。
ほとんどのメンバーが妻帯者なのに
家庭的な「深み」があまり見られず、
そのことが逆に家での立場のなさを
暗示しているような感じなのも
個人的に高評価です。
テーマとは裏腹に強烈な勢いがあり
「教授」の奇想天外なほどの
プランに屈託なく笑えます。
フリンジマンはこんな方におすすめな作品!必見
女性にモテたい、それも気軽に関係したい、
奥さん以外の女性とイイ感じになりたい!
そうした願望が「男の夢」であるからか、
不倫をテーマにした作品は多いですね。
ただ、どうしても不倫が主題となると、
自分の奥さんや相手の家庭等々、
身近な人がかなり不幸になるため、
恋愛のドキドキ感と同じぐらい
後味が悪くなってしまいがちです。
しかし本作は、不倫の成就より、
「教授」のメチャクチャさや、
メンバーの男子校的ノリが主で、
読んでいて罪悪感があるレベルに
なかなか達しないような調整が
非常にイイ感じです。
実際に事に及んだらヤバくても
雀荘や飲み屋のバカ話なら
笑い話で片付いてしまうわけで、
メンバーの非モテ感がむしろ、
爽やかな印象をもたらしている
珍しいケースだとも言えます。
むしろ素性も知らない女性より、
休日ともなれば皆で盛り上がり、
他愛ない話ができる友人と、
任務のために週三回早退し、
あるいは休日一緒でなくても
OKな寛容な奥様がいる方が
何だかずっといいよねと
思えてしまえるような部分が
見えてくるのも興味深いです。