タイトル | プリマックス |
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原作・漫画 | 柴田ヨクサル 蒼木雅彦 |
出版社 | 集英社 |
平凡な男子高校生の夢は、
「カワイイ女の子」!?
幸運から一億円を手にしたモン太が
親友とともに「カワイイの星」を目指す。
過酷な練習、強力なライバル、
超えなければならない様々なハードル。
試練の果てにモン太たちが
経験するステージの熱気とは……?
異色かつ超ハイパワーの一作です。
プリマックスのあらすじ紹介
親友のツバメと武雄に、
百万円なら頼みを聞くと
言質を取ったモン太は、
山中でツチノコを発見、捕獲し、
見事一億円をゲットすることに成功、
ツバメたちに百万円を渡して、
踊りの練習を一緒にすることに
了承してもらいます。
部活とレッスンで非常に苦しい
ハードな状態に陥っていた
ツバメたちは、女装したモン太に会い、
文化祭のステージに上るのは、
女装してカワイイ感じでという
事実を知ります。
最初は拒否する二人ですが、
躍り込んでいくうちに
段々気持ちがバッチリ入っていき、
文化祭の後も一緒にやろうと
三人の気持ちはまとまるのでした。
プリマックスのネタバレと今後の展開は?
友の頼みとあれば
首を縦に頷けてくれるような
仲間を欲しがるモン太。
しかし当然現実は漫画のようにはいかず
断られてしまいますが、
百万くれるなら何でもやる、
との言質を親友のツバメと武雄から
取ることに成功しました。
そこでモン太は茨城県の山中で、
ツチノコ探しに出て、
数日感の探索の末に、
俊敏なツチノコの捕獲に成功します。
ツチノコ捕獲によって一億円を
ゲットしたモン太は、
二人に百万円を渡して、
文化祭での「踊り」の
練習を始めることにします。
レスリングや柔道という
ハードな部活の後の練習で、
疲れ切る二人ですが、
そんな彼らの前に凄い美少女が
現れます。
「彼女」の正体は実はモン太で、
しかも遊びではありません。
モン太の言う文化祭での踊りとは、
三人で本気の女装をして、
究極にカワイイ感じで踊るというもの。
もちろんツバメたちの拒否反応は
強烈なものがありましたが、
用意された女子制服の下には、
さらに百万円ものお金が
入っていました。
もう百万円を親に渡した武雄にも
選択肢はなく、三人は強烈な
レッスンに励んでいくことに。
限界を超えた練習を続ける中、
ツバメたちは想像をはるかに上回る
「カワイイの星」の存在を自認し、
極限まで突き進んでいくことになります。
そして迎えた文化祭当日、
彼らはすでに完璧に
カワイイを掴みつつありました。
プリマックスの読んでみた感想・評価
導入から展開される強烈な物語に、
良い意味で押し切られてしまいました。
まず冒頭から、絶対に拒否される提案を
「金の力」で瞬時かつ完璧に解決、
しかもそのお金は「ツチノコ」からという、
規格外の勢いで話がどんどんと
進んでいくことになりますが、
それを裏付ける「思いの強さ」も
きちんと描かれたいたりするので、
不思議と共感でき、すっと物語に
入っていくことができました。
また、「カワイイは作れる」という
一見破天荒な主張にしても、
「女形」などを見ればできることも
また明らかであり、
今風のアイドルという形で表現される
意外なほどの愛らしさが、
性別不問の可愛らしさを
表現していっています。
そして、単なるカワイイではなく、
学校に通いながら女装を通すリスク、
周りからの衝突などの問題も、
素通りせずに描きつつも、
いかにも「ヨクサル的」な方法で
解決していく痛快さや、
「基準」が分かりにくい世界だけに
妙なインフレ化の発生が少なく
納得度が高い部分など、
とても面白く読み進めることが
できましたね。
プリマックスはこんな方におすすめな作品!必見
脚本家や小説家、ライター等々、様々な
職業の方が行うことがある漫画原作ですが、
漫画家の方が手がけることも多いですね。
しかし、実際に一人の判断で描いてく
漫画執筆と原作制作は、
かなり勝手が違う部分があり、
自分の作風の良さを「削いで」しまう
ような状況にもしばしば陥りがちで、
特に初体験の場合はそのリスクが高いです。
しかし本作「プリマックス」は、
完全に「ヨクサル節」全開の世界観で、
冒頭から超ハイテンションかつ
超パワフルな展開が
叩き込まれていきます。
そして原作に専念したことにより
「腕力」が強烈なヨクサル先生の絵より
さらに「説得力」が増した「カワイイ」が
バシバシと展開されていくことになります。
のっけからツチノコ発見、文化祭で
友達同士で女装ダンスと、強烈な展開が
続いていきますが、その破天荒感と、
一方で「女形」に見られるように、
いかつい男性であっても、女性の
美しさや可愛さは作れる事実が、
絶妙のバランスで混ざり合った本作は、
他にはない読後感や漫画ならではの
表現力を欲している方には、
かなりベターな感じの一作ですね。
キャラとストーリーの真っ直ぐぶりや
展開のパワーもなかなか凄く、
ぱっと見かなり変化球な作品なのに、
「言い訳」がないのもいいですね。