タイトル | ラーメン狩り |
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原作・漫画 | 鬼窪浩久 |
出版社 | 実業之日本社 |
まずいラーメンを
決して許すことができない
謎の男、黒沼 凌が、
人気におごった
有名店「麺大将」を
叩き潰すために立ち上がる。
その技術とは、
店潰しのための奇策とは……?
どこかダークな香りがする、
新感覚のラーメン・ハードボイルド
漫画の登場です。
ラーメン狩りのあらすじ紹介
週刊誌記者をしている佐倉 美奈子は
以前食べた「麺大将」の味が忘れられず、
いずれまた食べたいと思っていました。
しかし、念願叶って「再会」した
麺大将のラーメンは、
以前と同じとは思えませんでしたが、
そのことを指摘すると
店主からは帰れと言われ、
客からも大ブーイングを
受けるハメになります。
しかし、その時彼女のすぐ近くにいた、
まずいラーメンを食べると
左目から涙を流す謎の男、
黒沼 凌が立ち上がり、
ラーメンの不出来に対して激怒、
店を潰さないと気が済まないと
言い放つのでした。
ラーメン狩りのネタバレと今後の展開は?
まずいラーメンを食べると
左目から涙を流す男、黒沼 凌。
彼は絶大な人気を誇るラーメン店
「麺大将」のラーメンを食べ、
「店を叩き潰さないとおさまらん」と
いうほどに怒りまくります。
インチキをされたわけでもなく
ボッタクられたわけでもないのに
強烈にキれまくる
その過激な思想はともかく、
ラーメンにかける確かな姿勢は、
実日サンデー記者 佐倉 美奈子が
同調するものでもありました。
では、どうやって
人気店である麺大将を潰すか、
となった時、謎の男黒沼が
切り札として持ち出したのは、
美奈子の「舌」でした。
素晴らしかった頃の
麺大将のラーメンを味わい、
微妙な違いを鋭敏に感じ取れる
美奈子の能力に賭けたのでした。
事実、美奈子には才能があり、
苦慮しながらも
「本物の麺大将ラーメン」の再現に成功、
黒沼たちは現実の麺大将に
直付けする形で営業を開始します。
この暴挙とも言えるやり方に、
なまっていた麺大将側はあえなく敗北、
店主も自らの舌によって失敗を思い知り、
再起不能と思われるほどの
衝撃を受けるのでした。
ラーメン狩りの読んでみた感想・評価
今まで様々なラーメンを食べ、
また色々なラーメン漫画を
読んできましたが、
本作の雰囲気はそのどれとも
違うものがありました。
どこかハードボイルドな
雰囲気を持ちながらも、
権力とは無縁で安易な暴力にも走らない
主人公サイドのキャラ立ては
ありそうでない感じで、
どちらかというと
テンプレに近い敵キャラと
うまく絡んでいるように感じました。
全一巻という短い分量で、
しかも最初の敵を倒すまでに
数話を要しているという構成上、
どうしても作中に登場する
ラーメンの種類は少ないものに
なっていくわけですが、
その分、登場したラーメンは
正統的で本当においしそうだなと
感じることができました。
また、ややダークな入りから
王道的な展開を見せ、
どうなるかと思ったところで
意外なラストが用意されていて、
短いながらも物語は
非常に充実しているのも
嬉しいところでした。
個人的にはもう少し彼らの活躍を
見てみたい気分でしたが、
男性キャラにはいい意味での
うさん臭さがあり、
女の子は可愛らしくと
ビジュアル的にも優れていたので
読み手としては大満足です。
ラーメン狩りはこんな方におすすめな作品!必見
様々な料理が登場する
グルメ漫画の中でも、
特に隆盛を極めているのが
ラーメン漫画です。
創意工夫が入る余地が多く、
味や食感にも見た目からして差が、
つまりは漫画的な説得力を
持たせやすいという点が
大きいのかも知れません。
優れたラーメン漫画は多いのですが、
その一方でさすがにマンネリというか
ストーリーに
差をつけづらくなっていることも
また事実です。
しかし本作は、最初に
「ラーメン狩り」を堂々と行って
パターン破りを行い、
山場では真においしそうなラーメンを作って
読者を楽しませるという
モード・チェンジを行い、
意外なラストまで用意しているので、
多くのラーメン漫画に触れてきた読者をも
飽きさせることがありません。
意外性があり、
しかもスピーディに読める作品が
読みたいという方や、
今までとは違うラーメン漫画を
読みたいという方には
強くおススメできます。
また、意外と女の子が色っぽかったりと、
グルメ漫画とはちょっと違った
楽しみを求めている方にも
十分イケる内容になっています。