[PR]Yahooプレミアム会員が最大6ヶ月無料+毎週(金曜)20%ポイント還元中!【ebookjapan】

人間交差点のネタバレとあらすじ!アニメの原作を読むならココ!

人間交差点

この記事は約 5 分で読めます。
タイトル 人間交差点
原作・漫画 矢島正雄 弘兼憲史
出版社 小学館

様々な人間が織りなしていく、
時にほろ苦く時に温かい、
交流と人生の記憶。

時に意外な、時に恐ろしいほどの
顔を見せていく多くの人々。

皆に重い過去と思い出がある、
それを改めて教えてくれる、

アニメや映画にもなった、
名作ヒューマンドラマです。

サイト内で【人間交差点】を検索!

人間交差点のあらすじ紹介

同棲している男性を殺害し、
懲役八年の刑に服した女性、
松沢 良子。

彼女は単なる服役囚ではなく、
殺害した男性の子を妊娠し、
獄中出産をした女性でした。

しかし、命を奪うまで憎んだ
男性の子を必死で産んだ彼女は
子供への愛情を持っておらず、

むしろ復讐の道具として
ひどい扱いを続けていました。

そのことを見かねた医師たちは、
母子を引き離し、良子は、
普通の服役囚に戻ります。

時が経ち、出所間近の良子は、
久しぶりに医師と再会し、
子供の無事を聞かされます。

もう会いたいとは思わない、
そう言い切る良子ですが……
(「ガラスの靴ははかない)」

人間交差点のネタバレと今後の展開は?

妻の出産が迫るからと、
一週間の休職を申し出た
やり手社員、谷村。

彼には暗い過去がありました。
それは、父親を捨てたということ。

彼は自分勝手に借金を作る父を
家に入れず絶縁を宣言したのでした。

父は彼の前から姿を消し、
そして十年前に亡くなりました。

谷村はそのことを知っていましたが
なかなか決心がつかず足を運べず、

子供が生まれるのを機に
ようやく行ってみたのでした。

しかし、その町を訪れた谷村は、
父の遺影がある家を見つけ
やはり不誠実な父だと怒ります。

しかし、その家の若い女性から、
谷村は、

「おじさんは母に殺された」と

衝撃の告白をされます。

家を出て町に流れ着き、旅館の
風呂焚きとして仕事をしていた
谷村の父は、

旅館の芸者富子が体調を崩してから
親身に面倒を見続けました。

富子が健康を回復し、
仕事に復帰してからも
関係は相変わらずでしたが、

富子の家で、富子が酔客と
一緒に帰宅した所で鉢合わせになり、
富子の軽口から包丁を向けられます。

そこでさらにアクシデントが重なり、
谷村の父は親しい人の包丁で
刺されることになってしまいます。

しかし谷村は子供をかばい、
自殺という形で死んでいくことに。
当然富子たちは罪には問われません。

自分の身を捨て、最期であっても、
皆をかばい続けた男、
それが谷村の父だったのです。

真相を知った谷村は、
父に対する評価を改めるのでした。
(「海のある風景」)。

サイト内で【人間交差点】を検索!

人間交差点の読んでみた感想・評価

じんわりと重い読後感を残す作品ですね。
ヒーローや極悪人は基本的には出てこない
地に足についた設定であり内面的な話ですが

一方で各話の主人公たちは、善悪正邪様々の
他人にはうかがい得ない情熱、情念を持ち
生きているのだという共通点があります。

また現実に生きる私たちにも、
有名無名に関わらず人に言えない
色々な感情があります。

だからこそ性格も結末もバラバラな
本作の主人公たちに一貫して
何らかの感情を抱いてしまうのでしょう。

ドラマティックという言葉があり、
ドラマには劇的な展開がつきものです。
しかし本作では何が起ころうと

主人公たちに流れている時間や世界は
常に「現実」であり続け、

だからこそ読み手も「楽」ではない。

その真剣さがテンションの高さを生み、
作品全体のエネルギーになっていると
私は感じました。

また、基本的な物語構成から描写まで
非常に手厚く、悪い意味での緩みも
一切見えません。

同じ日常系とは言っても、昨今の
ほのぼのとしたやり取りが主でなく
むしろ重苦しい展開が多くに及ぶ、

そうした「負担」がある作品なのに
何故深く感動しつつ読んでいけたのか、

その答えはすぐに見つけられませんが、
作品と作中の人物たちに見られる、

徹底的な真面目さが、
その理由の一つかも知れません。

人間交差点はこんな方におすすめな作品!必見

「黄昏流星群」で、熟年世代の恋や情熱を
描ききった弘兼氏ですが、

その前に描かれた本作では、より深く暗い
情念が渦巻く「人間」に踏み込んでいます。

愛憎の末、同棲した男性を殺害し、
その男性との子を半ば復讐するために
獄中で出産した女性……、

自分の身をもかえりみず、入所者の
矯正に情熱を燃やす少年院の教官、

あるいは、こだわりが強すぎるため、
ついには最愛の女性を殺めてしまった
それほどの業を抱く芸術家まで、

善悪は様々ですが、強烈なほどの個性と
こだわりを抱く「普通の人たち」の姿が
ありありと描かれているその雰囲気は、

昨今の日常ものの作品や
多くのホーム・ドラマとは
似て非なる存在感を秘めています。

皆が善人というわけではなく、
だからこそその懸命さは
しっかりと胸に残っていくんですね。

「黄昏流星群」のずっと前に
これだけの作品を描いた弘兼氏の
描写力と、

まだ若者と呼べる年齢でありながら
人間の深淵をえぐる原作を仕上げた
矢島氏の構成力の素晴らしさは

まさに新たな才能の登場とも
言えるような出来事で、
後々に映画やアニメにと

数多くのメディアミックスも
頷けるだけの出来栄えです。

古さを感じない完成度ですが、
当時の時代背景を感じる部分もあり、
現代との対比も楽しめる作品ですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA