タイトル | 仮面ライダー |
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原作・漫画 | 石森章太郎 |
出版社 | 講談社 |
1971年の特撮番組「仮面ライダー」の
放送に先んじて、
雑誌で連載された漫画版です。
原作版と呼ばれていますが、
実際は企画が同じなだけで、
テレビ版とは設定やストーリーは
異なります。
テレビ版とは違う漫画版ならではの
本郷猛物語を味わえる作品です。
仮面ライダーのあらすじ紹介
本郷猛はある日、悪の組織ショッカーに
誘拐され、改造手術を
施されてしまいました。
改造人間になった本郷は脳を改造される
寸前、緑川博士の手によって助け出され、
逃げ出すことに成功します。
改造手術の後遺症で、醜い手術跡が
顔に表れるようになった本郷は
仮面で顔を隠すようになります。
本郷家の跡取りとしての権力を使い、
本郷は研究所を立てました。
その研究所の力を借り、本郷は
仮面ライダーとして悪の組織
ショッカーと戦っていきます。
仮面ライダーのネタバレと今後の展開は?
仮面ライダーとしてショッカーと
戦うようになった本郷の前に、
ある一人の男が現れます。
男の名前は一文字隼人、
新聞記者と自称していますが、
その正体は本郷を抹殺するために
送り込まれたショッカーの一員です。
悪の組織ショッカーは本郷を殺すため、
仮面ライダーと似た
ショッカーライダーを送り込みます。
ショッカーライダーは全部で十二人いて、
その中の一人が一文字隼人です。
本郷は敵の正体に気づきますが、
十二人のショッカーライダーの連携に
次第に追い込まれ始めます。
ショッカーライダーの隙を与えない
怒涛の一斉射撃の前に、ついに
本郷猛は破れ命を落としました。
このとき一斉射撃の流れ弾が
一文字の頭部に命中しました。
銃弾の衝撃で洗脳が溶けた一文字は、
ショッカーライダーたちと戦い、
一人残らず倒すことに成功します。
その後、一文字は本郷の代わりに
戦うことを決意しました。
一文字は本郷に代わる二番目の
仮面ライダーとして、
ショッカーと戦っていくことになります。
仮面ライダーの読んでみた感想・評価
改造人間にされてしまった苦悩が
これでもかと描かれているのが面白いです。
人ではなくなったがゆえの悩みや
苦しみは心打たれるもので、こうした
葛藤が本作の魅力の一つだと思います。
仮面をかぶっているのも改造手術の痕を
人に見られたくないからで、
まさに人知れず戦う孤高のヒーローです。
といっても仮面ライダーにつきものの
協力者はいます。
テレビ版と異なり、立花のおやっさんは
本郷家の執事という設定です。
立花のサポートなくして
本作は語れません。
執事キャラが良い味を出していて、
立花は頼りになる味方です。
研究所の人たちも戦いに必要な
サポートアイテムを開発しており、
孤高ではあっても孤独ではありません。
そんな本作ですが、悪の組織ショッカーも
テレビ版の設定と異なる部分があります。
優れた人間に改造手術を施し、
ショッカーが支配する世界を作ろうと
目論むなど、ただの悪の組織だけでは
語れない奥深さや背景を持っています。
こうした設定の深みとドラマ性が
最大の魅力だと思います。
仮面ライダーはこんな方におすすめな作品!必見
やはり仮面ライダー好きに
オススメの漫画です。
特に特撮の「仮面ライダー」しか
知らない人には読んでほしい代物です。
テレビ版とは違う独自展開を貫いてるため、
その差を比較しながら読むのも
楽しいでしょう。
改造人間ならではの悩みや苦しみ、
葛藤などは深いドラマを読みたい人には
堪らない要素だと言えるでしょう。
心理描写の動きが巧みで、
ストーリー性も抜群です。
作品としては短い話数ですが、
内容そのものは非常に濃いです。
昭和の仮面ライダー特有の改造人間や
悪の組織要素が好きな人なら、
読んで損はない作品です。
昔の作品とはいえ、現代の作品に勝るとも
劣らない魅力をたくさん持っています。
本作が楽しめる人は著者の別作品
「キカイダー」にもハマると思います。
こちらは改造人間ではなく、
人間型のロボットですが、
人ではないものという
心の悩みや苦しみ、
葛藤が描かれる点は同じです。
逆に「キカイダー」が好きな人なら、
本作も十分に楽しめるはずです。