タイトル | 夏の魔術 |
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原作・漫画 | 田中芳樹 ふくやまけいこ |
出版社 | 講談社 |
アルバイトして貯めたお金で
夏休みふらっと列車に乗って
旅に出る事にした大学生の耕平は
列車を待つ駅で不思議な女の子、
来夢と出会います。
やっと来た列車に乗った二人ですが、
そこで不思議な世界に
巻き込まれてしまいます。
夏の魔術のあらすじ紹介
色々な悩みを抱え、
何かを見つけるために
一人で列車に乗り旅に出る事にした
主人公、能戸耕平は列車を待つ駅で
ボーイッシュな小学生の来夢と出会います。
さらに日本怪奇幻想文学館の理事長
兼館長である北本が加わり、
出発まで3人で楽しく会話をします。
やっとやってきた列車はなんとSLで、
耕平を始め待っていた人は皆驚きます。
最初は嫌な感じがすると乗るのを
躊躇っていた来夢ですが、
耕平の説得で乗る事を決意します。
ですが、そこから様々な困難が
耕平や来夢達に襲いかかります。
夏の魔術のネタバレと今後の展開は?
SLに乗った耕平や来夢達は途中、
不思議な彫像を見つけます。
そこから現実と幻想が入り混じったような
空間に登場人物達は迷い込んでしまいます。
そのSLは途中で停まり、
降りるしかなくなった耕平や来夢、
他の登場人物達を待っていたのは
大きな猫のような怪物でした。
何とか撃退した後、大きな館を見つけた
登場人物達はそこで
泊めてもらう事になります。
とりあえず一旦落ち着いた後、耕平は
来夢が不思議な手紙を受け取り、
母親の事を知りたければ
手紙に書いてある日に駅に来るように
指定された事を知ります。
そして来夢はこの不思議な現象は
自分のせいだと感じ、自分が皆から
離れたらそれが収まると思い、
耕平と一緒に館を出ます。
途中まで順調に帰っていた二人でしたが、
やはり猫のような獣に襲われてしまい、
来夢は怪我をしてしまいます。
さらにいくら館の遠くまで行った
つもりでも館はずっと見えたままです。
全ての謎を解くしか現実に戻る
方法はないと決意した二人は
館に戻ります。
そこで、二人はこの現象の
真相を知る事になります。
夏の魔術の読んでみた感想・評価
田中芳樹先生の名作が
ふくやまけいこ先生の絵で
漫画化するのを知り、
私は大喜びで単行本を買いました。
ふくやまけいこ先生の可愛い絵柄と
幻想的で怖い雰囲気が
完璧にマッチしていて
最高に面白かったです。
メインである耕平や来夢、北本以外の
登場人物達は屈折した部分があります。
一人は研究会費を取られた責任を負わされ、
一人は恋人が望むようにしたのに
ひとりぼっちになってしまいます。
一人は人材開発センターの責任者で
常に横暴な態度を取り、
耕平や来夢に不快感を与えます。
一人はその責任者に親しく
付き添いますが、実はそれにはとある
事情がある等事情は色々です。
そして色々な事情があったからこそ
登場人物達は恐らく不思議な現象に
選ばれてしまったのだと思います。
偉そうな態度や復讐心、自分の望む
結果が得られなかった等
主人公である耕平達よりも
他の歪んだ登場人物達に
私は感情移入するところがありました。
そしてその歪んだ気持ちに負けずに、
耕平や来夢のように
前を向いていかないと
いけないと強く思いました。
夏の魔術はこんな方におすすめな作品!必見
田中芳樹先生が考えた幻想的で
不思議な世界観とふくやまけいこ先生の
優しい絵柄が見事にマッチした傑作です。
老若男女問わず面白く読める
漫画だと思います。
ホラーかつグロテスクな部分もあるので、
そうした漫画を読みたい人にも
オススメです。
ふくやまけいこ先生の優しい絵柄が
怖さを上手く中和しているので
怖いのが苦手な人も
面白く読めると思います。
私自身怖いものは苦手ですが、
それでも楽しく最後まで読めました。
タイトル通り、夏が舞台の漫画です。
夏に面白い漫画を読みたい時に
ピッタリです。
それほど長くないので半日あれば
読む事ができますし、夏のどこか
ノスタルジーな部分も味わえます。
夏の魔術が面白かったなら、
同じく田中芳樹先生原作、
ふくやまけいこ先生作画の
アップフェルラント物語を
オススメします。
こちらはヨーロッパが
舞台の冒険活劇です。
スリで生活している少年、ヴェルが
囚われていた女の子フリーダを
助けるところから物語は始まります。
飛行機や列車等物語が出てくる
スケールの大きさも魅力です。