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夕凪の街桜の国のネタバレと実際に読んでみた感想!すごく結末が気になる!

夕凪の街桜の国

この記事は約 5 分で読めます。
タイトル 夕凪の街桜の国
原作・漫画 こうの史代
出版社 双葉社

昭和三十年の広島。

焼け野原から復活し、若者が、
野球やプロレスの話題に興じる、
平和な街の日常があった。

しかし昭和二十年八月六日、
「あの日」を経験した皆実は、
そのことでずっと苦悩していて……。

原爆とその後遺症、そして、
レッテル貼りといった過酷な、
大量破壊兵器の現実を描きつつ、

日常を「普通」に強く、
そして真っ直ぐに過ごす、
人々をも魅力的に描き出した、

人の内心にまで迫る傑作です。

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夕凪の街桜の国のあらすじ紹介

昭和二十年八月六日。

たった一発で広島の街を、
地獄絵図のようにしてしまった、
原子爆弾。

しかしその恐ろしさと因縁は、
終戦では途切れることはなく、
以後数十年にわたって、人々を、

苦しめ抜いていくことになります。

原爆症のために家族を失い、
また十年の時を経て、
未だに恐怖する女性もいれば、

数十年が経ってもなお、
偏見の目を突きつけられる
若者もいたのです。

しかし日常を逞しく生きる人々は、
時間とともにその恐ろしさを、
少しずつ乗り越えていくのでした。

夕凪の街桜の国のネタバレと今後の展開は?

昭和三十年、広島の街で暮らす、
平野皆実。

職場で仲間たちと語らい、
倹約のために竹の皮を集めて、
草履にして履くような、

手際が良く頑張りやな女性でした。

そんなある日皆美が、
雨漏りする家の屋根を直していると、
同僚の青年打越がやってきます。

会社を休んだから来てみたが、
寝ていなくていいのかと聞く彼に、
皆実は母を病院に連れていったからと、

事情を話し、話題は色々な方向へと
伸びていくことになりました。

しかし、いいお嫁さんになると、
打越が言ったことに激しく怒り、
皆実は彼を追い返してしまいます。

そんな彼女の肉体には、
「あの日」、八月六日の原爆の、
傷跡が残されていましたが、

当時の悲惨な体験は、
十年が経った今でも皆実を、
苛んでいたのでした。

その後も親しげに会話するうちに、
良い雰囲気になったところで、
皆実は打越に抱き寄せられますが、

皆実はその手を嫌悪感ではなく、
もっと深い経験と記憶から
拒まざるを得なかったのでした。

(「夕凪の街」より)

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夕凪の街桜の国の読んでみた感想・評価

本当に静かで穏やかで、
でもだからこそ戦争の悪質と、
悲惨がヒシヒシと伝わってくる、

さり気なさの中にも、
強い思いが感じられる名作でした。

本作の素晴らしさは、まず、
そのテーマ性にあると言えます。

戦争は、そして原爆は、
悪だという点から目を逸らさず、
しかしその一方で直接的には、

「悲惨だ」とは声高に叫ばず、
まるで読み手からの感情を
聞こうとしているように感じました。

いわゆる原爆症の恐ろしさはもちろん、
仮に病気を免れたとしても、
常につきまとう偏見の目や、

時には自分が経験した悲惨さから、
人を突き放す悲しさなど、「あの日」が、

人々にもたらした影響は強烈かつ多様で、
決して風化させてはならないんだなと、
読んでいて改めて思いました。

しかし、描かれている人たちは、
決して悲惨なだけの存在ではなく、
恋や瑞々しい心の触れ合いを通じて、

どんな形であれ輝いていくその姿には、
紛れもない強さをも感じられました。

また、ドラマティックな事柄ではなく、
日々の暮らしを歩んでいく中にこそ、

そうした「強さ」は根付くのだなと、
改めて認識できた感もありました。

夕凪の街桜の国はこんな方におすすめな作品!必見

あの悲惨な太平洋戦争を描いた作品は、
今も昔も多いですが、とりわけ、恐るべき
被害が相次いだ戦争だっただけに、

その辛さをリアルに描こうとすると、
どうしても生々しい戦場が主軸となり、
「後」の辛さまでは描きにくくなります。

しかし、シベリア抑留などもそうですが、
戦争が生んだ悲惨は「戦後」もずっと、
人を苛み苦しめていくのです。

この一冊は、昭和三十年の広島の、
普通の男女が主人公である話から
スタートしていきます。

戦争の惨禍から復活し、
野球やプロレスの話題で盛り上がり、
あるいは恋に胸を躍らせる男女。

しかし彼らは皆、あの「八月六日」の
出来事の痛手を受けており、
それは思いもよらぬ変調や心の傷を、

容赦なく人々に強いていくのでした。

戦争中のシーンがほとんど
描かれていないのに、ヒシヒシと、
紙面から伝わってくる恐ろしさと、

それに屈しない人の強さの描写は、
現代の若者にこそオススメしたい、
素晴らしいものになっています。

また、男女の距離感から情景、
そして言葉遣いに至るまで、
人の息遣いを感じさせる緻密さは、

本作に描かれた、時代も違う
短編作品それぞれを、青春を、
瑞々しく描いた名作にしています。

見た目上の派手さは一切なく、
その代わりに胸に染みる本作は、
「文学的」とさえ言えるでしょう。

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