タイトル | 夕方までに帰るよ |
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原作・漫画 | 宮崎夏次系 |
出版社 | 講談社 |
怪しいカルト教団にハマり
洗脳されてしまった両親。
古いアパートの一室で
引きこもり続ける姉。
そんな家族に対して
何もできない柊一…。
家庭崩壊寸前の彼らに
”救い”はあるのか?
どこかノスタルジックで
おかしな世界を舞台に描く
偽りの幸せと絶望の物語!
夕方までに帰るよのあらすじ紹介
主人公・柊一は受験生。
本来なら大事な時期だが
彼の家は家庭崩壊寸前で
それどころではない。
畑を作ることを理由に
家を半壊した父と母。
柊一が子供の頃は
喧嘩してばかりで
仲良くなかった。
ところが数年前…。
ソントク・ナインという
胡散臭いクラブにハマり
二人は”別人”に変わる。
嘘のように仲良くなり
笑うことが増えたのだ。
実はソントク・ナインは
”金を騙し取るだけ”の
悪徳カルト教団である。
柊一は気づいているが
これでいいと思った…。
騙されていてもなんでも
これだけで充分なんだとーー
夕方までに帰るよのネタバレと今後の展開は?
柊一の家庭は崩壊寸前でした。
洗脳された両親のせいで
自分の部屋を失った彼は
台所で寝ることになります。
それを知った学校の先生は
心配で声をかけますが…
柊一はそっけなく
返事するだけでした。
ある日先生の勧めで
姉のアパートを訪ねます。
実は柊一の姉は
実家から引っ越して以来
連絡が途絶えていました。
古いアパートに着き
呼び鈴を鳴らしますが
姉の返事はありません。
ドアノブに手をかけると
なぜか鍵が開いていたので
部屋に入ってみることに。
そこで目撃したのは
殺風景な部屋に置かれた
大量のダンボールの山…。
散らばっているのではなく
一箇所に集められており
まるで要塞のようです。
柊一は驚いた後
何も見なかったかのように
部屋を去ろうとしました。
するとダンボールの中から
「柊ちゃん」と呼ぶ声が。
その声がかつての姉と
同じだとわかった柊一は
彼女を出そうとします。
ところがその瞬間
ダンボールに触るなと
大声で怒鳴られました。
どうやら姉は
引きこもっているらしく
かつて優しかった頃とは
”別人”になっていました…。
夕方までに帰るよの読んでみた感想・評価
宮崎さんの作品を読むのは
『ホーリータウン』以来。
どこかノスタルジックで
おかしな宮崎ワールドに
惹きこまれたものです。
本作も『ホーリータウン』同様
物語に救いようがありません。
序盤から描かれる
”崩壊寸前の家族”を見て
軽く鬱になりかけました。
まるで心をえぐられる気分。
悪徳カルト宗教にハマり
金を騙し取られる両親が
生々しくて気持ち悪い!
宇宙からの電磁波だの
魂をリフレッシュだの…
相当ヤバイですよアレは。
こんな両親に振り回される
柊一が本当に気の毒です。
しかし柊一本人は
「昔よりマシだから」と
洗脳された両親を放置気味。
確かに柊一の言う通り
夫婦仲が良くなったのは
マシかもしれませんが…。
”偽りの幸せ”を手に入れて
”希望”はあるのでしょうか。
そういえば姉の方も
酷い変わり様でしたね!
あんなことをしてまで
古いアパートの一室に
引きこもるなんて。
幼い頃はとても優しい
柊一の良き姉だったのに
何があったのでしょう?
過去が気になります。
夕方までに帰るよはこんな方におすすめな作品!必見
後味の悪い作品が読みたい。
そんな方には
「夕方までに帰るよ」が
ぴったりだと思います!
本作は『ホーリータウン』
『変身のニュース』などの
漫画家・宮崎夏次系の作品。
どこか懐かしくなる
不思議な世界を舞台に
崩壊寸前の家族を描きます。
宮崎さんの絵は
全体的にサブカルっぽく
独特な雰囲気があります。
きっと惹きこまれますよ!
ですがストーリーは
読む人によって難しく
感じるかもしれません。
好き嫌いが分かれる
作品だと思います。
主人公・柊一は
カルト教団に熱心な
両親と暮らしており…
自立した姉はアパートで
大量のダンボールの中に
引きこもっています。
柊一の家族はみんな
”別人”に変わり果て
狂っていました。
彼らの人生を狂わせた
きっかけはわかりません。
一つわかっているのは
家族は崩壊寸前ということ。
しかし柊一本人は
家族に向き合うことなく
日々を過ごしていて…。
孤独な彼に残されたのは
”偽りの幸せ”と”絶望”。
かすかな希望はあるものの
救われる気がしません…。
後味の悪い作品が読みたい
または軽く鬱になりたい方は
読んでみるといいですよ~!