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夜に蠢くのネタバレと試し読み!あらすじや感想も書いてます!

夜に蠢く

この記事は約 5 分で読めます。
タイトル 夜に蠢く
原作・漫画 柳沢きみお
出版社 ゴマブックス

平凡でハードな生活、
冴えない上に先が見えない日常、
勝ち組にはなれなそうな社内環境。

そんな毎日を送っていた郷屋川は
いきなりの依頼をきっかけに
有名会社社長の影武者に。

しかし変身した後も苦闘は続き、
重圧が去ることはなく……

並行スライド形式で人生が変わる、
昨今の「転生もの」にも通じる
ファンタジックなテーマと、

会社員の辛さや社長の重圧の
身に染みるようなリアルさが
同時に味わえる異色作です。

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夜に蠢くのあらすじ紹介

文具問屋に勤める平凡な会社員、
郷屋川 武三十六歳。

彼は会社では上司に怒られ、
初めてできた子供に翻弄される、
ハードな日々を過ごしていました。

時には手持ち不足で呑みにも行けず、
疲労がキツくてフラフラな状況。

しかもそれほど頑張っているのに
会社の業績は思うように上がりません。

そんな冴えない日々を送っていた彼は、
ある日唐突に背広姿の男から、
声をかけられることに。

決して冗談を言わなそうなその男は、
郷屋川に対して、自分の所の
社長の「影武者」になってくれと

強烈な依頼を突きつけてきます。

夜に蠢くのネタバレと今後の展開は?

会社では上司に怒られ、
呑みに行くお金もなく、
家では育児に悩まされる郷屋川。

ベンチで眠り込んでしまうほどの
過労状態で毎日を過ごす中、
会社が潰れるとの噂を耳にします。

文具の問屋会社に勤めていたものの、
時代の流れから問屋に先はないとの
話も合わせて聞いた彼は、

もう少し詳しい話を聞いてみることに。
その旨を電話で伝えると、背広の男は
郷屋川のすぐ背後から現れます。

平凡な会社員を二十四時間張るという
ただならぬ本気ぶりを見せた男は、
仕事の「条件」を提示します。

それは、郷屋川の今の給料プラス十万を
郷屋川の妻に振り込んだ上で、
郷屋川には月百万を支払うというもの。

荒唐無稽な話に半信半疑の郷屋川。
しかし、噂通り会社が潰れてしまい、
同僚とヤケ酒を呑んでいる時に、

再び現れた男から決断を迫られ、
一千万円が入った鞄を見せられた彼は、
ついに別人の人生を選ぶことにします。

そして、二ヶ月もの訓練を経て、
容姿から仕草、言葉遣いに至るまで、
完璧に社長と化した郷屋川は、

自分でも予想もしなかったほどの
有名企業のトップとして
毎日を過ごすことになるのでした。

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夜に蠢くの読んでみた感想・評価

強烈な内容なのにも関わらず、
「あるある」と頷いてしまいました。

華々しい出世など縁遠い中、
少しのミスを会社の上司に怒られ、
小遣いも底をつき呑みにもいけない日々。

家に帰れば赤ちゃんの世話が大変で、
奥さんは疲れ果てていて、
自分も疲労している中世話をする。

まさしくあるあるな苦労話ですが、
そんなある日いきなり声をかけられ、
社長の影武者にスカウトされるのは、

フィクションにしても唐突で
驚きを禁じえないものがありました。

社長と瓜二つの人に会っただけで、
冗談を本気に仕上げてしまう重役と、
計画にGOサインを出してしまう上層部、

悪い冗談にしか思えない大企業ですが、
しかしリアルな話をしてしまうと、
潰れそうな古巣よりはマシであり、

披露困憊の日常と見えない将来から、
ヤバ過ぎる話に乗った郷屋川の決断も、
また一つの「あるある」なわけです。

しかし、定評のある企業がこんな無茶を
果たしてやるのかとも思いますが、
現実にはもっと有り得ない話が

次々出てきたりもしているわけで、
影武者を使う企業もあるのかも、
とも思えてしまいました。

また、偉い人に成り代わっても、
結局は幸せとは遠い現実も
遠慮なく描かれていて、

昨今の多くの転生ものとは、
真逆な見方だとも思いましたね。

夜に蠢くはこんな方におすすめな作品!必見

平凡な人生は退屈だ、スリルが欲しい、
もっとマシな人生があったはずだ、
いきなり大出世してみたい……、

普通に生きているとついつい、
こういった願望にかられてしまうものですが、
もちろん現実的にはそうはいきません。

だからこそ「転生もの」が流行するのですが、
本作の場合、今までの知識も何もかも継続し、
その上で社長になれというお話です。

多くの転生ものに比べて色々とおいしい、
明らかにうまい話な上に現在が舞台なので、
世界構成に無理がないのはいいですね。

しかし、本作ではそんな話の裏に潜む、
嫌な現実まで破綻なく描写されています。

そもそも、ろくに知りもしない相手に、
社長の影武者を頼む企業という時点で、
よく考えてみれば相当に危ないのですが、

その嫌さ加減もハイパーリアル路線で、
主人公に感情移入できる分、
へばりつくような嫌悪感がありますね。

また、漫画家という「中の人」が、
出版社を描いているという、
「業界もの」としての構図もあり、

色々とハラハラする展開が、
否応なしに続いていく感じもリアルです。

現代日本でサラリーマンを影武者にする
強烈なファンタジーの話を、
周囲や背景の迫真さで固める筆力は

類似の作品には見られないものです。

現実からの逃避の誘惑とその代償を
地に足に着いたところから描写する、

柳沢作品の中で異色の一作でしょう。

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