タイトル | 大奥 |
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原作・漫画 | よしながふみ |
出版社 | 白泉社 |
大奥で見聞きしたことは
たとえ親や兄弟であっても
話してはいけない。
ある疫病によって男子は
次々と死んでいった・・・
男子の人口が少ないこの時代に
美男三千人を集めたという。
男女逆転大奥という
今までにない
SF大河ロマン!
大奥のあらすじ紹介
ひとりの子どもが
熊に襲われて
疫病をもらってきた。
原因不明の高熱に襲われ、
真っ赤な発疹が
全身に広がり死亡した。
恐ろしい疫病はあっという間に
隣の村へと伝染していった。
男だけが疫病に伝染し
次々と死んでいく・・・
数年後には
さらに被害は広がり
日本中で男子の人口は減り続ける。
八十年後には男子の人口は
女子の四分の一で安定する。
男子が貴重な存在となり
婿を取ることは
上流階級の特権となった。
労働を担い、家業を継ぐのも
女の役割となった。
それは
将軍職も例外ではなかった。
大奥のネタバレと今後の展開は?
時は正徳六年、江戸。
水野祐之進という男が
大奥に仕えることを決意した。
女人禁制、男の城である大奥は
美男三千人を集めたというが
実際は八百名にも満たない。
大奥は想像していたような
場所ではなかった。
才能や美貌を持った若い男子が
数多く居るのに
ここは暗い・・・
七代将軍家継が病で死亡し、
八代将軍吉宗が誕生した。
吉宗に見初められた水野は
夜の相手を命じられる。
未婚の将軍の初めての相手をする
男はご内証の方と呼ばれる。
夜伽の手ほどきをするという
重大な役目と同時に
上様の身体を傷つけるとして
死ななければならない。
死ぬ覚悟でいた水野は
吉宗のはからいにより
別の人間として生きることで
死罪を免れます。
吉宗は大奥で
ある人物のもとを訪ねます。
大奥で起きた
全てのことを記録する
御右筆という役職の村瀬に
大奥の日記を見せてほしいと頼みます。
昔は女と男が同じくらい居たという
誰も信じなかった事実。
吉宗は起きたことの
全てを知りたいという思いで
日記「没日録」を手に取った。
大奥の読んでみた感想・評価
男女が逆転した大奥という
今までにない設定。
大奥に仕える美男子の数々に
思わず見とれてしまいます。
セリフも多く、
読み応えがあります。
水野が大奥へ仕えるところから
始まった物語。
なぜこの国は
男子が少なくなったのか?
疑問に思った吉宗が
没日録を手にします。
なぜ男女逆転が起きたのか
過去にさかのぼり
描かれます。
本来の大奥がどのようなものなのか
知らない私でも楽しめました。
男子が少なくなったのは
日本だけで
異国に異常は起きていません。
そのため
異国に知られてはなりません。
女も男名を名乗って家業を継ぎ、
表面上は今まで通りの男社会を
装っているのです。
女が集まると人間関係が
ドロドロしたものになるというのは
珍しくはありません。
男の人間関係は女ほど
ドロドロしないものだろうと
思っていました。
男の嫉妬は女の嫉妬より
恐ろしいといわれているように
大奥での人間模様も
泥沼化していました。
男が少ないこの時代ならではの
理不尽な出来事に
切なくなりました。
大奥はこんな方におすすめな作品!必見
男子の人口が減った日本の
江戸時代を中心に
過去へさかのぼる形で描かれた大奥。
男子のみがかかる疫病という
ありえない設定。
フィクションなのに
リアリティがあります。
男子がこれ以上減るのを
食い止めねばと疫病の原因や
治療法を見つけるべく
奔走する男たちは見事なものです。
中には志半ばで
死んでしまう者もいて
切なくなります。
時代背景や人物描写も丁寧で
作者はこの漫画を描くにあたり
徹底的に勉強したんだなというのが
伝わってきます。
ストーリーがすごく練られていて
大河ドラマが好きな方は
ハマる作品だと思います。
徳川将軍といっても
家康しか知らない!
大奥ってなに?
という歴史が全く分からない方でも
問題ありません。
歴史にあまり関心がない方も
大奥を読むと歴史に興味が出てくる
と思います。
ドラマや映画を先に見て
おもしろかったと感じた方は
原作も合わせて読むと
より世界観に引き込まれると思います。
壮大な歴史物語に
圧倒されること
間違いなしの作品です。