タイトル | 奇少物件100LDK |
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原作・漫画 | 岡田伸一 九里もなか |
出版社 | エブリスタ |
超敏腕にして超強烈な性格である
営業マン大和は、
巨大財閥長門家との商談に臨むが、
そこには通常の交渉と違う、
奇妙で不思議な「試験」が
最重要要素として存在していた。
独創的なゲームとハードな展開が
息もつかせぬ形で連続する、
問題解決系エンタメ作品です。
奇少物件100LDKのあらすじ紹介
日本の公共事業を牛耳り、
他の追随を許さないほどの
財力と権力を誇る長門家。
セキュリティ会社の超敏腕
営業マンとして知られる大和は、
要塞のような邸宅の、
警備契約の締結という
ビッグビジネスを成立させるべく、
単身、長門家と対峙します。
幸い、長門家もまた、
警備態勢を強化したい思惑もあり、
交渉は前向きに進みます。
しかし、長門家の商談可否を決める
「試験」は強烈かつ型破りで、
長門家自身にも秘密があるなど、
大和は熾烈な契約争いの中、
さらなる難題に直面していきます。
奇少物件100LDKのネタバレと今後の展開は?
日本の公共事業を牛耳る、
超強力な大企業、
長門ホールディングス。
超腕利きの営業マンにして
強烈な性格の持ち主である
大和霧彦は、
長門一族が住まう巨大な館の
セキュリティ契約を取り付けるべく、
交渉に臨んでいました。
しかし、彼の前に現れた、
色黒セクシー系メイドの光は、
あけすけ過ぎるほどの性格で、
極めて妙ながらも、「試験」を
大和に課してきました。
八角形にして百室構成という
巨大過ぎる館の中で、
長門家の面々が様々な、
「試験」を課すという内容で、
通常の交渉とは、あまりにも
かけ離れたルールでした。
しかし超有能な営業にして
ライバル企業の腕利き営業、
赤城さんも参加していると知り、
大和は強烈な地を出して、
「試験」に挑んでいくことに。
しかし、日本を牛耳る長門家の
企画はやはり並外れており、
出題者が赤ちゃんだったり、
本物の手榴弾と対峙したりと、
心身を削る展開が続きますが、
大和はそれを乗り越えていきます。
もっとも「試験」を出す側の
長門家の面々にも、普通の家庭同様、
様々な問題があり、
館に滞在することになる大和は
否応なしにその難しさにも
直面することになるのでした。
奇少物件100LDKの読んでみた感想・評価
単純なデスゲーム系かと思いきや
実に創意工夫のある仕掛け満載で
予想できず楽しめました。
まず本作の特徴は、
単にお金に飽かせてでは
到底説明がつかないような情熱で、
100LDKの物件を作ってしまった
長門家の人々も強烈な熱情です。
日本を完璧に牛耳れるような
絶大な権力と財力、技術を有し、
どんな企業にも指示を下せるのに、
何故かゲームをやっているんですね。
そして、権力に訴えるわけでも
紳士に交渉するわけでもない
明らかに厄介な相手にも、
全力で立ち向かう大和もまた、
素敵かつ厄介な性格をしており、
良い意味での意外性がありました。
もちろん巨大な権力を持つ一族が、
わざわざゲームの形を取って、
無関係なプロに接する以上は、
それをするだけの事情があり、
そこには人間ドラマが
しっかりと根付いています。
とは言え本作の根幹は、
あくまで奇妙奇天烈な仕掛けと、
ユニークなゲームの数々であり、
深刻になり過ぎずに
エンタメ感覚で読み進められる
「余裕」があるのもいい所ですね。
奇少物件100LDKはこんな方におすすめな作品!必見
世の中には実に様々な業種がありますが、
その中でもほとんどの企業に
欠かさず存在するのが「営業」です。
しかし、いわゆる企業ものの作品は、
物を作ったり仕上げたりして、
目標達成を目指すことが多く、
時に営業職は無茶振り担当として、
主人公チームのお邪魔虫として
描かれることもありますね。
しかし、営業が無茶を
言ってくるということは、
すなわち顧客の方から、
ヤバい要求が入っているわけで
そんな顧客と対峙する
営業の苦労は強烈です。
本作では実に様々な仕掛けを
フルに講じてある「館」に
大和が入ってくる形ですが、
色々な責任を末端へと
ためらいなくかけてくるあたり、
長門一家の厄介さは本物です。
しかし大和はその事情を熟知しつつ、
あくまで職務に邁進し続け、
しかも「我」を通していくんですね。
本当にどんな顧客が相手でも
決して仕事を放棄したりせずに、
しかも「勝利」すらしてしまう、
スーパー営業マンの凄さを
堪能したいならば
本作は最適と言えるでしょう。