タイトル | 新・ちいさいひと 青葉児童相談所物語 |
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原作・漫画 | 水野光博 夾竹桃 |
出版社 | 小学館 |
児童相談所では、日夜様々な親子の
相談に応じています。
状況によっては、
児童の一時避難など、調査・判定・指導
の決断も下す機関です。
育児放棄や虐待などの、
親と子の関係に焦点を置いた。
「社会問題」に
対してを題材にした漫画です。
新・ちいさいひと 青葉児童相談所物語のあらすじ紹介
青葉相談所にやって来た母子の相談から
物語は始まります。
離婚して生活に不安があると
訴えたのは母親の星野環那です。
息子の名前は吐夢君。
児童福祉士の相川健太は面談するも、
不安視するような兆候は見られず、
その日は帰宅させていたのです。
その後の三歳児健康診断に現れない母子
訪問すると、母子の姿は無く室内は
ゴミまみれです。
育児放棄可能性が予想される状態でした
「吐夢君!」部屋の中に駆け入る
相談員の様子から、
緊急性が感じられます。
新・ちいさいひと 青葉児童相談所物語のネタバレと今後の展開は?
面談の様子から、
とても甘えん坊だった子供の吐夢君。
その事から相川健太も、
その母子をしっかりと記憶してました。
環那を見つけた、青葉の相談員。
話を聞くと、環那はそのゴミまみれの
アパートから勝手に転居していました。
吐夢君は無事なのでしょうか・・・
「家にはもう三日も帰っていない」
と環那は言います。
どうか吐夢君、無事でいて欲しい!
健太・塚地・山下はそう願います。
吐夢君がいるアパート、
外からは鍵がかかっています。
鍵を開けて欲しい、と言うも環那は
戸惑っている様子から、中々鍵を
開けません・・・。
ついに健太は!
ドアを蹴り破ります。
そしてドアは開かれたのでした。
「吐夢くん!!」
片隅に横たわる子供・・・
吐夢君です。
「ママ・・・」と、吐夢君が呟きます。
吐夢君は緊急搬送されました。
今日から一緒に暮らせない母子。
母親は吐夢君が大嫌いだった・・・
と言います。
「自分は母親失格・・・」
しかし理由の言葉の全てが、
息子を愛していると聞こえます。
二人はいつか共に暮らすために、
前に進んでゆくのです。
新・ちいさいひと 青葉児童相談所物語の読んでみた感想・評価
母と子が二人で生きるには、
私達が想像する以上に大変な事が
あると感じました。
そして、自分を見捨てたはずの
母に対して子供は・・・
それでも、母親の愛を求めています。
そう言う問題に至るには、
親側にも深い悩みと葛藤があります。
一概に、それが悪だとは言えません。
ただ・・・
親の保護が無ければ、生きることさえ
ままならない子供。
何を信じ、そして何を憎むべきなのか
読んでいて深く考えさせられました。
青葉相談所の職員が言っていた、
「兆候」を見逃してはならない事、
それを気付く事が出来る能力。
それは相川自身が、サバイバーだった
経験を持つから。
ある意味で、ある角度から見れば
親もある種の被害者であると思います。
作中でも言っているように、
人は変われます。
変わろうと思って、
それを諦めなければ。
私はそんな気持ちを信じたいです。
どの子も、そしてどの親も・・・
それに関わる全ての母子が、
幸せに毎日を送ることが
出来る世の中になって欲しいと。
願うばかりです。
新・ちいさいひと 青葉児童相談所物語はこんな方におすすめな作品!必見
親と子の心理描写を
詳しく書かれていて、
感動する内容の漫画です。
ネグレクト、と聞くと・・・
親が悪い!問題がある!と、
一般的には単に判断されるのかも
知れません。
もちろん、ネグレクトや虐待は
許されるべき事では決してありません。
しかし!
そこには親側の心の葛藤や
それを誘発してしまう心の問題、
そして原因もある。
両者の問題を、両者の目線に立って、
同時に解明している漫画です。
ここに登場している話の母子に、
頑張って欲しいと・・・
共感してしまう様な作品でした。
青葉の職員である、新人の山下が
最後のSOSを自分が見逃したのでは
無いか・・・と考えます。
今までは仕事に一生懸命に
なれなかった山下が、真剣に環那に
接する姿にも感動しました。
まさに人は変われるんだ!と、
痛感した場面でも有りました。
核家族化が進み、他人に対しては、
興味を失ってしまいがちなご時世。
困っている人がいるならば、
私も誰かの何かの役に立ちたい!
読んでいて、そう思い始める漫画です。