タイトル | 東亜総統特務隊 ヤパニッシュ・フライビリング・デア・ヴァッフェンSS |
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原作・漫画 | 小林源文 |
出版社 | ゲンブンマガジン |
第二次世界大戦末期・1943年。
大日本帝国軍とドイツ第三帝国は
劣勢を強いられていた──
敗北色の濃い現状を打破すべく、
地獄の南方激戦地より舞い戻った
大日本帝国陸軍中尉・佐藤大輔。
不運にもその部下になる中村正徳軍曹。
これは戦史には決して記されない、
達成不可能な任務を完遂した
一人の猛者と不幸な男の物語である。
東亜総統特務隊 ヤパニッシュ・フライビリング・デア・ヴァッフェンSSあらすじ紹介
1943年4月。
満州国の満州里にてドイツ帝国軍の
航空機が到着した事が、
この物語の始まりでもある……
英国空軍機に狙われるも奇跡的に
満州へとたどり着いたハイネッケン大尉。
総統からの極秘任務完遂委の為に、
アジアへと訪れた。
同盟国である日本陸軍を使い、
SS特殊作戦部隊の設立と指揮をする為に
派遣された指揮官だった。
目的はソ連へ供給されている
アメリカ軍の物資輸送ルートの破壊。
しかし南方と大陸に優秀な人員が
回せない日本帝国陸軍上層部。
内地へと舞い戻った
軍の鬼子でもある佐藤大輔中尉が・・・。
SS特殊作戦部隊隊長として
特務任務を与え、満州国へと派遣を決定した。
これが後にソ連とアメリカを
翻弄する事になる……東亜総統特務隊
(ヤパニッシュ・フライビリング・
デア・ヴァッフェンSS)の誕生の瞬間だった。
東亜総統特務隊 ヤパニッシュ・フライビリング・デア・ヴァッフェンSSネタバレ・今後の展開
大日本帝国軍で最も危険な男
として知られる佐藤大輔中尉。
彼は同盟国であるドイツ帝国の為に
特務任務部隊へと配属される事となります。
そんな彼の部下となる兵員は
軍刑務所の犯罪者達数十名。
そして陸軍中野学校の優等生
である忍者である陸軍少尉早川昇に、
元憲兵の問題児である中村正徳軍曹。
一癖二癖ある面々を東亜総統特務隊
として鍛えていきます。
まず最初に刑務所で怠け切った
犯罪者達を実弾による
訓練と爆破による訓練のスパルタを行い。
使える兵士達として鍛え上げていきますが、
その中でも中村正徳軍曹だけは
最大の問題児でもありました。
それもその筈。
元々中村軍曹は、憲兵隊でありながら
業務上横領と恐喝に婦女暴行。
ワイセツ行為に傷害窃盗に
殺人未遂まで犯してしまった、
筋金入りの犯罪者でした。
でも佐藤大輔中尉により、
一応は兵士として使えれるようにされます。
やはり問題児には変わりなく、
己の欲望に忠実と横柄な態度も災い。
東亜総統特務隊のお荷物として
扱われていく事となります。
そしてようやくにして任務が与えられた
東亜総統特務隊の面々達の最初の任務。
それはウラジオストックの
シベリア鉄道・陸橋の爆破任務でした。
謎の武器商人である八百大人の案内の元、
敵陣へと乗り込む東亜総統特務隊。
はたして彼らは、無事に任務を
遂行する事ができるのでしょうか?
東亜総統特務隊 ヤパニッシュ・フライビリング・デア・ヴァッフェンSS読んでみた感想・評価
戦記漫画の第一人者である小林源文先生が描く、
凸凹日本人コンビが御送りする戦記物語。
「東亜総統特務隊 ヤパニッシュ・
フライビリング・デア・ヴァッフェンSS」。
後の小林源文作品を語る上では離せない、
あの佐藤大輔と中村正徳が
活躍する戦記漫画となっています。
日本最強とも言える佐藤大輔に、
日本最弱のダメ兵士である中村。
全く正反対すぎる二人が
東部戦線のドイツや、
ソビエト戦で燃える戦場を駆け巡り。
ついにはアメリカ軍に
大打撃を与えると、実に痛快無比な今作。
日本人がドイツの特殊部隊となると、
少し変わった設定で構築される今作品。
ある意味では『オメガ』の
前身作品としての側面。
当時の戦争時にも特殊作戦任務専門の
部隊がいたとの話を元に、
小林先生が独自のテイストで描かれています。
この作品の最大の見所になるのは、
佐藤大輔と中村正徳の
掛け合い部分とも言えます。
いつも最前線へと立たされ、
ひどい目に合わされてしまう。
中村正徳に、そんな彼を
徹底的にイジメ倒す佐藤大輔。
二人の掛け合いがシリアスな部分を
緩和するコミカルさを演出させ、
面白さをより引き出してくれます。
そんなこの二人は実在する
小説家の佐藤大輔先生と、
小林源文先生の名物アシスタントである
中村正徳氏がモデルであります。
その個性的過ぎる性格ゆえに漫画に登場させ、
その他にも小林源文先生に縁がある、
漫画家の花輪和一先生など。
様々な登場人物が実に個性的に描かれ、
物語をより面白く演出してくれています。
第二次世界大戦の激化する
ヨーロッパ大陸が舞台。
ドイツ軍人として、またはソ連軍人として
潜入し破壊工作と、特殊部隊モノとして、
またスパイ作品としての面白さがある今作。
第二次世界大戦の裏側で活躍する
特殊部隊・東亜総統特務隊の
果敢なる雄姿に終始目が離せません。
第二次世界大戦や特殊部隊に興味がある方におすすめ
戦記モノの漫画作品の中で、
第二次世界大戦の裏側で暗躍する
特殊部隊の作品が好きな人に
おススメしたい作品です。
今回の
「東亜総統特務隊 ヤパニッシュ・
フライビリング・デア・ヴァッフェンSS」です。
第二次世界大戦の末期とも言える
1943年を舞台に描かれる。
激戦地区のソビエト領内やヨーロッパを
巡る戦いの中で暗躍する日本人。
戦場の裏側で活躍する
スパイものの戦記作品なら
大抵はアメリカ軍などを題材にします。
ですが今作品では、
エリートな兵士である佐藤大輔と、
彼とは全く正反対すぎる中村正徳。
凸凹コンビが特殊任務を帯びた
兵士として活躍する。
緊迫する筈の戦場のシリアスさの中に、
ギャグマンガのコミカルさが
劇画の中に絶妙に描かれています。
小林源文先生のギャグのテイストが
満載した作品ともなっています。
危険な敵地へと数十名の精鋭で潜入し、
任務を遂行する緊張感ある場面みものです。
ここぞと言わんばかりに
ヘマをする中村正徳に、
そんな彼に痛烈な制裁を加える佐藤大輔。
後の小林源文作品の定番となる、
二人の掛け合いが実に面白く、
初の佐藤・中村コンビの出来た作品です。
ただ中村正徳の不運が、
可哀想なのに笑えてしまうと、
また精強な佐藤大輔の活躍する。
シリアスかつコミカルで描かれた今作は、
そんな二人の活躍を綴った作品です。
小林ファンが納得の面白さが
満載した作品とも言えます。