死刑囚042のネタバレと感想！あらすじや無料試し読み！

０４２号こと田嶋は、
ヤクザ絡みで殺人を繰り返し、
死刑囚となっていましたが、

死刑に代わる新たなシステムの
実験台として外の世界で
働き始めることに……

一人の死刑囚の姿を通じ
法や命とは何かを問いかける
傑作ヒューマンストーリーです。

死刑囚042のあらすじ紹介

死刑囚０４２号こと田嶋は、
過酷かつまるで自由のない
処刑を待つだけの日々でしたが、

ある日、死刑廃止に代わる
新たな社会実験の被検体に
誘われることに。

脳内にチップを仕込み、
感情を爆発させれば即死、
しかもその生活を継続する、

極めて過酷な条件でしたが、
田嶋はこの話を受け入れ、

集英高校のスタッフとして
働き始めることに。

牢獄では味わえない土や
空の素晴らしさ、
そして人との血の通った交流。

外に出た解放感を満喫する
田嶋でしたが、

死刑囚にとって外の生活は
一筋縄ではいかないものでした。

死刑囚042のネタバレと今後の展開は？

社会的に完全な空白の少年期を経て
ヤクザ絡みのことが原因で、
七人以上もの殺人をした田嶋。

まったく自由も尊厳もない
監獄の中で死を待つだけの
時間を生きていましたが、

ある日、面会に来た男から、

死刑に代わる新たな方策として
脳にチップを入れ獄の外で生きる
実験対象になることを提案されます。

しかし、それは救済措置ではありません。

感情が一定ラインを超えれば即死、
その際は他の死刑囚も処刑され、
死刑廃止の話もナシという

恐ろしいほどに厳しい条件でしたが、
外の世界を欲していた田嶋は
その話を受け入れます。

話を受けた田嶋は集英高校の
用務担当として働くことに。

田嶋の素性は既に知れ渡っており、
しかも活発な学生相手ということで
仕事始めから陰口に晒されます。

それでも意に介さず仕事をする中で、
心優しい少女、ゆめと知り合ったり
土や空を満喫したりと

充実した日常を味わいます。

が、色々な者が集まる高校内には
単なる悪意を超えた
強烈な害意を向けてくる者も…

死刑囚042の読んでみた感想・評価

書店でタイトルを見た時は
どんな残酷な話なのだろうと
読み始めるのに躊躇しましたが、

作中で描かれているのは、
不自由な状況でも必死に生きる
「人間」の姿に他なりませんでした。

実験中ということもあり、
様々な縛りの中で外界を、
しかも無限の可能性があるような

学生たちの中で過ごしていく田嶋。
過去の辛い経験や獄中生活などで
社会経験が極端に欠けている彼が、

徐々に人と親しみ考え悩み、
そして生きていく姿からは、

かつて大量殺人を犯した
死刑囚としての顔は見えません。

しかし、それが真実なのですね。

事の是非はともかくとして、
他人の全てを知ることはできない。

だからこそ高校に勤めた彼が
模範的なほどの男なのも真実で
そこに偏見を持とうと意味がない。

とても難しいことではありますが、
本作からは人を色眼鏡で見ない
先入観を抱かない大切さを

改めて説かれたような気がします。

だからこそラストの展開は

衝撃的でしたね。

本当に人間味のないのは誰か、
強烈に問いかけているような
そんな事件が待っています。

死刑囚042はこんな方におすすめな作品！必見

血も涙もない、と称される死刑囚。
彼らを処断することははるか昔からの
常識でしたが、世の中は変わります。

死刑もなく、終身投獄もない世界。
そんな「楽園」の実験をすることになる
０４２号ですが、無論罪は消えません。

たとえそれが辛い「空白」の結果でも
起こしたことの責任は取らなければ。
それも周りが納得するような形で……

本作で示されている実験は、
実のところは人道的とは言えず、
しかも人間的な「甘さ」さえありません。

死刑にまつわる話ではどうしても
人間的な感情の衝突が出てきますが、

作中で活躍するキャラクターでなく、

背後にうっすらと見える大きな存在に
ぞっとするような感情を覚える点で
本作は非常に希少と言えます。

また、主人公の田嶋も経験はあれど
決して残酷ではなく、

彼の後を継いだ死刑囚でさえ
醜悪な顔を見せていません。

究極の加害者とも言える死刑囚に
必要以上の嫌悪を抱くことなく

人を裁くシステムや「命」を
じっくり考えられる意味でも、
本作は貴重な作品と言えます。

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