タイトル | 烈火の炎 |
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原作・漫画 | 安西信行 |
出版社 | 小学館 |
勉強嫌いで喧嘩っ早い忍者オタクの
男子高校生・花菱烈火(はなびし・れっか)。
ヒロインであり烈火の「君主」である
佐古下柳(さこした・やなぎ)。
その仲間たちを中心とした
バトルあり友情あり
恋愛要素ありの冒険活劇です。
烈火の炎あらすじ紹介
主人公の烈火はある日、
不良学生にナンパされます。
困っていた柳を助け出したことから、
柳と親しくなります。
柳の人柄に強く惹かれた烈火は彼女を
「自分の君主」として
認めることになります。
柳自身もまた烈火の人柄に惹かれ、
「君主」という立場に戸惑いつつも
彼を受け入れることになるのです。
「彼氏と彼女」ではなく「忍と姫」という、
傍から見ればちょっと変わった関係。
そんな変わった関係の二人の周りに
一人一人と集まる仲間たちと、
なぜか烈火たちをつけ狙う謎の敵の存在。
そして、ついには柳の身に危険が迫りー。
果たして烈火と仲間たちは、
強大な敵の存在に
どう立ち向かっていくのか?
烈火を狙う敵の正体とは?
烈火たちの長きにわたる戦いが今、
幕を開けますー。
烈火の炎ネタバレ・今後の展開
作中に登場するキャラクターは、
彼ら自身に超能力があるわけではない。
基本的には「魔導具」と呼ばれる
武器・防具を用いて戦います。
そんな中で「生まれながらにして」
超常的な能力を
持っているキャラが三名登場します。
それが主人公の烈火とヒロインの柳。
そして烈火と対立するキャラであり、
もう一人の主人公ともいえるキャラクター、
「紅麗」(くれい)の三人です。
烈火と紅麗の二人はとある術により
現代へ流れ着いた、
戦国時代のとある忍の一族の人間、
それも一族の当主の実子
(烈火は正室との間に生まれた子どもで、
紅麗は側室との子です。
つまり二人は異母兄弟
ということになります)
であるということが
序盤で明かされています。
以降の展開は「烈火と柳」の関係性だけでなく
「烈火と紅麗」の関係性についても掘り下げられ、
描かれていくことになります。
そして、
終盤まで明かされないことがあります。
柳自身にもやはり烈火たち
忍の一族と深い関わりを持つ
「とある秘密」が隠されているのです。
果たして、柳に隠された「秘密」とは?
烈火と紅麗の戦いの行方は
一体どうなるのか?
烈火と柳の関係性、烈火と紅麗の
複雑な人間模様を描きながら、
物語は佳境へと向かっていきます。
烈火の炎読んでみた感想・評価
第一巻から最終巻まで本作を
通して読み進めました。
まず印象に残った点といえば
「絵柄の向上」でした。
最初期の絵柄はなかなか安定せず、
主人公もヒロインも(申し訳ないですが)
物語の華を彩る主要キャラとは
思えないぐらい地味な容姿…。
それでも、巻を追うごとに
作画が安定し始めます。
迫力のある戦闘描写や時に残酷な描写も
堂々と描かれるようになり、
作者様の努力が伺えます。
「絵柄の変化を追っていく」という
楽しみがあるのも
本作の大きな特徴と言えるでしょう。
キャラクターに関しては、
物語のラストまでどの登場人物も
キャラ設定もブレません。
非常に丁寧に描かれていたように思われます。
特に主要人物の一人である紅麗に関しては、
よくできたキャラクター造形だと思われます。
紅麗というキャラは
「烈火にとって最大の敵」
であり「作中最強のキャラ」です。
真の黒幕(ラスボス)が登場してからも、
そのポジションは一貫して保ったままです。
中盤以降は「敵」ではなく
「もう一人の主人公」として描かれています。
一人の人間として時に迷い、
時に戦うことへの葛藤なども垣間見せる紅麗。
それでも烈火と手を取り合い協力して
ラスボスを倒すというような昨今で言うところの
「デレる」場面は物語の最後まで出てきません。
主人公や仲間たちに関しても
性格や行動理念が
大きくブレることはありません。
最後まで自分の信念に従って戦い抜く姿は
実に好感を持てます。
また、この作品の見どころは、
「ヒーロー(烈火)がヒロイン(柳)を守る」
という少年漫画の王道な
展開を押さえています。
また「現代」と「戦国時代」という
二つの時代背景が舞台。
時空を越えた因果や宿命といった
壮大なテーマを終盤まできちんと
描ききっているところだと言えます。
伏線回収も丁寧になされています。
最大の謎である「柳は何者なのか」という点と、
タイトルにもなっている「烈火の炎」が
つながった物語終盤の「とあるシーン」。
多くの読者を感嘆させること間違いないでしょう。
王道の少年バトル漫画が読みたい方におすすめ
サンデーの読者層である中高生の男子、
特に「王道の少年漫画、ヒーローものが読みたい」
という方におすすめです。
キャラクター同士の人間関係の描写を深く
丁寧に描いています。
(掲載誌が少年誌ということもあり
多少のお色気描写があります。)
(そういうのが気にならない
という方であれば)
女性の方にもオススメしたい作品です。
ストーリーもキャラクターの
描写も完成度が高く、
また「魔導具」を用いた
戦闘描写は非常に独創的です。
全体的に見て非常にバランスの良い
作品だとおもわれます。
王道のバトル漫画が読みたいと
思って読むもいいでしょう。
かわいいヒロイン(ヒロインの柳を始め、
魅力的な女性キャラも多く登場します)
を拝みたいと思うのも。
烈火や紅麗などかっこいい男性キャラに
萌えたいと思って読むもよし。
とにかく男女問わず多くの人に
オススメしたい。
そして読み始めたとしても
第一巻の絵柄を見て投げ出すことなく、
きちんと最後まで読んでいただきたい作品です。
私自身、本作に触れたのは小学生の頃で、
当時はりぼんなどの少女漫画を
中心に読みふけっていました。
そんな自分でもしっかりハマって全巻揃えた
数少ない少年漫画が
この「烈火の炎」なのですから。