タイトル | 町でうわさの天狗の子 |
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原作・漫画 | 岩本ナオ |
出版社 | 小学館 |
作者は、
「このマンガがすごい!オンナ編」で
2017年に「金の国 水の国」を、
翌年2018年には
「マロニエ王国の七人の騎士」を
それぞれ1位で受賞されてた
岩本ナオ先生。
「町でうわさの天狗の子」は
岩本ナオ先生が月刊フラワーズで
6年半連載した全12巻の
長編少女漫画です。
町でうわさの天狗の子のあらすじ紹介
刑部秋姫は、緑峰町を守る神様・
天狗の康徳坊の一人娘。
天狗と人間のハーフである秋姫は
天狗の力を持ちながらも、
普通の女の子として生活していました。
そんな彼女は憧れの同級生・神谷武と
同じ高校を受験する為に
初めて緑峰町を出ます。
しかし、天狗のお山から離れた途端、
よからぬモノが秋姫の邪魔をします。
そこを助けたのが
秋姫の幼馴染の榎本瞬。
彼は修業中の天狗で、
秋姫の父康徳坊の部下でした。
恋愛に友情に、青春に。
普通の女の子として高校生活を
楽しもうとする秋姫ですが、
彼女の天狗の血が
「普通の女の子」である事を邪魔します。
秋姫の恋の行方は
どうなるのでしょうか?
町でうわさの天狗の子のネタバレと今後の展開は?
秋姫は武と同じ群青高校に
入学できたものの、「天狗の娘」として
陰口を言われたりして
避けられてしまいます。
緑峰町では普通だった天狗が、
ここでは馴染みないものだったのです。
それでも仲良くなろうと秋姫は努力します。
また、武があやかしに狙われてると
知った秋姫は、瞬に助けられながら
問題を解決しようとします。
普通の女の子として学生生活を
楽しみたかった秋姫ですが、
なかなか思い通りにはいきません。
それでも数々の事件を経て秋姫は、
なんと憧れのイケメン武の
「彼女」になる事ができました。
クラスの子とも友達になれ、
武ともデートして楽しい生活を
送っていたはずの秋姫ですが、
徐々に武との間に溝が
できてしまいます。
やがて武と別れることに…。
そんな秋姫の波乱な高校生活を
ずっと傍で見守る瞬には、
別の心配がありました。
幼い頃からずっと不吉な夢に
苛まれていたのでした。
それは、秋姫を失ってしまう夢。
それを避ける為、瞬は黙々と修業を重ね、
天狗として強くなろうとしていました。
秋姫は瞬のことを家族同然と
考えていましたが、少しずつ家族とは
また別の存在だと意識していきます。
優しい友人たちと、愉快な眷属に囲まれ、
秋姫が高校生活を楽しんでいる最中、
京都から来た鬼が秋姫を襲うのでした…。
町でうわさの天狗の子の読んでみた感想・評価
天狗の子?
眷属?
なんで獣が普通に喋っているの?
多くは説明せず、不思議でほんわかした
世界観で繰り広げられる
秋姫の青春ストーリーです。
世界観も素敵ですが、何より台詞まわしが
印象的で素晴らしいです。
多くを語らないからこそ、
後から読み返したとき、
「なるほどこういう事か!」と納得できる
お話のつくりになっています。
秋姫と武のすれ違い、そして
瞬の秋姫の想いが、彼らの表情や
ちょっとした仕草から
いじらしくも伝わってくるのも素敵です。
何より最初は仏頂面で何を考えているか
分からない幼馴染だった瞬が、
徐々に読者にもわかりやすいくらい
秋姫のことを想っていると
伝わるシーンの数々は圧巻…。
また、主要人物以外のわき役とされる
キャラも魅力的な人物ばかりが
そろっています。
喋るもふもふの獣たちも、
時には愛らしく、憎らしく、
でも家族のような秋姫と瞬を
想って共に行動してくれます。
彼らもまた言葉が少ないので、
後々読み返すと、
「だからあの時ああいっていたのか」
と納得できるシーンが数々あります。
彼らの結末がどうなるのか。
ほんわかした表紙からは
想像ができない展開でした。
町でうわさの天狗の子はこんな方におすすめな作品!必見
少女漫画的な恋愛が好きな方に
まずおすすめしたいです。
瞬くんの秋姫への恋心がかなり切なく、
いじらしく描かれています。
クール×強キャラ×ちょっとS×
知略タイプなキャラクター好きなら、
榎本瞬はまさにそこに当てはまります!
でも秋姫は瞬の好意に無自覚なので、
瞬をかなり振り回してしまいます…。
家族だから、恋人ではないから。
でも、いざっていう時、秋姫の口から
出る言葉は「助けて、瞬ちゃん!」だから、
瞬も秋姫を見捨てることができません。
後半にかけてかなり増える二人のシーンは
どれも秀逸で捨てがたいです。
…にやにやしながら読めます。
そして、魅力的な表紙を見てください。
柔らかなタッチで、ほんわり描かれた
表紙に惹かれた方におすすめしたいです。
(絵柄が気に入らなければ、
漫画にとっかかりにくいのも
あるのですが…)
この表紙のやわらかで、でも緻密な
イラストが、漫画の一コマ一コマに
あふれています。
最終巻の結末まで読んだあと、
秋姫たちのきらきらした、でも穏やかな
青春が詰まっている表紙を
すべて読み返してください。
最初とは違った感情が
芽生えると思います。
気になった方は
ぜひお手に取ってみてください。