タイトル | 研修医 なな子 |
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原作・漫画 | 森本梢子 |
出版社 | 集英社 |
晴れて研修医となった
杉坂なな子先生の奮闘記。
第二外科のボス小山田教授のもと、
天才的な外科の腕を持つ指導医の
緒方先生、同期の荒巻先生たちともに、
一人前の外科医になるべく、
ドタバタしながら成長していきます。
研修医 なな子のあらすじ紹介
杉坂なな子先生が、
大学病院の第二外科に入局します。
そこでは緒方医師が
なな子先生の指導医として、
研修指導します。
最初は、研修医同士の採血の練習から。
手術室での助手を経て、経験を積み、
小山田教授のプレッシャーにも耐えます。
頼りにならない同期、怖いけれどフォローも
しっかりしている看護師の支えで、
恐怖の当直、外勤、手術の失投を経て、
一人前の外科医を目指して
成長していきます。
そんな、なな子先生の
スリリングな毎日を描いています。
研修医 なな子のネタバレと今後の展開は?
男性にすっかり縁のないなな子先生。
研修中は、タイプの男性を
探すゆとりもなく、日々の忙しい研修に
忙殺されています。
もちろん最後は
立派な外科医になりますが、
名字が杉坂先生から変わるのです。
小山田教授と同じになることはない
ってことは想像つきやすいですね。
では誰か。
普通に考えたら、
同期の研修医荒巻先生です。
荒巻先生との絡みのシーンは
ちょくちょくありますし、
同期ですから仲も良い。
もちろん、
いやらしい意味での
絡みではありません。
この漫画には
そんなシーンは全くありません。
いたって真面目に
なな子先生の医学的側面からの成長を
追っているだけだからです。
じゃ誰か。
それは・・・
緒方先生なのです。
なな子先生の研修医の時に
9年目という設定なので、
少なくとも33歳にはなっているはずの
イケメンの緒方先生が
独身っていう設定には驚きました。
けれど、何しろ少し変わったところのある
緒方先生ですから、
女性の方が敬遠していたのかもしれません。
最後のシーンは、緒方なな子先生が
研修医に指導する立場になったことを示して
終わりになっています。
研修医 なな子の読んでみた感想・評価
わたくし自身が研修医の頃、
医局の本棚に見つけたのが
この「研修医なな子」でした。
医局の本棚にある漫画といえば、
「ブラックジャック」という
イメージだったので驚きましたよ。
わたくしも、小学生の頃から
「ブラックジャック」を読んで
大きくなりましたから。
けれど、この「研修医なな子」
とてもリアルに描けています。
研修医時代って
本当にこんな感じでした。
ドジで失敗ばかりして、
指導医(オーベンと呼んでいました)は
怖くて近寄れず、
研修医と指導医の間にいる
チューベンという先生の後ろについて
回っていました。
初めて診察した時のドキドキ感
手術の助手に着いた時の緊張感
執刀した時の恐怖感
救急車のサイレンが聞こえないことを
願い続けた当直
右も左も分からない外勤先に
一人で行った時の孤独感
本当によく取材したんだなぁと
感心しました。
今では緒方先生以上の歳に
なってしまいましたが、
たまに読み返して、
若かりし時の緊張感、
志しを忘れないようにしています。
研修医 なな子はこんな方におすすめな作品!必見
この漫画は、
これから医師になろうとしている人、
医師になりたい人にオススメです。
そして、卒業しこれから研修医に
なろうというドクターにもです。
それだけでなく、
大学病院を受診しようとしている方々にも
読んでもらいたいですね。
医師はすべてが万能ではないのです。
はじめは右も左も分からない
研修医だったのです。
それが、たくさんの研修を経て経験を積み、
一つ一つのハードルを越えていくことで、
一人前になっていきます。
大学病院は、
そんな研修医のいるところなのです。
高度な医療も提供してくれる
かもしれませんが、
教育機関という側面もあります。
若い先生が採血や血管の確保に失敗しても、
目くじらを立てず、
おおらかに見守ってやってください。
皆さんのそうした思いに
彼ら彼女らはとても感謝しています。
そして、1日も早く独り立ちできるよう
研鑽を積んでいくのです。
これから医師になろうという人にとっては、
研修医は決して甘いものではないことを
この本を読んで理解してください。
それでも研修医を乗り切れると
思った人だけ、医師を目指して
ほしいとおもいます。