タイトル | 神のみぞ知るセカイ |
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原作・漫画 | 若木民喜 |
出版社 | 小学館 |
「落とし神」とあだ名される
凄腕のギャルゲーマー、桂木 桂馬は、
現実はクソゲーと言い切り、
リアル女子との交際には
まったく興味がありませんでした。
しかし、挑発的なメールに応じたために、
「駆け魂」捕縛のためということで、
女の子たちを攻略するハメに……
長期にわたってアニメ化された、
ゲーム的面白さとリリカルさを
兼ね備えた名作ラブコメです。
神のみぞ知るセカイのあらすじ紹介
リアルでは女の子と手もつながないが、
ゲームの世界では超人的腕前を発揮し、
落とし神と呼ばれている桂木 桂馬は、
無数に来る攻略依頼などのメールに
混ざって入ってきた、
妙に挑発的な文章に応じます。
しかしそれは魔界の契約書であり、
桂馬はちょっとダメな悪魔の
エルシィとコンビを組み、
「駆け魂」の捕縛をすることに。
しかも契約は命がけで、
失敗すれば実際に首が飛びます。
しかも相手はゲームのキャラではなく、
リアルな女子な上、
相手を選べないという状況ですが、
自分とエルシィの命のためには、
桂馬は何とか解かなければなりません。
しかも自分が「主人公」という立場で……
神のみぞ知るセカイのネタバレと今後の展開は?
挑発的なメールに応じてしまったため、
命がけで駆け魂を回収する羽目になった桂馬。
一人クリアして終わりだ、と思いきや
街中の駆け魂を相手しなくてはならないらしく
しかも仕事の都合もあり
エルシィが「妹」として同居することに。
当然桂馬の父母の夫婦仲はマズくなり、
家族構成まで変わりそうな勢いですが、
エルシィの思いを知った桂馬は、
当面妹として扱うことにします。
こうした妹騒動は一見落着しましたが、
命がかかっているからには
なんとしても仕事をしなければなりません。
桂馬は早速次の相手を発見します。
その相手とは青山 美生。
社長令嬢という本物のお嬢様です。
外見からタイプを読み取った桂馬は、
押しに弱そうだということで、
いきなりの告白で先手を取ろうと試みます。
しかし告白してもあっさりフラれ、
すげなく追い返されてしまいます。
そうした態度の中にどこか
妙なものを感じた桂馬がを追うと、美生は
ボロアパートに入っていきました。
父親が亡くなり、もうお金はないのに、
美生は今もお嬢様のフリをしていたのです。
そこで桂馬は、逃げた運転手の代わりになり
秘密を共有し、関係を向上させることに。
しかし、体力気力を消耗する割には
決め手に欠けます。そこで桂馬たちは
美生をあるパーティへ招待するのでした。
神のみぞ知るセカイの読んでみた感想・評価
「リアルはクソゲー」と言ってはばからない、
典型的な内向的オタクの見本のような桂馬が、
リアルの女の子を落としまくるのが斬新です。
いわゆるオタク系のキャラを
主人公にした作品も最近は増えてきましたが、
ハーレムもののように次々と
女の子から好意を抱かれる、
という作品は多くありません。
また、一度目標を達成するごとに、
基本的には女の子の記憶がリセットされる
という修羅場避けに優れたシステムや、
攻略しないと桂馬たちの命に関わる状況など、
後ろめたくなく、しかも
モチベーションを上げる設定も
完備されているきめ細やかさが光ります。
メインとなる女の子たちは文句なく可愛い上、
良いリアクションや背景を持っているので、
がっちり感情移入をしていくことができます。
その上ゲーム的テンプレを踏まえているので、
「攻略」する側の桂馬も楽でしょうし、
読んでいる私たちのテンションも
グイグイと上がっていくというものです。
「現実はクソゲー」と考えているが故に、
ゲームとは違い予測不能な行動や
リアクションを取る女の子たちに時に驚き、
時にドギマギする桂馬も
なかなか可愛らしいものがあり、
読んでいて飽きることがありませんでした。
神のみぞ知るセカイはこんな方におすすめな作品!必見
様々な女の子といい関係になる
作品というのはなかなか多いですね。
最近では「ハーレム系」として
一ジャンルを成立させている感もあります。
しかし、魅力的な女子が登場する作品は
少なくない一方で、主人公の描き方は
なかなか難しいところがあります。
同時に大勢の女の子に
いい顔をする関係上、
八方美人で鈍感、あるいは浮気者
といった感じになってしまいがちで、
どうしても嫌な奴に見えがちなんですね。
しかし本作は自分の命や社会の今後が
成否で左右されるという
キツい状況下で「落とし」に徹します。
このドライさを基本にしているので、
桂馬はシビアであるものの
嫌な奴にはならずに済んでいます。
だからモヤモヤ感が少ないんですね。
ターゲットとなる娘が変わるたびに
展開が変化していくのも面白いですし、
大長編だけにストーリーや
キャラのの絡みも複雑で先が読めません。
また、肝心の女の子たちも実にキュート、
しかも様々なタイプがいて、
それぞれ違った表情を見せてくれたり、
男ゴコロをくすぐるというか、
なかなか描けそうで描けないドキドキを
形にしてくれているのが嬉しいですね。
桂馬のキャラ立ちなどを含め、
全体的な完成度はさすがとしか言えません。
テンプレ的なキャラを描きつつも、
そこからふっと抜け出してみせる
漫画センスの抜群の良さは、
ジャンルの壁を超えて語られるべきですね。